暗殺教室 in Hero
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緑谷出久の暗殺教室43 死神の時間 3時間目
瓦礫で左腕を骨折したイリーナを介抱する烏間。烏間は自分の上着を破いて、棒で添木した。その瞬間イリーナは口を押さえ、血を流した。
烏間「おい!血が!!!」
イリーナ「...いや...あんたがいい体すぎて興奮した......!!」
烏間「脳に異常かと思ったが、お前の場合はそれが正常だな......お前に嵌められてもなお...生徒達はお前の身を案じていた。それを聞いて、プロの枠にこだわっていた俺の方が小さく思えた」
烏間はイリーナの目をまっすぐ見て言った。
烏間「思いやりが欠けていた、すまない」
そう言った瞬間、死神の殺気を感じた。生徒達の言う通り死神が戻ってきたのだ。
しかし気づいたのはそれだけではなく、先ほどよりも濃密な殺気だった。
烏間「なんだ...この殺気は...だが......イリーナ。お前が育った世界とは違うかもしれない。だが、俺と生徒がいる教室にはお前は必要だ」
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死神は瓦礫を破壊して、イリーナの元へ戻ってきた。イリーナのことを確認すると、懐から四角い機械を取り出し、それについているボタンを押した。それをまた懐にしまった。
そして苛立ちを抑えながらイリーナに対して口を開いた。
死神「イリーナ、烏間は?」
イリーナ「...別の道を探しにどっか行ったわ。ひどいじゃない死神。私ごと爆破するなんて」
死神「ああでもしないと目的が達成できないだろう?僕らの世界は騙し騙されのはずだ。文句があるなら確実に殺してあげるよ...まあその前に奴らを誘い出す餌になってもらうけど」
イリーナ「あら...ずいぶん苛立っているじゃない。逃げられたのね......そう...あと別に騙されたのは気にしていないわ。
私もね、すぐにオトコを乗り換えるビッチだから」
次の瞬間、烏間が背後から死神を捕まえ、そのまま動きを封じる。
烏間「自分の技術を過信せずに信頼できる仲間を作るべきだったな。この場所じゃどんな小細工をされるかわからない。すっきりした場所へ移ろう」
そしてそのまま死神と共に、下へ続く穴へと落ちた。
死神(こいつ正気か!?!?)
烏間「思ったんだが...お前そんな大した殺し屋か?」
死神「なにっ!?!?」
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茅野「ねえ殺せんせー、出久君や烏間先生の方に行ったほうがいいんじゃ...」
殺せんせー「弱いなりの戦い方は考えられましたか。焦らなくてもいい。あなた達はもっと強くなる」
脱出を始めた一同は檻から出て長い通路を歩いていた。そして立坑の場所についていた。足元は水場となっている。
磯貝「律のマップを見るとあっちが出口だ......ん?なんだ!?上から...!」
磯貝がそう言ったと同時に、烏間と死神が受身をとって着地した。
生徒「烏間先生!」
烏間「みんな...早くそのタコと離れるんだ。こいつとは俺が決着をつける......1つ1つの技術の凄さで強引に結果を出せるだろうが、生徒達には踊らされ、イリーナにも騙された。爪が甘すぎる。ブランクでもあったか......っ!?」
水に浮いているのは、花屋の時の顔のマスク。そして今の死神の顔は、顔の皮を剥ぎ取った素顔だった。
吉田「な、なんだよあの顔...!?」
殺せんせー「......」
死神「変装のスキルを極めるのに邪魔だから剥いだだけだ......全部台無しだ。あのタコが生徒達の前にいるから振り出しにも戻れない...あぁ...くそっ...くそっ...!!」
烏間「...そろそろこの教室からご退出願おう。お前は生徒の教育に悪すぎる」
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出久「何か音が聞こえた...水が跳ねる音...もしかしたら誰かあっちに...なんだこの何かを引き摺っている音は?」
出久達が音に反応して足を止めた。轟が音がした方を炎で照らす。足音を殺して、のぞいてみると。
轟「っ!あいつまだ...!」
そこにはボロボロになりながらも歩いている化け物が。方向的に水の音がした方に向かっている。
「グガ...グゥゥ...!!ウゥゥゥゥ!!!!」
出久「轟君...背後から一気に行くから足を氷で」
轟「ああ......3、2、1...今だ!!!」
