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暗殺教室 in Hero

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緑谷出久の暗殺教室42 死神の時間 2時間目

「ギギギ...ガギャ...グゲゲゲ...!」

化け物は出久が傷ついていっていることを喜ぶようにニタニタと笑いながら出久に対して攻撃を続ける。
出久はカウンターを狙うスタイルに変えて、なんとか攻撃を与え続ける。一度攻撃を当てたら後退するように。

出久(なんて頑丈なんだ。だけど少しだけ奴の息が切れてきている。でも連続で攻撃はできない...そのスタイルにしたら関節技を決められる危険性が高まる...早くこいつを倒してみんなのところに...!!)

轟(ちっ...あいつに炎は効きづらいな...氷でなんとか奴の動きを一瞬止める程度しかできねえ。......俺の個性は周りの奴らよりも攻撃に特化していると思っていたが、役に立ててねえ。まだまだ俺も学べていないことが数えきれないほどあるんだな...)

それぞれのことを考えながら2人は化け物に抗う。化け物も少しずつ自分の攻撃が当たりづらくなってきたことの苛立ってきたのか、頬を掻きむしり始めた。

「ギッ!!ギッ!!ギィィィィ!!!」

その瞬間、化け物のスピードが格段に上がり、拳が出久の腹部にめり込んだ。轟が化け物の急な覚醒に動きが一瞬固まってしまった。そこを化け物が蹴りで轟を吹っ飛ばした。

出久「ガハッ...!?オェッ...ゴホッ!ゴホッ!」

轟「ッッ......!!!ガァ...!!こ、いつ...!」

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死神「ふーんっ、それなりに頑張っているけど...もってあと5分ってところかな?」

小さなモニターで詳しい部分は分かりづらいが、出久達が圧倒的に不利であることは明確であるため、E組のメンバーと烏間は汗を流し顔を青くしていた。

千葉「緑谷...轟...!!」

不破「やばいよ...出久と轟の攻撃が効いてない...」

寺坂「てんめぇ!!悪趣味だぞ!!」

死神「なら君ならあれに勝てるのかい?」

寺坂「っ...!」





殺せんせー「ターゲットは私だけのはずだ...!逃げも隠れもしない...これ以上私の生徒に手を出すな...!!!」

顔は下にしているが、色は黒く染まり始めている。その姿を見ても死神は動じずに言葉を続ける。

死神「確実に殺すなら、ターゲットの精神を揺さぶるのも大事なことだよ。諦めるんだね」

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出久「くそっ...!何か打開策でもないか...!?出力を上げることができれば......ここがどこだかわかれば......そうだ...律...ねえ...聞いてる?」

出久はスマホに向けて声をかける。

律『んあ?んだよ、うっせえなあ...電源落とすぞコラァ!!!』

出久「やっぱりまだハッキングされたままなのか...律、お願い。マップを見せて」

律『聞いてんのかぁ!?死神さんに歯向かってじゃねえよ!』

出久「律...君はただのAIなんかじゃない。僕らのクラスメイトで、友達で......そして僕とはコンビなんでしょ。死神なんて僕らの暗殺には必要ないなんてことは分かってるはずだよ」

