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暗殺教室 in Hero

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緑谷出久の暗殺教室16 期末の時間

イトナの事件から数日...遂に期末試験が近づいてきていた。

殺せんせー「ヌルフフフフ、皆さん一学期の間に基礎がガッチリ出来てきました。この分なら期末の成績はジャンプアップが期待できます」
 
例の如く高速強化テスト勉強として殺せんせーが分身しながら勉強を教えてくれている。

そして今回は教室ではなく環境を変えて外での勉強中。
 
渚「殺せんせー、また今回も全員五十位以内を目標にするの?」
 
殺せんせー「いいえ、先生あの時は総合点ばかり気にしていました。生徒それぞれに合うような目標を立てるべきです。

そこで今回はこの暗殺教室にピッタリの目標を設定しました!!」

そこの言葉に一同は手を止めて殺せんせーを見た。

殺せんせー「前にシロさんが言った通り先生は触手を失うと動きが落ちます」
 
先生は説明しながら自分で自分の触手を一本銃で撃ち抜いた
 
殺せんせー「一、二本減っても影響は出ます。御覧なさい。分身の質を維持できず子供の分身が混ざってしまった」
 
渚「分身ってそういう減り方するもの?」
 
殺せんせー「さらに一本減らすと」
 
と今度は足の触手を一本撃ち抜いた
 
殺せんせー「子供の分身が更に増え、親分身が家計のやりくりに苦しんでいます」
 
出久「おっふ...なんか切ない話に...」
 
殺せんせー「更に一本。今度は父親分身が蒸発し、母親分身は女手一つで子供達を養わなければいけません」
 
出久・渚「重い!!」
 
殺せんせー「調べましたが、触手一本喪失につき先生が失う運動能力は約10%!そこで問題です。今回は総合点の他にも教科ごとに1位を取った者には触手を一本破壊する権利をあげましょう!

これが暗殺教室の期末テストです。賞金に近づけるかどうかは皆さん次第の成績なのです」

殺せんせーは本当に殺る気にさせるがうまいと感じた...

出久「殺せんせー、もし一位が2人だったり、その一位が他のクラスの人とだったら?」

殺せんせー「それでも一位を取ったことに変わりはないので、触手の破壊権利はもらえますよ」

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奥田「理科だけなら大の得意ですからなんとかなりそうです!」

出久「僕も全力で取りに行くぞ...!」

杉野の携帯に進藤から電話が来たので出てみたると...

進藤『球技大会では世話になったな。高校で借りを返すとお前に言ったが、俺と違ってお前はまともに進学出来るのか心配になってな』
 
杉野「はは……相変わらずの上から目線で…」
 
進藤『というのもな。少なくともE組脱出は不可能になりつつあるぞ...今会議室に...A組が集まってる。自主勉強会を開いているんだそうだ。音頭を取るメンバーは、“五英傑”と言われるウチが誇る天才達だ』

出久「五英傑......あっ...聞いたことある...」

進藤『中間テスト総合3位!!他を圧倒するマスコミ志望の社会知識!放送部部長!荒木鉄平!!
 
中間テスト総合4位!!人文系コンクールを総ナメにした鋭利な詩人!生徒会書記!榊原蓮!!
 
中間テスト総合6位!!緑谷と赤羽への雪辱に燃える暗記の鬼!生物部部長!小山夏彦!!
 
中間テスト総合7位!!性格はともかく、語学力は本物だ!生徒会議長!瀬尾智也!!』

杉野「...そのナレーションお前がやってるの?」

進藤「あっ、うん、やってみたかったんだこういうの...」

プロレスのナレーションみたいに紹介する進藤に聞いていたE組は苦笑いを浮かべた。

進藤『そして中間テスト1位、全国模試1位...俺たちの学年で生徒の頂点に君臨するのが...支配者の遺伝子、

生徒会長、浅野学秀!

あの理事長のひとり息子だ...