一気に氷を出して化け物の足どころか下半身を凍らせる。そして出久は背後に周り右腕を構える。
出久「デトロイト...!!」
「ア゛ガア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!!」
化け物が今までで一番の咆哮を上げた瞬間。
出久「うわっ!?!?」
轟「なんだこの風!?」
化け物を中心に竜巻が起こった。出久と轟が吹き飛ばされ、化け物を捕まえていた氷が砕ける。
それだけでなく...化け物の傷が塞がっているのだ。
「グゥゥゥ......っ!!」
出久「傷が治っていってる!?」
轟「あいつの個性は身体強化系じゃなかったのか...!?風を起こすのと回復...3つ......!」
出久「でも...あいつの傷の治り方おかしくない...?」
傷の治り方はまるで麻酔もせずに無理やり傷を塞いでいくような筋肉の動きをしており、血を止めるために無理やり直そうとしているように見える。
傷を塞いでいくにつれて化け物も痛みで声を荒げる。
「フゥ!フゥ!フゥゥゥ......!!ガァ......アァァァアアアアア!!」
ある程度の傷が治ったと同時に化け物は痛みに耐え、最後の力を振り絞るように高速で走り始めた。
出久「待て!!!」
轟「くそっ!!」
殺せんせー「死神がナイフを!あっ、違うワイヤーだ!烏間先生これを、おおすごい!避け様に返の肘!!!あっナイフを盾に!それを見て瞬時に蹴りに!えーとえーと!同時に蹴りで攻撃!なんか!なんかすごい戦いだーー!!!」
生徒「うっさい!!!」
岡野「私たちも見れてるから!!気が散るからやめて!」
前原「喋るならもっと上手く喋れよ!!」
殺せんせー「にゅや!?失礼しました...」
渚「凄いね烏間先生...」
殺せんせー「ええ、死神のスキルは多彩です。いくら警戒しても裏を取られてしまう。だからこそ烏間先生はあえて接近戦にした。場所も、水とコンクリだけのシンプルな場所に」
渚「あと死神の動きが悪いって思うんだけど...」
殺せんせー「ええ、律さんが元に戻るのは流石に想定外だったんでしょう。私達が外に出て、さらに私が自由になったため、今の状況をどう打開しようか焦っているのでしょう」
烏間の体術は死神よりも高く、焦っている死神を余裕で捌き、押している。
殺せんせー「......ですが私がいるからなのか、秘密兵器を使いませんね...」
カルマ「秘密兵器...?」
死神「ごぶぁ!?!?」
烏間の右ストレート、回し蹴りが顔面位あたり、死神は倒れる。
烏間「...終わりだ」
生徒達、そして階段で降りてきていたイリーナが死神に勝ったと思った。しかし殺せんせーと烏間はまだ死神に警戒しており、
死神は嗤った。
死神「.........終わるのは...お前だよ...烏間...」
ドガン!!と大きな音がすると上から大きな岩がいくつも降り注いできた。殺せんせーは生徒達を守流ように前に立ち、烏間は降り注いでくる岩を避ける。
死神「今だ“脳無”!!!」
脳無「ガァァァ!!!!」
上から化け物、否、脳無と呼ばれた存在が突風を起こし、烏間と死神を囲うように風操作して水の竜巻を作った。
イリーナ「なにっ...!?あっ!?!?」
あまりの風でイリーナも階段から吹き飛ばされて、烏間と同じように竜巻の中に入ってしまった。
その水の竜巻は凄まじいスピードで回っており、横から突っ込むことなどはできず、入れるとしたら烏間や脳無が降りてきた上からしかない。
殺せんせー達の場所からでは凄まじい速さで回転する水の壁、そして水で削られた柱の破片が飛んできていた。
殺せんせーは水を避けながら、さらに大きな岩の破片を1つも生徒達に当てないように触手で破壊する。
殺せんせー「烏間先生!!大丈夫ですかー!(にゅや...この水の量であの速さで流れる水...突っ込んで助けに行こうとしても死神が構えている...地面から侵入できますが、そしたら飛んでくる無数の瓦礫からみなさんを守り辛くなりますね...皆さんはこの突風で飛ばされないように踏ん張っているため動けない...早く対処しなければ!)」
そして竜巻の中は空洞で烏間達は今のところ無事だった。
烏間「イリーナ無事か!!ちっ、奴は緑谷君達が対処していた化け物か!」
イリーナ「平気よ...でもどうするの...」
脳無「......ガア゛ズマ゛......!」
烏間「なっ...!?」
脳無の言葉に固まった2人。そして2人は脳無に首を掴まれたまま宙に浮かされてしまった。
イリーナ「がっ......!」
烏間(まずい...!こいつは俺らの首をへし折る気だ......!)
