暗殺教室 in Hero
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緑谷出久の暗殺教室19 夏の時間
夏休みに入っても、出久は特訓を休まずしていた。夏休みでも欠かさず、暗殺が成功した未来でヒーローになるためにOFAを使って訓練を続けていた。
今は家の近くの海辺のゴミを片付けていた。
AM「大分成長したね...さて、確かこの沖縄リゾートの場所で暗殺をするんだよね?」
出久「はい」
AM「まあそこは君らE組を信じよう...それでここのホテルだが...少し裏社会の者が牛耳ってて金持ちのご子息などがドラッグやタバコを使っている噂があるんだ」
出久「えっ!?」
AM「政府などにもパイプがあるらしくて...どうにかするにも難しく、子供の場合は親の甘やかしが影響だろうね…そこには近づかないと思うが、気をつけるんだ。最近では個性を利用してその場所に来た子供を拉致している輩が入り込んでいるという噂も聞く...」
出久(なんか島が楽しみじゃなくなってきた...)
AM「そして...成長した君に伝えたいことがある...OFAについてだ」
AMは周りに人1人いないことを確認して、トゥルーフォームであるが、力強い目で出久を見た。
AM「OFAはね、渡したいと思う相手にしか渡せない代物なんだ...これを伝えたのはこれから怪我をするかも知れないからね...まあ無理矢理渡すことは可能だけど」
出久「はい...」
AM「それでOFAは、元々は一つの個性から生まれたものなんだ...その個性の名はAll for one...。他者から個性を奪い、己が物とし、他者へ個性を渡せる個性...
これは頂上黎明期...個性の発動により人間という規格が崩れ去った...それだけで法は意味を失った...
そんな混沌の時代をまとめたあげた男がいた。彼は個性を奪い、そして瞬く間に悪の支配者として日本に君臨した...!
彼の名はAFO...!
個性を与えることで、他者を信頼、あるいは屈服させていったんだ...」
出久は顔が強張った...そんな恐ろしい存在がいるとは思わなかったからだ。
AM「与えられた人の中にはね、その負荷に耐えられずに人形のようにされた人もいるらしい......しかもそれをあえて利用して得体の知れない物に変えている可能性があるという...
一方与えられたことにより個性が変異し、混ざり合うというケースがあるらしい。
彼には正義の心を持つ無個性の弟がいた。そんな弟に彼は、
“力をストックする”個性を無理矢理与えた。
しかし、無個性と思われていた彼には一応は宿っていた...!!
“個性を与えるだけ”という意味のない個性を...!
出久「っ!?!?まさか...!!」
AM「力をストックする個性と、与える個性が混ざり合った!これが
One for Allのオリジンさ...!」
出久「......し、しかしどうしてその大昔の悪人の話を...?」
AM「...彼は成長を止める個性を奪ったらしいんだ...敗北した弟は後世に託すことにした。
そして私の代でついに奴を倒した!!
しかし奴は生き残り...!
......OFAはAFOを打ち倒すためのものなんだ...!
だから君はいつか巨悪と戦うかも知れない...!」
出久「...頑張ります...!今年を乗り越えて必ず...!あなたのようなヒーローになって!...そのAFOに打ち勝って見せます...!」
出久の覚悟にオールマイトは複雑な感情を抱いた...
AM(すまない少年...君に大きなものばかりを背負わせて...それに...私は最後まで君のことを見られないかもしれない...)
その後も出久は個性の訓練、暗殺の訓練を汗水流して特訓した...
AM(あの子ができないことがあったら、私が力を貸さなくてはな...!)
