暗殺教室 in Hero
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緑谷出久の暗殺教室13 才能の時間
球技大会が終わり、E組は暗殺の訓練に勤しんでいた。烏間は生徒達の成長を実感していた。
烏間(磯貝悠馬に前原陽斗...運動神経が良く2人がかりなら俺にナイフを当てられるケースが増えてきた。
赤羽業...一見のらりくらりしているがその目には強い悪戯心が宿っている。
女子は体操部出身で意表を突いた動きができる岡野ひなたと、男子並のリーチと運動量を持つ片岡メグ...)
出久「ふっ!!はっ!!そこっ!!」
烏間「!!(そして個性を唯一持っている緑谷出久...個性を使わない場合でも、ナイフ捌きが格段に成長している。個性の方も進化しているようで、一人でナイフを掠らせるぐらい強くなった。
この他に特に目立った生徒はいないものの全体的に見れば能力は格段に...)」
次の瞬間、自身を仕留めようとしている殺気を感じた烏間は背後にいた生徒を強めに投げ飛ばした。
それは潮田渚だった。
烏間「っ!すまない、強く防ぎすぎた...」
渚「い、いえ...」
烏間(今のは...)
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チャイムが鳴り、今日の訓練は終了。倉橋が烏間に近づいて行った。
倉橋「せんせー!放課後皆でお茶してこーよ!!」
烏間「...ああ。誘いは嬉しいがまだ仕事が残っていてな」
三村「私生活でもスキがねーな」
岡野「っていうより、私達との間に壁っていうか一定の距離を保ってるような」
倉橋「私達の事大切にしてくれるけど......でもそれってただ、任務だからなのかな...」
「よう!烏間!」
烏間にたくさんの荷物を持っている小太りの長身の男が声をかけた。
烏間「...!鷹岡...!?」
出久「...あの人は...?烏間先生の知り合いらしいけど...」
鷹岡と呼ばれた人物は校庭に降りてきた。
鷹岡「今日から烏間を補佐してここで働くことになった、鷹岡明だ!よろしくなE組の皆!」
鷹岡は烏間と同じ防衛省特務部の人物だった。鷹岡は持っていた紙袋などを置いて、開くと高級スイーツの山だった。
これは生徒達へのプレゼントらしい。
磯貝「い、いいんですか、こんな高いの!?」
鷹岡「おう!食え食え!俺の財布を食うつもりで遠慮なくな!!」
矢田「でもよくこんな甘い物ブランド知ってますね」
鷹岡「ま、ぶっちゃけラブなんだ。砂糖がよ♡」
鷹岡は○コちゃんみたいな顔をした。
鷹岡の隣を見るといつのまにか殺せんせーがよだれを垂らして食べたそうにしていた。
鷹岡「お〜殺せんせーも食え食え!!まぁ、いずれ殺すけどな。はっはっは。まあ俺は国の要請で烏丸の補佐をする事になったんだよ」
木村「同僚なのに烏間先生と随分と違うすね」
原「なんか近所の父ちゃんみたい」
鷹岡「良いじゃねーか父ちゃんで。同じ教室にいるからには俺達、家族みたいなもんだろ?」
鷹岡はほんの数分で生徒達との距離が近くなっていた。しかし...
出久(なんか小学校の時にいた表面上だけ仲良くする先生に似ているような...いや、防衛省の人に失礼だよな...)