死神「残念だったね。何もスマホだけじゃないんだよ。こんなボタンひとつのものでも操れるんだよ」
死神が取り出したのはシンプルにボタンが一つある機械。
死神「これで脳無は僕の言うことを聞く。君と会う前に押しておいたんだ。あらかじめ命令していたのはボタンが押されたら僕の元へ来い、と言う命令をしていたんだ」
イリーナ(そういえばそんな行動してたわね...迂闊だったわ...タコへの対処じゃなくて私たちに対してだったなんて...いや、私たちに変更したのね)
死神(この状況であのタコが突っ込んできても、水で濡れて遅くなっている。僕なら殺せるスピードになっているはずだ...!)
死神は隠していたマシンガンを2つ両手に構える。
死神「まあまずは君らを始末しよう。脳無......ずいぶん嬉しそうだね脳無」
脳無「ギャッギャッギャッギャッギャッギャッ!!!!!!」
体はもう限界でありかつ、治したはずの傷口から再びを血を流し始めても脳無は嗤い、両手に込める力が徐々に強くなる。まるで2人が苦しんでいる2人を長くみるために。
烏間(打つ手...なしか...!!)
出久「あああああああああああ!!!!!!やめろぉぉーーーーーーっ!!!」
出久の叫び声と同時に
数え切れなほどの黒い触手のようなものが脳無と死神に対して降り注いできた。
ほんの少し前...出久達の方では
出久はOFAで轟は氷で脳無を追いかけていた。
出久「まだあんな体力を残しているなんて...!!あんなのが外に出たら大変なのことになる!!!」
すると前の方から壁が破壊される音が、ドガン!!と響いてきた。
轟「まさかあいつが外に出た音か!?」
2人はさらに速度を上げて追いかける。そして進んだ先には壊された穴が。
出久「はぁ...はぁ...穴の外は地上じゃない...奴は...っ!?!?」
下から突風が吹き荒れ、激しい水の音が聞こえ始めた。
下を見ると、顔の皮が全てない死神と、先程追いかけていた化け物の脳無。そして脳無に首を絞められている烏間とイリーナが見えた。
出久「先生!!!」
死神達の周りは脳無が引き起こしている突風で水が吸い上げられて、水で囲まれていた。
出久(殺せんせーは!?なんでいないんだ!?みんなを非難させているからここにいないのか!?それともあの水の壁で入れないのか!?)
轟「やべえ!!先生達が殺される!!!」
出久「ふざけるな...!させないに決まってるだろ!!!」
出久は飛び降りた。
しかし拳が届く前に、脳無が2人の首を折る方が早いことは、出久が一番分かっていた。
それでも助けないといけない。
だが間に合わない。
止めたい
しかし届かない
届かない
届かない
せめて奴の腕を”捕えれば“
届いてくれ
届いてくれ
この怒りが届いてくれ
出久「あああああああああああ!!!!!!やめろぉぉーーーーーーっ!!!」
そう腹の底から叫んだ。
それに応えるかのように、
右腕から黒い触手のようなものが無数に飛び出して死神と脳無に目掛けて降り注ぎ始めた。
出久「なんだこれっ!?!?ぐぅぅぅ!?!?!?(痛い!!痛い!!さっきまでなんともなかったのに!?)
