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イベリス

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第百二十五話 品選びその六

「進学は八条大学もです」
「考えるんだな」
「八条学園の学校ですし」
「高等部の東京校でな」
「ある程度の成績ならエスカレーター式に行けますし」
「じゃあ丁度いいな」
「しかも八条大学って偏差値も悪くなくて」
 咲はこちらの話もした。
「法学部や医学部は七十ありますが」
「その二つの学部は高いんだな」
「他の学部は五十五から六十ですね」
「それなりの高さだな」
「それでいて設備充実していて図書館も凄くて」
 こちらもというのだ。
「かなり学問に励めるそうですし」
「動物園や美術館もあってな」
「鉄道博物館もあるんですよ」
「八条大学って八条グループが運営していてな」
「グループに鉄道会社もあって」
「それで、だよな」
「鉄道博物館もあるんですよね」
 こうした場所もというのだ。
「本当に何でもある学校で大学院も充実していて」
「学問には最適か」
「そう聞いてますから」
「進学はか」
「考えています」
 前向きにというのだ。
「今は」
「いいな、エスカレーターだしな」
「尚更ですね」
「進みやすいしな」
 それでというのだ。
「あの大学に行きたいならな」
「それならですね」
「勉強してな」
「進学すればいいですね」
「ああ、エスカレーターなら油断しないで勉強したら」
「普通に行けます」
「それならちゃんと勉強してな」
 そうしてというのだ。
「行けばいいさ」
「そうですよね」
「エスカレーターもいいんだよ」
 これの進学もというのだ。
「生きたい大学に行けるならな」
「そのうえで勉強したら」
「そりゃどうしようもない奴がコネで進学してもな」
 そうなってもというのだ。
「何にもならないけれどそこから何か学びたいって思うならな」
「エスカレーターもですね」
「またよしでな」
 そうなってというのだ。
「それで嬢ちゃんもな」
「進学してもですね」
「いいさ、八条大学にな」
 神戸にあるこの大学にというのだ。
「それでな」
「そのうえで、ですね」
「勉強してな」 
 そのうえでというのだ。
「立派な人になってくれよ」
「立派なですか」
「立派な人、まあ普通に生きて働いている人はな」
「立派ですか」
「それでそんな人になったらな」
 それならとだ、マスターは咲にさらに話した。
「それだけで世の中人の為にな」
「役に立つんですね」
「普通に働いて生きていって人にちょっとでも親切に出来たらな」
「それで立派な人ですか」
「そうだよ、真面目に生きて優しさもあったら」
「立派な人ですか」
「そうしたものだよ、だから嬢ちゃんもな」  
 咲もというのだ。 
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