人望は厚く、成績はトップ。プライド高いA組の猛者を纏めあげるカリスマ性。彼自身の指導力に加えて、他の4人。全教科パーフェクトな浅野と、各教科のスペシャリスト達。5人合わせて『五英傑』。奴らはお前らE組を本校舎に復帰させないつもりだ』
 
杉野「...ありがとな進藤。でも大丈夫だ。今の俺らはE組を出ることが目標じゃないんだ。けど、目標のためにはA組に負けないくらいの点数を取らなきゃなんない。見ててくれ」
 
進藤『ふっ、勝手にしろ。E組の頑張りなんて知ったことか』

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放課後

磯貝「渚、茅野、緑谷、放課後空いてるなら本校舎の図書室で勉強しないか?」

その誘いに乗ることにして、出久、渚、茅野、磯貝、中村、奥田、神崎の7人で行くことになった。



本校舎の理事長室では、

学秀「理事長、あなたの意向通り、A組成績の底上げに着手しました。これで満足ですか?」
 
學峯「浅野君、必要なのは結果だよ。実際にトップを独占しなくちゃ、良い報告とは言えないな」

学秀は理事長室にあったサッカーボールでリフティングを始めた。

學峯「ふむ、そうだな...A組全員がトップ50に入り、5教科全てをA組が1位を独占するのが合格ラインだ」
 
学秀「分かりました。ではこうしましょう、理事長。僕の力でその条件をクリアしてみせます。そしたら生徒ではなく、息子としてひとつおねだりをしたいのですが」

學峯「まさか父親に甘えたいのかい?」


学秀「いいえ、僕はただ知りたいだけです。



E組のことで何か隠していませんか?」

その質問を聞いた途端にボールを勢いよく學峯の顔面に向けて蹴った。學峯は無表情で片手で受け止めた。

學峯「知ってどうする?それをネタにして私を支配するつもりかい?」

学秀「当然でしょう。全て支配しろと教えたのはあなたですよ?」

學峯「さすがは最も長く教えてきた生徒だよ」

学秀「首輪を付けて飼ってあげますよ、一生ね」

學峯「奇遇だね、君を社畜として買い殺そうと思っていたところだよ」

このようなやり取りでも2人にとっては当たり前であるため、歪んだ空気が漂っていた...

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E組の方に戻り、周りの目線を無視して勉強をしている。出久は今トイレで席を立っている。

荒木「おや?E組の皆さんじゃないか!勿体ない...君達にこの図書室は豚に真珠じゃないのかな?」

中村(でた...五英傑のうちの4人じゃん...)

瀬尾「どけよザコ共。そこ俺らの席だからとっとと帰れ!」
 
茅野「さ、参考書読んでんだから邪魔しないでよ!」

すると茅野の持っていた参考書が落ちて、中からプリンの本が...

渚「か、茅野...」

磯貝「ここは俺達がちゃんと予約取った席だぞ」
 
中村「そーそ〜、クーラーの中で勉強するなんてチョー天国〜」

小山「本当に記憶力が無いなぁ。この学校じゃE組はA組に逆らえないんだぞ?」
 
奥田「さ、逆らえます!」
 
小山「何...?」
 
奥田「私たち、期末テストで全教科で1位取るの狙ってるんですから!大きい顔なんてさせませんから!」
 
小山「…フン!口答えするな!生意気な女だ。オマケにメガネのせいでイモ臭い!なぁ荒木。ギシシシ」

荒木「お、おう...」

自分達もメガネをかけているため、強く言い返せずに軽い返事しかできない荒木だった...

榊原「腐すばかりでは見逃すよ。ご覧...どんな掃き溜めにも鶴がいる」

榊原が神崎の髪を触り始めた。普通の女子なら喜ぶが...
 
神崎「...」
 
榊原「勿体ない...学力があれば僕に釣り合う容姿なのに。せめてウチに奉公に来ない?」

渚・茅野(神崎さん男運なさすぎ...というか顔が全力で拒否してる...)

その嫌がっている表情は他の3人にも分かっているためなんともいえない顔になった。

神崎「...やめてください」

榊原「へぇ、僕の誘いにはっきり断るなんて珍しいね」

そんな中出久がトイレから戻ってきた。

出久「...どうしたのこれ」

荒木「っ!!緑谷ぁ...!」

瀬尾「ちっ、随分E組らしくなったもんだなぁ」

出久「...何が言いたいの?...ねえ、神崎さん嫌がっている感じだけど...?」

榊原「随分偉そうになったものだね」

出久「本当のことを言っただけだよ...顔が嫌がってるし...」

出久は榊原の腕を掴んで、神崎から離した。

出久「大丈夫?」

神崎「うん...ありがとう緑谷君...///」

さっきと打って変わり、花が咲いたような笑顔を見せた神崎に、榊原は顔を顰めた。



小山「いや待てよ...神崎有希子、中間テスト国語23位。中村莉桜、英語11位。磯貝悠馬、社会14位。奥田愛美、理科17位。なるほど。一概に学力なしとは言えないな。一教科だけなら......それで厄介なのが緑谷か...」