死神「は?なんごばっ!?!?がはゅ!?!?」
黒い触手もどきはまず死神に何度に攻撃をして叩きのめしていく。同時に脳無の体に巻きつき、触手もどきで脳無の首を絞める。
脳無が苦しさで烏間とイリーナを手放した。
烏間「なんだ!?あれは...緑谷君!?っ!イリーナ!!!」
この攻撃が出久によるものだと理解したが、その瞬間自分達にも触手もどきが降り注いできた。烏間はイリーナを抱えて何とか避ける。
その間に脳無の個性が解除されて周りの水がなくなっていく。
出久「うう゛う゛う゛う゛う゛う゛!!!?!?!?」
触手もどきが脳無を持ちあげて、壁に何度もぶつける。そして最後に頭から地面へと猛スピードで叩きつけようとしている。
脳無「ゴガァァァアア゛ア゛ア゛!!!?!?」
その時苦しみながらのお互いの目が合った。
脳無「ミ゛オ゛イ゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!!!!」
首を絞められながらもそう叫んだ脳無は、そのまま頭から地面へと叩きつけられた。
出久は地面に落ちた。しかしそれでも触手もどきは収まらない。
水がようやく引いたため、殺せんせー、生徒達が竜巻の中が見えた。
そこには烏間とイリーナ、ズタボロの死神に、痙攣している脳無。
そして苦しんでいる出久。
殺せんせー「緑谷君!?」
出久「殺、せん、せー...!!!みんなを...!ここから......!力が、抑えられない...!!溢れる...!!!!!」
触手もどきの暴走は激しさを増して、至る所に飛び交う。生徒達にも触手もどきが襲いかかる。
速水「出久!?!?なにあれ!?」
神崎「出久君!!」
寺坂「あれって触手か!?」
イトナ「いや、触手じゃない...個性か?でも暴走しているみたいだ...!」
殺せんせー「みなさん大丈夫ですよ!」
殺せんせーはそれらを全て弾いて、マッハで触手もどきを全て捕まえて、出久を後ろから抱えた。
出久の体がびしょ濡れだったね殺せんせーの体もふやけていく。それでも殺せんせーは出久を離さない。
殺せんせー「緑谷君、落ち着きましょう。この黒いのは先生が全て捕まえましたから」
出久「ありがとう...ございますっ......!でも止まらないぃ...!!」
殺せんせー(この触手?は緑谷君の意思を無視している...!)
イリーナ「カラスマ!!」
イリーナが烏間に投げたのは、生徒達を捕まえた時に利用していた銃型の麻酔針だった。
烏間「そのまま抑えていろ!!」
烏間は抑えられている出久の腕に麻酔針を刺した。
出久「あぐっ......あ...ああ...」
出久の意識が遠のいていくのに比例して、黒い触手は動きを止め始め、そして出久の右腕に吸収されていく。
烏間「...はぁ...なんとか止まったか、イリーナすまない助かった」
イリーナ「...これくらい別にいいわよ...」
死神「ごほっ!ごほっ!!はぁ...はぁ...!!今のはなんだ...個性の派生にしては...おかしいだろ...くそっ...くそっ...!!」
出久の無差別攻撃で意識を飛ばしていた死神が目を覚ました。全員が集まっている状況に死神は歯軋りする。
烏間「...そうだったな、まだお前とは決着をつけていなかったな...おい、お前は緑谷君を介抱していろ。先ほどの暴走は心配だ...」
殺せんせー「ではお任せしましたよ」
殺せんせー、生徒、イリーナは離れて、2人は再び戦闘を始めようと構える。
出久ガール達は殺せんせーの側で出久に元へ。出久の近くで烏間の戦いを見守り始めた。
死神「僕をここまで追い込んだ君らに...真実を教えてあげるよ。悲惨な境遇で育ったなんて嘘っぱち。知人の話を自分の事のように話しただけ。全てあの女を引き寄せる為の話術さ。」
死神は平然とそう言った。
烏間「お前...!」
死神「僕の家は裕福な金持ちだった。だけどね、僕の親は、殺し屋に殺された。あくどい商売やってたみたいで恨みも買ってたし、家でも横暴だったから、殺されても平気だった。むしろね、僕は目を奪われた。親を殺したその殺し屋の手際に。
なんて、素敵な技術なんだろうって...!
目の前で見るプロ野球選手の華麗なバッティングは、それだけで少年の進路を変える力がある。それと同じさ」
それを聞いていたイリーナは顔を歪ませ、生徒達は死神のその言動に腹を立てていた。
死神「この世界は騙し騙されだ...さて烏間先生、君に死神の見えない鎌を見せてあげよう」
死神は懐に手を忍ばせ、銃が出てくると思った烏間は警戒したが、出したのは赤い薔薇。
その赤い薔薇を宙に投げ、投げた手の人差し指を烏間に向け、指から何かを撃ち、烏間の胸に当たった。
死神(僅か10口径、極小サイズの仕込み銃から撃たれるその弾丸。普通に撃っても殺傷力は0に近いが、死神の暗殺技術は不可能を可能にする。大動脈に裂け目を入れ、自らの血圧で裂け目は広がり、やがて大量出血で死に至る!)
