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神々の塔

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第四十四話 狐狸その二

「天かす入れたのがそやけど」
「他の地域やとこれがたぬきうどんになるな」
 羅はこう応えた。
「それでたぬきそばに」
「あんを入れたのがそれの地域もあるし」
 施は愛媛等の話をした。
「そこはそれぞれでな」
「関西やとそやな」
 トウェインははっきりと言った。
「きつねうどんとたぬきそばやな」
「逆にきつねそばたぬきうどんはない」
 メルヴィルも指摘した。
「日本の関西ではそやな」
「うちハイカラも好きやけど」
 こちらのうどんそれに蕎麦もというのだ。
「きつねもたぬきもやで」
「好きやねんな」
「きつねうどんもたぬきそばも」
「どっちも」
「そやねんな」
「どっちかっていうときつねやけど」
 きつねうどんがというのだ、尚このうどんは大阪で生まれたまさに大阪起源の食べものの一つである。
「お蕎麦も好きやし」
「それでか」
「綾乃ちゃんたぬきそばも好きか」
「そうやねんな」
「そっちも」
「それで生きものも好きやで」
 狐も狸もというのだ。
「同じだけ」
「それは何よりです、私もです」
 九尾の狐が主の芥川の横に出て来て言ってきた。
「狸の諸氏とはです」
「仲ええんやね」
「鵺氏とも」
「私の身体は狸のものなので」
 今度は鵺が主の中里の横に出て来て言って来た。
「それで、です」
「狸になるんやね」
「左様です」
「お顔はお猿さんで」
「足は虎、尻尾は蛇でして」
 鵺自身も話した。
「身体は狸なので」
「それでやね」
「狸となりますと」
 この生きものに区分すると、というのだ。
「なりますね」
「そうなるんやね」
「狸は日本では親しまれている生きもので」
「うちも好きやで」
「そう言って頂き何よりです」
「というか狐と狸ってやってること同じね」
 アレンカールは九尾の狐と鵺を観つつ話した。
「童話とかだと」
「はい、化かしますね」
「悪戯を愛しています」
 狐と鵺はアレンカールにも答えた。
「人を驚かせたりして喜びます」
「それが我等の同朋の楽しみです」
「それ以上の悪いことはしないので」
 童話等ではというのだ。
「日本では愛されてるのよね」
「人を取って食べるとかないし」
 綾乃はそうしたことないと言い切った。
「大体そうした習性ないし」
「そうよね」
「悪戯位やとええし」
「もっとも常にばれてです」
「最後は怒られるか殴られるかですね」
 九尾の狐も鵺もそこは笑って話した。
「そうなってしまいますね」
「童話等では」
「そやね、まあ懲らしめるってことで」
 その悪戯をとだ、綾乃は笑って話した。 
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