渚「緑谷君?」
出久「えっ?あっ、なんでもないよ」
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そして次の日。体育の教官は鷹岡となり、烏間は職員室で鷹岡のデータを見ていた。
鷹岡「今日から新しい体育を始めよう!ちょっと厳しくなるが、終わったらまたウマいモン食わしてやるからな!」
原「そんなこと言って、自分が食べたいだけじゃないの?」
鷹岡「まーな。おかげでこの横腹だ」
鷹岡のノリでくすくすと笑う生徒達。そして鷹岡はこれからの時間割を生徒達に渡し始めた。
それと同時に烏間はある写真を見つけていた。訓練兵と鷹岡が仲良くしている写真...ではなくその訓練兵の背中を傷つけて笑っている鷹岡の写真を
烏間「っ!!不味い...!!」
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回された時間割を見て皆驚愕した。
「なっ、なんだよこれ⁉︎」
「10時間目、夜9時まで…訓練?」
中学生...まして大人でもやらないような内容に一同は混乱する。
鷹岡「このぐらいは当然さ、理事長にも話して承認してもらった。“地球の危機ならしょうがない”って言ってたぜ」
前原「無理だぜこんなの!勉強の時間これだけじゃ成績落ちるよ!理事長も分かってて承諾してんだ!!」
すると鷹岡が前原の髪を掴んで引き寄せた後、腹に膝蹴りを食らわせたのだ。
強く入ったのか、前原は腹を押さえて倒れてしまった。
鷹岡「“できない”じゃない。“やる”んだよ。言ったろ?俺達は家族で、俺は父親だ。世の中に、父親の命令を聞かない家族がどこにいるぅ?」
狂気に満ちた眼で生徒達を見る。顔は変わらず笑っているため不気味さが増す.
鷹岡「さぁまずはスクワット100かける3セットだ!抜けたい奴は抜けても良いぞその時は俺の権限で新しい生徒を補充する。けどな、俺はそういう事したくないんだ。お前等は大事な家族なんだから父親として1人でもかけて欲しくない!」
そう言って三村と神崎の肩を掴んだ。そして神崎の方を向いて、
鷹岡「お前も父ちゃんに着いてきてくれるよな?」
そう言われた神崎は身体を震わせながら立ち上がった。そして顔を青くしながらも笑顔で、
神崎「私は...いやです...烏間先生の授業を希望します...!」
次の瞬間、女子にも関わらず容赦のない平手打ちで神崎は吹っ飛んでしまった。
杉野「神崎さん!!」
杉野と渚はすぐに神崎さんの場所に向かった。
鷹岡「お前らまだわかってないのか?はい、以外はないんだよ。文句があるなら拳と拳で語り合おうかぁ?そっちの方が父ちゃん得意だぞ〜?」
腕を回して笑みを浮かべる鷹岡。目線は神崎に駆け寄った杉野と渚に向けられていたが、すぐに横を向いた。
鷹岡「おっ、お前は父ちゃんとやりたいのか?随分父親に対して失礼な顔だなぁ?」
目線の先には、血管が浮き出ていて、個性を発動させて憤怒の顔で鷹岡を見る出久だった...
出久「前原君と神崎さんに謝れよ...!」
鷹岡「これは教育だ。父ちゃん逆らった...な?」
出久「っっっ!!!!」
出久はすぐにでも飛びかかろうとしている。
烏間「止めるんだ鷹岡!!!!!」
鷹岡「ちっ」
烏間「首筋に痛みとかないか?前原君は?」
神崎「大丈夫です...」
前原「へーきっす...」
鷹岡「ちゃんと手加減はしてるって。俺の家族だからな?」
殺せんせー「いいえ。あなたの"家族"ではありません。私の"生徒"だ...!!私がいない間に、何をしている...!!」
鷹岡の後ろには顔を真っ赤に染めて、キレている殺せんせーがいた。
鷹岡「文句あるのかモンスター?体育は教科担任の俺に一任されているはずだ。今の罰も教育の範囲内さ。おまえみたいな超生物を短期間で殺すようにするんだ、厳しくなるのは当然だろ?まさか教育論が違うだけで俺に攻撃する気かぁ?」
その言葉をブチギレながら聞く殺せんせー...鷹岡の言っていることも理解できる部分があるため、殺せんせーと烏間は手が出せない。
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生徒達がスクワットで苦しんでいるのを見ているしかない教師陣...
殺せんせー「このままでは生徒達が潰れてしまう。彼には彼なりの教育論がある...だから烏間先生、同じ体育教師として彼を否定してほしいのです」
烏間(否定...)
その時鷹岡の中では烏間から立場を奪って上に立ったと感じて優越感を感じていた...
倉橋「烏間先生...」
倉橋が弱音を吐いて烏間の名前を呼ぶと、目の前に拳を鳴らしている鷹岡がいた。
鷹岡「烏間は家族じゃないだろ...?お仕置きだな...父ちゃんだけを頼ろうと......はぁ...なんだ?またお前か...」
倉橋「あっ......緑谷君...」
出久は倉橋の前に立ち、鷹岡を睨んでいた...