中村「あーそっか〜緑谷って前回総合2位だったもんね〜あんた達全員負けたんだ」

荒木「ちっ...!...こういうのはどうだろう。俺らA組と君らE組...5教科でより多く学年トップを取ったクラスが負けたクラスにどんな事でも命令出来るってのは?」

これでA組の実力を見せてやろうというように提案してきた。
 
瀬尾「ん?臆したか?まあ結局できない奴らの集団だもんな!結局口だけか。なんならこっちは...”命“賭けてもいいんだぜ?」
 
その言葉を聞き、出久と神崎は榊原の、渚は瀬尾の、磯貝は荒木の、中村は小山の首元に、シャーペンや指等を当てる。

渚「命は簡単にかけないほうがいいよ」

出久「できない集団って言ったのは訂正してもらいたいね」

瀬尾「じ、上等だよ!」
 
荒木「死ぬよりキツい命令出してやるからな!」
 
榊原「逃げるんじゃないぞ!それと緑谷!」

出久「はい?」

榊原「ふざけるなよ!僕の方が勝っているからな!」


神崎「それはないです...」

榊原「」

渚・茅野(神崎さん!?!?)

出久「.........?」

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A組ではこの勝負を学秀に伝えて、勝ったらひとつ命令を聞くというもの。A組からの条件は、E組がA組のために奉仕する約50項目書いている書類に判を押すという鬼畜な内容だった...

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E組の教室では

殺せんせー「こら!カルマ君!真面目に勉強やりなさい!君なら充分総合トップがねらえるでしょう!」
 
カルマ「言われなくてもちゃんと取れるよ...あんたの教え方が良いせいでね。けどさぁ殺せんせー、あんた最近トップ、トップって言ってばっかり...普通の先生みたいに安っぽくてつまらないね」
 
殺せんせー「...」
 
カルマ「それよりどーすんの?そのA組が出した条件って、裏で企んでる気がするけど?」
 
岡島「心配ねーよカルマ。このE組がこれ以上失うモンなんてねーよ」
 
倉橋「勝ったら何でも1つかぁ~。学食の使用権とか欲しいな~」
 
殺せんせー「それについては先生に考えがあります。さっきこの学校のパンフを見てましたが、“これ”をよこせと命令するのはどうでしょう?」
 
殺せんせーが指さした、学校案内の内容...それは成績優秀者のみが行けるものであった。
 
殺せんせー「君たちは一度どん底を経験しました。だからこそ次は、バチバチのトップ争いも経験して欲しいのです。暗殺者なら、狙ってトップをとるのです!!」

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その後も勉強会が続き

殺せんせー「はい緑谷君、ここは分かりましたね。では次です!」

出久「はい!」

杉野「やべえな緑谷、どんどん進めてるよ」

矢田「後で緑谷君に聞こうかな〜」

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岡野「緑谷...その、ここ分からないんだけど...」

出久「えっと...ここはこの数式をこう変えて...」

不破「次私助けて〜」

殺せんせー「では不破さん、私が!」

不破「...緑谷君に聞いて分からなかったらでいいでーす」

殺せんせー「にゅゃ!?(わざわざ緑谷君に聞くとは...まさか...まさかですかぁ!?)」

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寺坂「なあ、緑谷。あのタコに一泡吹かせる作戦あんだけどよ、お前も乗れよ」

出久「えっ、いいけど...どんな作戦?」

狭間「これで賞金取りにいくの」

出久「......あー!なるほど...先生が決めたことにはあってるね...」

村松「俺らでこれは進めて、絞り込んだところを教えるからメインの方で落とすなよ」

吉田「落としたら意味がねえからな」

出久「が、頑張る!」

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放課後

殺せんせー「なるほど、緑谷君は前回唯一100点を取れなかった理科を強くしたいのと、奥田さんも理科を完璧にしたくて補講を」

奥田「はい、最初は家に帰ってすぐに復習しようとしたんですけど、緑谷君が残ってたので理由を聞いたら補講を受けるって聞いて、誘ってもらったんです」

出久「お願いします殺せんせー!それに複数人で1位取った方がいいでしょう?」

殺せんせー「いい心掛けですねぇ〜カルマ君もこのぐらいやる気を出してくれれば...」

出久「奥田さん!頑張ろうね!」

奥田「はい!」

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他の日の放課後

出久「これで正解がこれになるんだ」

速水「理解できた。緑谷...そういえば最近倉橋とも仲良くなったね...」

出久「そう...だね。なぜか分からないけど前より話せるようになったね」

速水「...」

出久「速水さん?」

速水「明日もワンツーマンで教えて...」

出久「う、うん...?」


そして期末試験当日...!

 
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