律『うるせえなぐちぐちと...』





出久「信じてるよ、律」

出久はスマホを胸ポケットに入れて、化け物との戦闘を続ける。化け物は攻撃速度を上げて出久に仕掛ける。

防御しかできなくなった出久はひたすら耐える。轟の氷結でなんとか離れようとしても化け物は追いかけてくる。

轟「こいつ緑谷ばっか狙ってやがる...!俺は眼中にないってわけか...!!」

出久「ぐはっ!?!?」

壁まで吹き飛ばされた出久はそのまま倒れてしまう。

壁にぶつかった衝撃で、スマホや対戦生用ナイフ、銃が落ちてしまった。

出久「っぅ......!っ!!!.........ふふっ...............轟君!氷結でこの場所を凍らせるんだ!!!」

轟「大規模な攻撃をしたらどうなるか...!」

出久「大丈夫!!!注意を逸らすからお願いね!!40%デラウェアスマッシュ!!!」

轟「...わかった!!信じるぞ!!!」

轟は氷結を広がらせて、どんどん部屋を凍漬けにしていく。そして徐々に温度も下がり、この場所のいる全員の動きがぎこちなくなる。

轟「っぅ...!まだか...緑谷...!」

出久「もう、大丈夫...!僕が今から奴をぶっ飛ばすから、そしたら奴に向けて全力で炎を!!」

轟「今の空間でそんなことしたら...!!......いや、やるしかないか...!」

出久は対戦生用ナイフを持って、今出せる殺気を乗せる。そしてOFAを20%に。

ナイフを空中に置くかのように手を離し、化け物の顔の前で猫騙しをした。


「......ギギ...グゲゲゲゲ!!!!」

しかし化け物には全く効いておらず、出久の失敗に醜く笑い始める。


出久「そうだよね...僕が苦しんだり、技を失敗したりすると、いつもお前はそんなふうに笑うよね.........隙だらけで」

「ッッッ!?!?」

出久「わざと失敗し他ことにも気づかないなんて爪が甘いじゃないか!!60%デトロイトスマーーッシュッ!!!!!!」

隙だらけの化け物の腹に鋭い一撃を入れて向こう側の壁に吹き飛ばした。

出久「今だ!!!体育着のフードを被ってなんとか耐えるよ!!!」

轟「ああ!!喰らえ!!!」

轟が放った全力の炎が化け物に当たったと同時に、




大爆発が起きた。



モニターに映った爆発と同時に、殺せんせー達がいる場所でも爆発音、振動が響いてくる。

竹林「あれは体育祭の時の...!!」

村松「おいおい...!大規模攻撃なんてしたら崩れちまうだろ!」

モニターで見える煙が晴れると、半壊した部屋が。そして...


出久「本当にこの体育着便利だね...ダメージが最小限だ...ガントレットも60までいけるのか...」

轟「緑谷、ここを壊しても周りが誰もいない空洞だってよく分かったな...分かったからこそあんなこと言ったんだろ」

出久「...ちょっとね。後で言うよ」


出久と轟がモニターに映り、2人とも特に大きな怪我もないのが分かった。

奥田「よ、よかったぁ...」

矢田「勝った!勝ったよ!!!」

前原「っしゃあ!!」


死神「......まさか逆に5分であっちが負けるなんて...結構頑張るじゃないか」

この結果は意外だったのか、死神は目を細めてそう呟いた。そして烏間はモニターに映る出久達を見て覚悟を決めた。


以前烏間は上司に政府の見解を知りたくある質問をした。

“生徒の命と引き換えなら殺せる、というときはどうするか”

その時上司は、責任逃れをするかのように、現場監督である烏間に任せると答えた。

烏間(だから俺の判断が政府の見解だ)


烏間は裏拳で死神の顔を殴った。いきなりのことだったが死神はニヤリと笑う。

烏間「日本政府の見解を伝える。ここに来た29人の命は地球よりも重い。それでもお前が彼らごと殺すつもりならば、俺が止める」

生徒達「烏間先生!!!」

殺せんせー(かっこいい...!!!)

烏間「言っていくがイリーナ。プロっていうのはそんな気楽なもんじゃないぞ」

イリーナ「...っ」


死神は瞬時に、烏間の強さを把握した。武装もしているため、対処するのに時間がかかると判断した。
そのため標的の暗殺を優先することにして、部屋を出ていった。

烏間(操縦室で水を流す気か!させるか!!)