鷹岡「...庇ってるのか?でも責任は取らないとなぁ...代わりに取ってくれるかぁ?」
出久「...はい」
鷹岡「いい子だ!特別にお前に合わせて拳で語り合うことにしよう!親子喧嘩も家族が団結する大事なイベントだ!」
鷹岡は少し移動して校庭のど真ん中で止まった。
倉橋「だ、ダメだよ...」
出久も鷹岡の元に向かって、構えた。
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イリーナ「いくらなんでも無理よ...止めないの?」
殺せんせー「...これは緑谷君から仕掛けた勝負です...彼の戦いを邪魔することはできません...烏間先生...よく見て考えてください...」
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鷹岡「よし!来い!(こいつの個性はただの身体強化...全員の前で痛ぶって、個性があっても勝てないって見せつけてやるよ...)」
出久は鷹岡に向かって蹴りを放ったが、余裕で受け止められて、足を掴まれ地面に叩きつけられてしまった。
鷹岡「どうしたぁ?まだやれるだろぉ?」
出久「っ!!」
連続で突きをしても軽く避けられて、顔面を殴られてしまう。そしてもう一度、さらにもう一度。
鷹岡「おいおい、この程度かよ。烏間ぁ!随分情けない訓練をしていたようだなぁ!」
烏間「っ...」
鷹岡「いいか?俺は弱っちい家族を救いにきた父親なんだよ。だから逆らうんじゃねえよ!!」
倒れている出久の腹に蹴りを入れて吹っ飛ばした。
出久「ごはぁっ!?!?ぐっ...うぐっ...!」
だがそれでも鷹岡を睨み続ける
鷹岡「...まだそんな目をしちゃうかぁ」
鷹岡が出久をさらに痛めつけようとすると
倉橋「ご、ごめんなさい!私が弱音を吐いたからです!」
涙目の倉橋が鷹岡の前に立った。
鷹岡「いい子だぁ...じゃあ最初決めた通り...お前が責任を取ろうな...?」
倉橋「ひっ...!」
狂気の笑みで腕を上げた鷹岡に目にためていた涙を流した倉橋...その姿を見た出久は...
出久「やめろ......やめろぉ!!!!」
今までで1番の速さで鷹岡の元に飛んだ。そして油断していた鷹岡の左頬に拳を入れた。
出久「だぁぁぁ!!!!」
鷹岡「ごふぅ!?!?!?」
鷹岡は数m飛ばされて転がった。
倉橋「緑谷...君...」
出久「ごめん、僕のせいで...!泣いている倉橋さんをこれ以上苦しませてたまるもんか...!」
鷹岡「ふざけんなよ...!!」
出久「...さっき烏間先生のことを侮辱したな...ハッキリ言うが、お前は烏間先生の足元にも及ばない!!!」
鷹岡「なんだとっ...!!」
鷹岡の顔が怒りで染まっていく。
出久(さっき飛び出した時にわかった...また僕の身体が強くなっていた...上限...5%!!)
先ほどよりも出久のスピードが速くなり、鷹岡の顔が驚きで歪んだ。
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ロヴロ『相手に意表を突く攻撃が全くない。暗殺者は気配を隠すだけでなく、最初の一撃で仕留めることが重要でもある』
出久『意表を突く...』
ロヴロ『まあ、あえて油断をさせた上での一撃も必要な時もあるが』
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出久「はっ!!」
出久は地面を蹴り上げて、砂煙を鷹岡に浴びせた。
鷹岡(バカだな。この程度の目眩し、煙の動きを見ればどこからくるか簡単に分かるんだよ)
鷹岡の左腹部を狙うかのような煙の動きの変化があったため、そこから出てきたものを掴んだ。
鷹岡「っ!?靴!?こっちか!?」
更に右側からも何かが飛んできてそれも掴んだが、もう片方の靴だった。
鷹岡(これも陽動か!!ならもう投げれるものはないなぁ...!)
