ハッピークローバー
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第百四話 過ごしやすくなってその七
「勝つとかいうし」
「勝ち栗だね」
「戦国時代食べたのよね」
「戦う前にね」
「戦国大名の人達食べたっていうし」
そうする儀式があったのだ。
「栗もね」
「好きなんだ」
「うち栗ご飯も皆好きだし」
こちらの食べものもというのだ。
「天津甘栗だって」
「ああ、あれ美味しいよね」
「皆好きだし」
「栗もいいんだ」
「ええ、銀杏も好きで」
それと共にというのだ。
「栗もなの」
「梨や葡萄はどうかな」
古田はこうした果物を出した。
「あと柿も」
「どれも好きよ、そうそう柿ね」
理虹は心から嬉しそうに話した。
「私秋の果物で一番好きなのは」
「柿なんだ」
「栗好きで梨もだけれど」
それ以上にというのだ。
「特にね」
「柿がなんだ」
「好きで」
それでというのだ。
「もう柿があったら」
「それでいいんだ」
「それ位好きよ、固めの柿に」
そうした柿にというのだ。
「洗って皮ごとね」
「かじりつくんだ」
「丸ごとでもいいし」
一個というのだ。
「半分でも四分の一でも切っても」
「いいんだ」
「兎に角固めの柿が」
これがというのだ。
「大好きなのよ」
「柔らかい熟した柿は」
「固い柿よりはね」
どうにもというのだった。
「あまりね」
「そうなんだ」
「柿は固いのが」
そちらの方がというのだ。
「好きよ」
「あまり固いとね」
どうかとだ、古田は言った。
「柿は青くて」
「そうそう、渋いのよね」
「そうした柿はね」
「食べられたものじゃないわね」
「そうだよね」
「私もそうした柿は駄目よ」
理虹にしてもというのだ。
「やっぱりね」
「そうだよね」
「だから渋くない」
「固めの」
「そうした柿がね」
「好きなんだ」
「お店で売ってる柿色の」
まさにその色のというのだ。
「そうした柿がね」
「好きなんだね」
「青いと」
それならというのだ。
「もうね」
「駄目だね」
「とてもね」
こう言うのだった。
「無理よ」
「そうだよね、僕も柿好きだけれど」
「渋いとよね」
「食べられないよ、ただある程柔らかくても」
古田は自分のことを話した。
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