烏間はそれを追っていく。


一連の流れを見ていたイリーナは、ハッとして首輪の爆弾を自分で外して、笑みを浮かべる。


イリーナ「確かにカラスマはすごいけど、死神はそれ以上にすごいわ。このタコですら簡単に捕らえたしね」
 
カルマ「怖くなったんだろ?プロだプロだ言ってたアンタが、ゆる〜い学校生活で殺し屋の感覚を忘れかけてて、俺らを殺してアピールしたいんだよ。私は冷酷な殺し屋よ〜って」

その言葉にイリーナは顔を怒りで歪ませて、外した首輪爆弾を檻に投げつけた。

イリーナ「私の何が分かるのよ...!考えたことなかったのよ!自分がこんなフツーの世界で過ごせるなんて!!!弟や妹みたいなこと楽しくしたり、普通のありきたりのだけど楽しい恋愛相談聞いて、そして私自身が恋愛で悩んだりするなんて...そんなの違う。私の世界はそんな眩しい世界じゃない」

するとイリーナの耳につけたイヤホンから死神からの指示が来た。

烏間に対して罠を仕掛けたから、それらを解除している間に背後から撃てというものだった。

イリーナ「分かったわ...」

イリーナは黙って部屋から出て行った。
そして生徒達はモニターとの一つに烏間が映っていることに気づいて、全員がモニターを見始めた。

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死神を追いかける烏間。追いかけているとドアを見つけ開けようとするが違和感を感じ動きを止めた。

烏間(トラップか...まあいい。開けるか)

そしてドアを開けた瞬間、周りの壁が吹き飛ぶぐらいの爆発が起きた。

烏間「チッ!思ったより強力だったな」

なんと烏間は無傷で無事だった。何が起こったのか理解できていない生徒達に殺せんせーが答えた。

殺せんせー「烏間先生はトラップの内容ら見抜いてました。だからあえてドアを開け、爆風と同じ速さで後ろ受け身を取ったのです。ドアも縦になり、烏間先生に爆発はほとんど届かなかった」

磯貝・岡島「判断も行動もあの一瞬でできねえよ!?」

更に進むと曲がり角があり、曲がろうとすると弾丸が烏間を襲い、なんとか避けることができた。

そこには10匹ほどのドーベルマンがいた。しかしただのドーベルマンではなく、死神によって銃を撃てるようになっていたのだ。

烏間(くっ...卑怯な......!何が卑怯かって...!?




俺はな......犬が大好きなんだ...!!!)

烏間の誰もが恐怖で固まるような凶悪な笑顔はドーベルマン達を恐怖に陥れ、こちらに歩いてくる烏間に道を開けるかのように全てのドーベルマンが端っこに寄った。

烏間「だから傷つけられない。お前らの主人には悪いが、優しく通らせてもらうぞ」

全員(笑顔一つで抜けおった!?!?)

千葉「いやでも犬の気持ちちょっと分かるわ。笑ってたシーン思い出してみ?半分は人を襲っている時だぜ?」

全員(確かに...!)



木村「勝てないわけだ...全部俺らとは桁が違う」
 
殺せんせー「確かにそうですね。彼らはとても強い。でも君たちはどうするんですか?今この場で彼らや牢屋より強くなるのか、勝てないと言って土俵を降りるか...


弱いなら弱いなりの戦い方があります。いつもやってる暗殺の発想でいけば、大丈夫ですよ」

殺せんせーのこの言葉を聞いて全員が今の状況を打破するために考える。そして三村が、イリーナが投げてきた首輪爆弾と監視カメラを見て気づいた。

三村「見つけたかも、死神に一泡吹かす方法」

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死神を追い続けていると、広い場所に出た。そしてすぐに柱の影に身を隠して拳銃を取り出した。

死神「気配の察知も完璧か...正直みくびってたよ、烏間先生」

烏間「まるでトラップの見本市だった。大したもんだ」

死神「まぁね。人殺しのスキルを身につけると、片っ端から使いたくなるのが殺し屋のサガさ」

そう言い終えると、烏間の方に銃弾が掠った。後ろを振り向くと銃を烏間に向けるイリーナが。烏間はイリーナに向けて銃を構える。

イリーナ「次は当てるわ」

烏間「死ぬぞ、イリーナ」
 
イリーナ「死ぬなんて覚悟の上よ。アンタには理解できないだろけど。でも、死神はわかってくれた。僕とお前は同じだ、ってね」

死神「そうだね、僕の昔話をしてあげたっけ。テロの絶えない貧困なスラムに生まれ...命なんてすぐ消えるあやふやな世界。信頼できるのは金と己のスキル。殺せば人は死ぬということだけ」