別の日...毎日特訓というわけにもいかないので、今日は渚、杉野、前原、そして出久の4人で旧校舎の裏山に虫取りに来ていた。
虫取りをすることになったのは杉野は都会育ちでこういうのに憧れていたのと、前原は金を稼いでちゃんねーとどうたらこうたらしたいという下衆な理由だった。
オオクワガタを取ろうと躍起になっているとそこに声をかけたものが。
倉橋「だめだめ。オオクワはもう古いよ〜」
前原「倉橋!」
倉橋「おは〜。皆もお小遣い稼ぎ来たんだね〜」
杉野「倉橋、オオクワガタが古いってどういうことだ?」
倉橋「んっとね〜」
そう言って倉橋は木から降りる。そして何気なく出久の隣に近づいた。
倉橋「私達が生まれた頃は凄い値段だったらしいけどね。今は人工繁殖法が確立されちゃって、大量に出回り過ぎて値崩れしたんだってさ」
前原「ま、まさかのクワ大暴落か...1クワガタ=1ちゃんねーぐらいの相場だと思ってたのに...!?」
倉橋「ないない。今はちゃんねーの方が高いと思うよ〜」
出久「詳しいんだね倉橋さん」
倉橋「生き物はみんな好きだよ〜。せっかくだしみんなで捕まえよ〜!多人数で数そろえるのが確実だよ〜!しゅっぱーつ!」
出久「おー...って!?なんで腕を掴んだまま!?」
倉橋は先日自分が仕掛けた罠の場所に向かい始めた。出久の腕を掴んだまま...
杉野「なあ倉橋って...やっぱり...」
渚「あー...鷹岡先生の時からだね...」
前原「あん時か...怪我した緑谷を手助けしている時の神崎と倉橋、怖かったな...」
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倉橋が仕掛けたトラップを見ると、何匹か昆虫が付いていた。その中にはカブトムシもいる。
倉橋「お手製のトラップだよ〜。昨日の夜につけといたんだ。あと20ヶ所ぐらい仕掛けたから、上手くすれば1人1000円位稼げるよ〜」
杉野「おお!バイトとしちゃまずまずか!」
倉橋(探してたアレが来てるといいな〜)
出久「凄いね倉橋さん、こういうのは知らなかったよ」
倉橋「えへへ〜、どんどん頼ってもいいんだよ〜?」
倉橋は先ほどよりも出久に密着した。出久は顔を赤くして口をぱくぱくさせた。
前原(そういえば倉橋と矢田って、ビッチ先生に弟子入りしてたな...どうりであんなふうにできるわけだ...)
すると、木の上から声が聞こえてきた。
岡島「フッ。効率の悪いトラップだ。それでもお前らE組か…!!」
杉野「岡島!」
出久(......岡島君エロ本読んでる...ダメじゃない...?)
岡島「せこせこ千円稼いでる場合かよ。俺のトラップで狙うのは…当然百億円だ!」
渚「百億ってまさか!?」
岡島について行き、こっそり草陰から見てみると...
殺せんせー「...にゅやぁ...♡」
大量のエロ本の上でエロ本を読んでいて、カブトムシのコスプレをしているにやけ顔の殺せんせーがいた...
出久(うわぁ...)
流石の出久もこの光景には引いた。
杉野「あれで擬態しているつもりかよ...嘆かわしい...」
岡島「かかってるかかってる。俺の仕掛けたエロ本トラップに!」
出久(うわぁ...)
渚(緑谷君の顔が...)
倉橋(過剰な下ネタとかは苦手なんだね〜純粋なんだ、やっぱ)
岡島「どの山にも存在するんだ。エロ本廃棄スポットがな。そこで夢を拾った子供が大人になって本を買える齢になり...今度はそこに夢を置いていく...!!終わらない夢を見る場所なんだ...!!!
丁度いい。手伝えよ!俺たちのエロの力で覚めない夢を見せてやろうぜ!」
パーティが致命的にゲスくなった瞬間である。
岡島「随分研究したんだぜ?あいつの好みを。俺だって買えないから拾い集めてな」
渚「巨乳なら何でもいいんじゃ...?」
岡島「現実ではそうだけどな。エロ本は夢だ。人は誰しもそこに自分の理想を求める。写真も、漫画も、僅かな差で反応が全然違うんだ」
そう言って岡島はスマホを見せてきた。1ヶ月間のエロ本の反応を細かく写真で撮っていたのだった...