烏間の胸から赤い液体が大量に噴出して、膝をついた。
イリーナ「カラスマ!!」
生徒「「「烏間先生!!!」」」
死神「あのふやけた状態のタコのスピードなら、僕は勝てるはずだ...僕のことをコケにしたお前らは......は?」
死神はそこで気づいた。烏間の胸についているチューブに。否、殺せんせーの触手だ。
しかも、血ではなくそれはトマトジュース。殺せんせーは出久を介抱しながらトマトジュースを飲んでいた。触手でトマトジュースを送って、死神の攻撃を喰らったフリをしていたのだ。
殺せんせー「いくらふやけているとしてもあなたじゃ私のスピードには勝てませんよ。どうやら冷静になっているフリをしているだけで状況を理解していなかったようですねぇ」
殺せんせーがそう言い終わると、烏間が立ち上がり、死神の股間を思いっきり蹴り上げた。
死神「〜〜〜!?!?ぐおぉぉぉ!?!?!?!?」
烏間「安心したぞ、死神でも急所が同じで。あのタコの頭の回転は半端じゃない。お前にやられた殺し屋の様子を話したら、瞬時に技術を見抜いたぞ。“私が同じ空間に居れば必ず守れます”だそうだ。ターゲットに守られるのは癪だがな」
烏間は右手に力を込めて、死神に近づく。死神は本気で焦っているようで股間を抑えながら下がろうとし始めていた。
烏間「さあ覚悟は良いな。俺の大事な生徒と同僚に手を出したんだ」
死神「待て!!僕以外に誰が奴を殺れると!?!?」
烏間「スキルなら、ここに全て揃ってる!」
死神「ごぶぁ!!?!?!?」
容赦なく死神を殴った烏間。死神は後方へ吹き飛び、コンクリに頭をぶつけて完全に死神は気絶し、ピクピクと痙攣していた。
烏間「殺し屋なんて止めたらどうだ?職安に行けば役立つスキルは沢山あるぞ」
死神を倒して生徒達は全員喜んだ。すると上から氷をうまく使って降りてきた轟が。
磯貝「轟!無事だったか!!」
轟「ああ、烏間先生が死神は見ていた。緑谷は...あんなの見たことねえが...」
前原「緑谷も苦しがっていたし、俺らにも攻撃してきたんだぜ?...イトナ曰く、触手じゃないらしいけど...緑谷の個性って身体能力系だろ?」
木村「あの時に奇跡的に複数個性が出てきたとか...かな?」
出久のあの力には流石に疑問を持つものが多かった。しかし今はそこまで深掘りせずに、死神を気をつけながら拘束して、出久の様子を確認することに。
茅野「...殺せんせー、あれは触手じゃないんだよね?...イトナ君の時を考えたら、今まで触手の痛みを我慢していたとかないよね?」
殺せんせー「大丈夫ですよ茅野さん。彼のは触手じゃない。触手みたいなのをだしていた時には確かに苦しんでいましたが、もう落ち着いているのですぐ元気になります」
茅野「......そうですか...良かった」
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一方、麻酔針で眠らされた出久。目を覚ますとそこはマスキュラーに殺された時に来た場所と同じ場所だった。周りはほとんどがモヤで見えづらかった。
以前のように体はほとんどモヤになっており、口を開けることもできなかった。
出久(またここに...でも前みたいに死にかけたわけじゃ...)
「おめェェェなァァァ!!!」
いきなり出久に対して、男の大きな声が聞こえてきた。ばっと振り向くと、大きなモヤの中から、スキンヘッドの筋骨隆々の男が出久を指差しながら出てきた。
「違うんだよ!違う!お前は確かに1人じゃないさ!!時は満ちたさ!発現もしたさ!!でもさ!」
指を出久の胸に当て、まっすぐこちらを向いて、先ほどよりも少し落ち着いて話し始めた。
「その力はもう!雑念マシマシで使っていいモノじゃアなくなっている...」
出久(...ま、まさか...ここに出てきたってことは、歴代継承者の1人か!?)
「頑張りなさいよ!!!」
いきなりかつてのOFA継承者に激励の言葉を言われたのだった。
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