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星河の覇皇

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第八十五部第三章 北京星系を見てその十五

「連合は混血が進んでいるわね」
「はい、もう四兆の市民のほぼ全員がそうなっています」
「誰もが植民地にいた人々の血を引き継いでいます」
「奴隷だった血を」
「そのルーツを持っています」
「私達は奴隷だったのよ」
 連合の者達はというのだ。
「そこから市民になったのよ、だからね」
「それで、ですね」
「もう二度と奴隷にはならない」
「市民であり続ける」
「そのことが絶対ですね」
「エウロパ人は侵略を繰り返し破壊と略奪、殺戮の限りを尽くし」
 そしてというのだ。
「数多くの生物を絶滅に追い込んできたわ」
「おぞましい破壊者達ですね」
「十字軍の蛮行もありましたし」
「そして大航海時代から侵略を繰り返し」
「多くの血を流してきました」
「遊びで母親の目の前で子供の頭を岩にぶつけて殺したりもしたわ」 
 スペインの中南米での植民地統治のことだ、これはある神父が告発したものでありスペインが植民地に厄介払いとばかりならず者達を送り出したことも大きかった。
「そうしたわね」
「お高く止まっていますが」
「その実は、でしたね」
「残虐な者達です」
「我々とは全く違います」
「彼等の本質は野蛮な侵略者よ」
 伊東もまたこう思っているのだ。
「それ故にね」
「今もですね」
「何かあれば侵略を企てますね」
「サハラもそうしましたし」
「それを防ぎたいならですね」
「我々はこれからもですね」
「成長し続けることよ」
 発展し続けることだというのだ。
「いいわね」
「左様ですね」
「日本も然りで」
「発展し続けることですね」
「何としても」
「日本一国でエウロパの十倍以上の国力があるわ」
 もっと言えば十倍では利かない。
「そしてね」
「他の国もですね」
「エウロパ一国以上の国力がある国が多いですね」
「そして連合全体で六百倍」
「そこまでの力がありますね」
「それをさらにね」
 六百倍からというのだ。
「大きくしていくのよ」
「千倍そしてさらにですね」
「大きくなりますね」
「千倍以上にも」
「そうなっていきますね」
「そして国力を見せつけるのよ」
 連合の巨大さをというのだ。
「いいわね」
「その国力をですね」
「彼等に見せていく」
「ありのままの我々をですね」
「何故西太后が贅沢をしたか」
 清代末期に君臨した女性である、漢の呂后唐の則天武后と並び中国三大悪女とされ呼ばれているのはこの時代でも同じだ。 
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