渚「…えぇ...1ヶ月間本を入れ替えてつぶさに反応を観察してたんだ...」
杉野「渚も引いてんじゃん...ていうか大の大人が1ヶ月連続で拾い読むなよ…」
出久「...嘆かわしい」
出久以外(み、緑谷(君)が言うと威力あるな...)
岡島「お前のトラップと同じだよ倉橋。獲物が長時間夢中になるよう研究するだろ?」
倉橋「う…うん」
出久「一緒にしちゃダメだと思うけど...!?」
岡島「俺はエロいさ。蔑む奴はそれでも結構。だがな、誰よりエロい俺だから知っている。
”エロは、世界を救える“って」
岡島以外(なんかかっこいい!?)
岡島「殺るぜ。エロ本の下に対先生弾を繋ぎ合わせたネットを仕込んだ。熱中してる今なら必ずかかる...!誰かこのロープを切って発動させろ!俺が飛び出してトドメを刺す!」
どんなものでも研ぎ澄ませば刃になる。岡島のエロの刃が、殺せんせーを...?
すると、突然殺せんせーの目がみょーんと伸びた。
岡島「デ、データに無いぞ!?あの顔はどんなエロを見た時だ!?」
出久「いや...あれは何かを見ている...?」
殺せんせー「ヌルフフフ。見つけましたよ」
殺せんせーは触手を伸ばして、少し遠くの木から何かを取った。
殺せんせー「ミヤマクワガタ...しかもこの目の色!」
殺せんせーの言葉を聞いた瞬間、倉橋が殺せんせーの元へ飛び出した。男どもは意味がわからず固まる。
倉橋「白なの!?殺せんせー!!」
殺せんせー「おや倉橋さんビンゴですよ」
倉橋「すごーい!探してたやつだ!」
殺せんせー「ええ!この山にもいたんですねぇ」
岡島「あぁ......あとちょっとだったのに...!」
前原「なんで喜んでんのかさっぱりだが…巨大カブトと女子中学生がエロ本の上で飛び跳ねてんのは...」
出久「...帰ろうかな...」
殺せんせー「えっ!?あっ...!!超恥ずかしい.....
」
男子の存在がバレたため、殺せんせーの前に出てきた。殺せんせーは反省するかのように口を開いた。
殺せんせー「面目ない...教育者としてあるまじき姿を...本の下に罠があるのは知ってましたが、どんどん先生好みになる本の誘惑に耐えきれず...!」
岡島「すんなりバレてた!?」
杉野「なぁ倉橋、ミヤマクワガタだろ?ゲームとかじゃオオクワガタより全然安いんじゃ?」
倉橋「最近はミヤマの方が高い時が多いんだよ。まだ繁殖が難しいから...この子サイズ大きいから、2万円はいくかもね〜」
杉野「2万!?」
殺せんせー「おまけによーく目を見て下さい。本来黒いはずの目が白いでしょう」
出久「...アルビノ?」
殺せんせー「その通り。ホワイトアイと呼ばれ、天然ミヤマのホワイトアイはとんでもなく希少です。学術的な価値すらある。売れば恐らく数十万は下らない...」
岡島・前原・杉野「すう!?」
倉橋「ゲスな皆〜。これ欲しい人手ー上ーげて♪」
岡島・前原・杉野「欲しい!!!」
倉橋「どうしよっかな〜」
倉橋はミヤマを持って、逃げ出し、ゲスな三人が追いかけ始めた。
殺せんせー「ちょっと!?それせんせーが見つけたんですよ!?」
出久「...渚君は行かないの?」
渚「...僕はその...あんな風なテンションは...少し...緑谷君こそ」
出久「僕はなんか疲れたよ...エロ、エロって...」
渚「あ、あはは...」
こんな感じで、夏休みは進んでいく...
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