目の前から先ほどより大きめな影が見えたので、そこに勢いよく蹴りを入れた。手応えがあり、ニタァと笑うが一瞬でその笑みが消えた。
鷹岡(軽い!?あのガキじゃねえ!!)
今の鷹岡は両手に出久の靴を持って、蹴りをしたので片足で立っている。現在腹部がガラ空きなのだ。
出久「油断しすぎですね...!!デラウェア・スマァァァァシュ!!!!!」
鷹岡の腹に右ストレートを入れて後ろに後退させた。鷹岡は予想以上の痛みに腹部を抑えてしまった。そして頭上に影が見えた。
出久が右足を天に向けているのだ。その右足を勢いよく振り下ろした。
出久「マンチェスター・スマッシュ!!!」
鷹岡「ごがぁぁぁ!?!?!?」
出久が3回目に投げたのはジャージだったのだ。それを丸めて投げて、さらに隙を与えることに成功したのだ。
生徒達だけでなく、烏間もこの結果に驚いていた。油断だらけだったが軍人の男を押しているのだから。
出久「はぁ...はぁ...」
鷹岡「クソガキィィ...!!」
さすが腐っても軍人である。出久の猛攻を受けてもまだ普通に立ち上がった。
出久「...この戦いの技術は...この教室で学んだ!!烏間先生から教わった!!!お前は烏間先生から学んでいる中学生に膝をついたんだ!情けない訓練って言ったの訂正しろ!!!」
烏間「っ...!」
殺せんせー「どうしますか烏間先生?」
鷹岡「ちっ.........そうだぁ.........これは後で...連帯責任だなぁ...あそこにいる全員!!!」
出久「っ...!」
鷹岡「お前のせいで全員苦しむ......悪いと思うなら...分かるよなぁ...?.........個性解けよごらぁ!!!!!!」
出久は生徒達のことを思い、個性を解除してしまった。その瞬間鷹岡が出久のことを殴る蹴るの暴行を始めた。
しかし出久は鷹岡を睨み続ける。
鷹岡「くそっ!くそっ!くそぉぉ!!」
そしてついに生徒達も動き始めた。
前原「…お、俺らのことは気にすんな緑谷ぁ!!!!」
三村「そうだ!俺達だって烏間先生から教わって強くなってるんだ!!」
中村「私らの心配いらないの!遠慮なくぶっ飛ばしちゃえ!!」
出久の姿を見て、自分達も戦わなくてはいけないという意志が生まれ始めた。
倉橋「やっちゃえ緑谷君!!!」
先ほどまで怯えていた倉橋の言葉で完全に出久の目が覚めた。出久は更に出力を上げて、稲妻が更に迸る。鷹岡の両手を掴んで押し合いとなった。
出久「鷹岡先生...みんな強くなっているんだ...烏間先生のおかげで戦う力を...!!この強さはお前がどんなに教育しても決して見れないものだ!!!」
鷹岡「黙れぇぇ!っ!?!?なんだその目は!!俺を見下しっ!?お、押し返せない...!?(逆に俺が押されている...!?)」
出久「うぉぉぉ!!!!!」
出久の出力は現在20%ほど。出久の身体から悲鳴が...しかしこの力は完全に鷹岡の暴力の力に勝っており、そして気迫で完全に押している。
出久「う゛おぉぉぉぁぁあああああああ!!!!!!」
鷹岡「ひぃ!?(そ、そんな...勝てない...!?ダメだ...なんなんだこいつの目はぁ!?このままじゃぁ...!!)ま、待ってくれ!父ちゃんにこんな酷いことするのか!?な、なあ!?」
出久「ふざけるのも大概...ぐっ!?!?」
出久の身体に限界がきてしまった。OFAによる負担、鷹岡からの暴力...出久は個性が解けて膝をついてしまった。
鷹岡(今なら潰せる!!!!!)
