ハッピークローバー
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第百四話 過ごしやすくなってその三
「うちの学園の子でもね」
「外国からの子大抵そう言うのよね」
「ギリシアの子はいいって言うけれど」
「他の国の子は何処がいいのかってね」
「言うよね」
「コオロギとかキリギリスとか鈴虫とか」
「全部ね」
「夏の蝉だって」
この虫の鳴き声もというのだ。
「何がいいのかってね」
「言うよね」
「中には耳に入らないって子もいて」
そもそもというのだ。
「最初このお話に驚いたわ」
「僕もだよ、本当にね」
まさにというのだ。
「ノイズなんだってね」
「そう思うってね」
「それがね」
このことがというのだ。
「わからないわよね」
「僕達にはね」
「こういうのが日本人だけって」
「最初全然わからなかったし」
「今だってよね」
「うん、コオロギとかの声っていいよ」
秋のそれはというのだ。
「素敵な音楽だよ」
「それ自体がね」
「けれど」
それがというのだ。
「他の国の人にはわからないのが」
「驚いて」
「わからないよ」
「感覚が違うのかしら」
「そうかもね。まあキリギリスは鳴いても」
古田はこの虫自体についても話した。
「結構以上に狂暴なんだよね」
「そうなの」
「生物部の子が言ってたけれど」
その部活の友人がというのだ。
「螽斯は雑食でもむしろね」
「肉食なのね」
「だから他の虫と一緒のケースに入れてたら」
その時はというと。
「お野菜とか入れていても」
「他の虫を襲うの」
「そうするから」
だからだというのだ。
「螽斯は一匹だけね」
「ケースの中に入れるのね」
「キリギリス同士でも」
同じ種類同士でもというのだ。
「共食いするから」
「駄目なのね」
「ある人がケースに水槽とかお野菜たっぷり入れて」
そうしてというのだ。
「キリギリスに他の虫も七匹位入れたら」
「皆食べられたの」
「朝起きてケース観たら」
そうすればというのだ。
「六匹はもう羽根だけで」
「最後の一匹になっていたんだよ」
「最後の」
「それで最後の一匹を現在進行形で」
それでというのだ。
「食べていたんだ」
「凄く嫌な状況ね」
「そうだよね」
「それがキリギリスなのね」
「カマキリとも喧嘩出来るし」
この昆虫ともというのだ。
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