そう言いながら死神はスマホを取り出した。

死神「イリーナなら僕の気持ちを分かってくれる。たとえ...」

その瞬間、烏間とイリーナの頭上で爆発が起き、数えきれないほどの瓦礫が降り注いできた。

死神「僕が君を捨て石に使おうとね...」

烏間はなんとか自力で瓦礫をどかして起き上がったが、道が塞がれてしまっていた。

死神「君やタコ単独だったらこのトラップを抜けていただろう。彼女はそんな怪物を惑わすためだけに雇った」

烏間がハッとして振り返ると、瓦礫の下敷きになっているイリーナが...

死神「可愛らしいくらい彼女は迷ってたね。その迷いは伝染する。君も彼女を攻撃してもいいのか?と迷っていた。これで僕の勝ちだ。じゃあね」

死神は操縦室に向かっていった。

烏間がどうにか追いかけようとしていると持っていたトランシーバーから殺せんせーの声が聞こえてきた。

殺せんせー『烏間先生!イリーナ先生!大丈夫ですか!?』

烏間「俺は大丈夫だが、イリーナはがれきの下敷きだ...だが構ってる暇はない。俺は死神を追う」
 
倉橋『ダメ!どうして助けないの烏間先生!!!』
 
烏間「倉橋さん...彼女なりに結果を求めて死神と組んで...その結果だ。責めもしないし、助けもしない。一人前のプロなら自己責任だ」

倉橋『プロとかどーでもいいよ!!!十五の私が言うのもなんだけど!ビッチ先生まだ二十歳なんだよ!?......多分安心できない環境で育ったから、ビッチ先生は大人になる途中で...大人のカケラをいくつか拾い忘れたんだよ...』

烏間「...だが、時間のロスで君たちが死ぬぞ」

磯貝「死神は多分目的を果たせずに戻ってきます。だから烏間先生はそこにいて」

そしてトランシーバーを切って、行動に移る。

今から行うことは、

1.この首輪爆弾は簡易的な作りのために、強引に壊して取っても爆発しないため全員外す。

2.菅谷が全員の体育着に壁と同じ色に染色する。

3.岡島が監視カメラの特性に気づいたため、見づらい場所で全員壁に向かって立つ。横並びで全員は立てないので、3段の肩車で並んで壁に擬態する。

4.殺せんせーは全裸になって、生徒達の足元らへんで壁と同じ色に擬態すること。

殺せんせー「先生恥ずかしいですねぇ...」

中村「文句言わない!さあやるよ!」


『いえ!みなさんもう大丈夫ですよ!私が戻りました!』


その声と同時に、檻が上に上がって開いていく。そしてその声はスマホから聞こえてきていた。

原「り、律!!!?元に戻ったんだね!」

律『はい!申し訳ございませんみなさん。ご迷惑をおかけしました...』

片岡「律が開けてくれたんだね、ありがとう」

律『本当はもっと早く開けたかったのですが、死神がみなさんから離れるのを待っていました。脱出ルートをまとめました。出久さん達も同じように出口に向かっています!』

殺せんせー「律さん、緑谷君の最後の行動にはあなたの助けがあったんですよね?」

律『はい、出久さんにここのマップを渡して、壊しても問題ない場所をお伝えしました』

殺せんせー「ありがとうございます律さん、それにしても死神のハッキングをこんな早く対処するとは!」


律『それは出久さんのおかげです...出久さんははっきりと私をコンビだと言ってくれました。私をあんなに信じてくれている出久さんのためになんとかしたいという考えが、ハッキングされていた私の中で芽生えたんです...また私成長できたんでしょうか。