鷹岡の拳は出久には
届かなかった
殺せんせー「勝負ありですねぇ...」
殺せんせーが動けない出久を助けたからだ。
殺せんせー「あなたもう負けたんですよ。あなたから仕掛けた一対一の勝負で命乞いをしたんですからねぇ。まして、最後の攻撃は教育ではなく生徒の命を奪おうとした行為......到底許すわけにはいかない...!!!」
鷹岡「っ...!ま、負けてない...俺は負けてない...!!」
烏間「お前の負けだ鷹岡。お前は緑谷君に戦闘でも気迫でも負けていたんだ。これ以上暴れるなら俺が相手をしてやろう」
鷹岡「(仕方ねえ...)バカだなぁ。これは教育で、俺は先生でもある。生徒相手に本気でやるわけないだろ?」
殺せんせー「減らず口を...」
鷹岡「黙れよモンスター...!... 俺の授業が気に入らないなら1つ勝負をしよう。烏間、お前が育てたこいつ等の中で一押しなのを1人選べ。そいつが素手の俺と勝負して1度でもナイフを当てられたらここを出て行ってやる」
そう言って対先生用ナイフを出したと思いきや、それを本物のナイフで突き刺した。
鷹岡「ただし本物のナイフでなぁ...?」
その条件に生徒達の顔が暗くなった。
鷹岡「殺す相手が俺なんだ。使うナイフも本物じゃなくちゃなぁ」
烏間「よせ!!彼等は人間を殺す訓練も用意もしてない!!」
鷹岡「当てなくていいさ、寸止めでも当てたことにしてやる。でも断ったら俺に永遠服従だ...!(軍隊でもこの手はよく効いたぜ。初めてナイフ持ってビビりあがる新兵を、素手の俺が完膚無きまでに叩きのめす。その場の全員が格の違いを思い知り、俺に心服するようになる...!!)」
そう言ってナイフを烏間の足下に刺した。
烏間(俺はまだ迷っている。地球を救う暗殺者を育てるには……奴のような容赦のない教育こそ必要なのではないのか?……ここに来てから迷いだらけだ。そして、僅かに可能性がある生徒を危険にさらしていいのかも迷っている......だが...)
烏間は可能性のある生徒の元へ向かいながら、殺せんせーの腕の中で痛みに苦しんでいる出久を見た。
烏間「(俺の教育で強くなれたと言ってくれた生徒にこれ以上情けない姿を見せるわけにはいかない...!それにみんな怖がっているがいい目をしている...)渚君...やれるか...?」
生徒達は出久の姿を見て、逃げるのはやめていた。そして烏間が選んだのは渚だった。女子と同等の筋力と腕力しかない渚だった。
渚(...なんで僕を選んだかは分からない...けどこの人が渡してくれるナイフなら信用できる…それに...神崎さんや前原君のこと...許せない…そして...)
出久「ぐぅ...!ま...だ...」
渚「(緑谷君はまだ戦おうとしている...僕が...引き継がないと...!)やります...!」
殺せんせー「緑谷君、あなたの覚悟は渚君が受け継いでくれましたよ...大丈夫。今は休みなさい」
出久「...は、い…」
ナイフを構えた渚はどうすればいいか考えた...考えた末にそしてこれは暗殺と改めて確認し...結論に至った。
渚(殺せば勝ちなんだ...)
渚は通学路を歩くように鷹岡に近づいた。鷹岡を含めて周りのものもその光景を見ているだけだった。そして渚の体が構えている鷹岡の腕に当たった瞬間。
渚はナイフを鷹岡の顔に切り付けようとした。それにギョッと驚いた鷹岡は重心を後ろにした...ここでやっと自分が殺されるかもしれないと分かったのだ。
前からだと防がれるため、後ろに回り
渚「確実に...」
ナイフは鷹岡の首筋にぎりぎりに構えられており、寸止め...つまり渚の勝ちだった。
生徒達は全員渚の勝利に喜んだが、烏間の中では...
烏間(これは間違いなく暗殺の才能...この才能は咲かせても良いものなのか...!?)
