| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

星河の覇皇

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第八十五部第二章 日本大使館その四十一

「ああした毒はね」
「ですが河豚の毒は」
「熱を通しても意味はないし」
「勿論香辛料を使っても」
 そうしてもというのだ。
「それでもです」
「変わらないわね」
「はい、他にも迷信がありますね」
 河豚の毒のそれはというのだ。
「どうも」
「何かとね」
「あたれば首から下を埋めるものも」
「一晩の間ね」
「あれもね」
 この話もというのだ。
「迷信よ」
「それで河豚の毒は消えませんね」
「今は解毒剤があるけれど」
 河豚の毒であるテトロドキシンのそれがだ。
「それでもね」
「それでは消えないですね」
「そうしても死ぬと思うわ」
「そうですね」
「ええ、あと私達は肝を食べていないけれど」
「肝、肝臓の毒は有名ですね」
 河豚のそれはというのだ。
「非常に」
「ええ、その毒にあたって」
 そうしてというのだ。
「どれだけの人が亡くなったか」
「わからないですね」
「果たしてね」
 まさにというのだ。
「それ位だったわ」
「左様でしたね」
「そう思うと迷信はね」
「危険なものですね」
「それで命を落とすこともあるわ」
 迷信、それを信じてだ。
「そうなることもね」
「ありますね」
「だから正しい知識は必要よ」
「全く以て」
「そう思うわ、まあ今食べている河豚に毒があれば」
 カバリエは冗談も入れて話した。
「その時はね」
「私達は解毒剤のお世話ですね」
「そうなるわ」
 その時はというのだ。
「間違いなくね」
「そうですね」
「ええ、それでもね」
「それでもといいますと」
「やはり河豚は美味しいわね」
 その味は素直に褒め称えた。
「毒があっても」
「この美味しさならですね」
「毒があっても食べ続けられた訳よ」
 それは当然だったというのだ。
「本当にね」
「これだけの味なら」
「その価値はあるとも思うわ」
「命懸けで食べるだけのものがですね」
「あるわ、けれど毒があるから」
 だからだというのだ。
「連合では国家元首はね」
「食べない方がいいとされていますね」
「そしてね」
 そのうえでというのだ。
「特に日本の皇室では」
「日本のお料理で有名でも」
「絶対にね」
 それこそというのだ。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