なんとかしたいという“考え”ではなく、

なんとかしたいという“気持ち”かもしれませんね』

殺せんせー「ええ、そうですよ。あなたは確実に成長しています」

律『ありがとうございます!それでは私は出久さんの方に戻ります!コンビですので!コンビなら一緒にいないといけませんから!!』

そう言って律は画面から消えた。

矢田「...すっごくコンビってことを強調してたよね...」

速水「...出久から言われたって...ずるい...」

モヤっとする出久ガール達にそれ以外のメンバーはなんとも言えない顔になっていた。

カルマ「もう十分感情豊かだよね律」

渚「た、確かに...」

-----

一方出久達は、先ほどの爆発でできた穴から部屋を脱出して出口に向かっていた。

轟「なるほどな。さっきすぐに律が助けてくれたことを俺に言わなかったのは、監視カメラで律の存在をバラさないためか」

出久「うん。死神のハッキングを解除できた律を警戒するだろうし」

律『ただいま戻りました!檻を開けてみなさんも出口に向かい始めました!』

出久「ありがとう律。それで死神は?」

律『はい、現在は操縦室です。それで今烏間先生達ですが...』

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イリーナ(冷たい血の海が私の日常...裏切られて死ぬのが丁度いい。終われてよかった...陽の当たる世界で...温もりを思い出してしまう前に...)

イリーナがそう思い意識を手放そうとすると、自身に乗っていた瓦礫が動き始めた。

烏間が瓦礫をどかしていた。

烏間「さっさと出て来い、重いもんは背負ってやる」

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一方操縦室では...

死神(どういうことだ...水を流す前に標的の様子を確認しようとしたら...何故全員いない!?何故檻が開いている!!!いや、まて2、3人首輪の爆弾で殺して、アナウンスで脅せば...)

そう考え、スマホで首輪の爆弾を起動させると、誰もいない檻の中で爆発が起きた。

死神(爆弾を外して檻の中に捨てていったのか!?なんて手際だ!標的も人質もいない檻に水を流しても意味がない!烏間のところに戻...ん?なんだスマホが...!?)

死神は持っていたスマホの画面がブレ始め、遂に操作が不可能になった。そして...


律『もうあなたは何もハッキング、起動させることはできませんよ』


死神「なっ!?!?何故だ!?僕のハッキングは完璧だったはず!お前のスペックは理解しているのに!」

律『私のスペック...限界ですか...私のコンビの言動から学んだことから、“限界とは超えるもの”であると認識しています。ですので私のスペックがあなたのスペックを超えたということですよ。残念でしたね、もうあなたに勝ち目はありません』

そう言って律は死神のスマホから消えた。そしてスマホは完全に使えなくなっていた。

死神「予備のスマホ...!っっ!!これも使えない...!!くそっ!!」

死神は標的と人質がいなくなったのであれば、振り出しに戻せばいいと考えていたが、律の行動で振り出しにすら戻れなくなったと分かった。

自分のスマホをハッキングできるのであれば、水を流させないようにしているはずだからだ。

死神「機械風情が...!!烏間と生きているかは知らないがイリーナを人質にして、振り出しに戻す!!!

僕は死神だ!!

死神になれたんだ...!!」

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轟「なあ...あの化け物はどうなったと思う...」

出久「多分生きている...律、化け物の居場所は見つかった?」

律『いえまだです。多分カメラの映らない場所に......』

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出久達は元いた部屋から離れた穴の下......

改造された聴覚で忘れもしない、忘れられるはずもない声が耳に入ってきた。

「ギ...ギギ......ガ...ア゛...ズマ゛......!!」

身体中が焼かれたとしても、体の内部を破壊できる勢いのある拳を喰らったとしても、一度思い出した憎しみは消えることはない。

ただただ憎しみを原動力にして、ボロボロの体を動かし、哀れな化け物は動き始める。


「ア...アアアアアアア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!!!!!!!!









ガア゛ズマァア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!!!!!」


 
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