生徒達が渚の勝利を祝っていると、怒り狂った鷹岡が生徒達の前に立ち塞がった。
鷹岡「父親同然に俺に歯向かって...まぐれの価値がそんなに嬉しいかぁ!?もう1回だぁ...!今度は絶対油断しねぇ!!心も体もへし折ってやる...!!」
渚「確かに、次やったら絶対に僕が負けます。でも僕らの担任は殺せんせーで教官は烏間先生ですこれは絶対に譲れません。けれど父親を押し付ける鷹岡先生より、プロに徹してくれる烏間先生を僕達はあったかいです。本気で僕らを強くしてくれようとしたことは感謝しています。だからごめんなさい...出て行ってください」
殺せんせー「さあ烏間先生...生徒達が出した答えに今こそ答える時ですよ...」
怒りで渚に襲い掛かろうとした鷹岡に烏間は肘打ちを顎に食らわせて、難なく倒した。
烏間「身内が迷惑をかけたな。後は俺に任せろ上と交渉し、俺1人で教官を務められるようにしてくる」
鷹岡「させるかよ、俺が先にかけ合ってぇ...」
「その必要はありません」
来たのはこの学園のラスボス、理事長の學峯だった...
學峯「新任の先生の手腕に興味があったので......全て拝見させていただきました。
鷹岡先生、あなたの授業はつまらない」
淡々と言うその姿に鷹岡は恐怖で涙を流す...
學峯「教育に恐怖は必要です...が、暴力でしか恐怖を与えることのできないのなら、3流以下です...そして暴力しか持たない貴方が、1人の生徒にその暴力を使って負けただけでなく、恐怖を覚えて、彼に命乞いをしたのです。説得力もなければ、教師としてここにいる価値がありません」
學峯は鷹岡の口に解雇通知の書類を入れた。
學峯「この学園の教師の任命権は防衛省ではない。全て私の支配下だとお忘れなく」
鷹岡は自分のプライドをズタズタに引き裂かれて、怒りで口に入っている解雇通知をくしゃくしゃと食べている。
鷹岡「くそぉ...くそぉ...くそぉぉぉぉ!!!!!!!」
荷物を持って鷹岡は尻尾を巻いて逃げていった。
鷹岡のクビで全員が喜んだ。
中村「烏間先生〜生徒の努力で体育教師に返り咲けたしぃ〜なんか臨時報酬あってもいいんじゃない?」
烏間「ふっ、俺は甘いものなんて知らん。これで」
そう言って出した財布はイリーナに奪われて、生徒達はその財布で満喫しようとしていた。殺せんせーも便乗していた。
出久「......」
渚「緑谷君ありがとう。緑谷君のおかげで僕は戦えた」
出久「...そんなことないよ。渚君なら最初から鷹岡先生に勝てると思ってた」
茅野「...どうしたの?なんか納得してない感じだけど...」
出久「鷹岡先生から前原君、神崎さん、倉橋さんに謝らせることが出来なかった...」
前原「そんなこと思ってたのかよ」
出久「全然そんなことじゃないよ...はぁ...僕もまだまだだな...」
倉橋「ありがとね緑谷君...私を庇ってこんな怪我まで...」
出久「このくらい平気だよ。僕が不甲斐ないから危険に晒しちゃったし...もっと強くならないと...!」
倉橋「...緑谷君ならもっと強くなれるよ。私も頑張るから!そうだ!肩貸してあげるね〜」
出久「へっ!?(女子とここまで密着は流石に不味いよ!?)だ、大丈夫!」
神崎「...私がするから倉橋さんは烏間先生のところに行ってもいいよ?」
出久(僕からしたらそれはそれで解決してない...!)
倉橋「まだ頬痛いでしょ?私が別に怪我していないから」
神崎「もう平気だよ。烏間先生と一緒に何処か行きたかったんじゃないの?」
前原「...間をとって男の俺が」
神崎・倉橋「前原君は黙っててくれない?」
前原「すんません。許してつかぁさい...!」
出久「あ、あの...別に僕も殺せんせーに手当してもらったから...うぇ!?引っ張らないで!?」
渚・茅野「......マジか緑谷君...」
その頃殺せんせーは烏間先生の奢りにどうしてもついて行きたいので土下座しながらついて行っていた...
フラグ④ 倉橋陽菜乃
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矢田(緑谷君カッコよかったなぁ...いつの間にか陽菜乃ちゃんまで緑谷君にさりげなくアピールしてるし...私も少しずつ...)
不破(はぁ〜すごかったなぁ...あんな事を素でしちゃうなんて...まさに主人公だ...まさに燃えたね...!)
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