イベリス
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第百二十三話 甘いものその九
「今はそれ位はね」
「何でもないわね」
「お肌焼いて黒くするのもね」
「ガングロね」
「これもね」
「いいのね」
「まだね、戻せるから」
だからだというのだ。
「いいけれど」
「タトゥーはそうはいかないから」
「私はしないのよ、というかね」
愛はこうも言った。
「私自分のお肌好きだし」
「そういえばお姉ちゃんのお肌って奇麗よね」
咲は愛に言われてこのことを思い出した。
「白くてきめ細やかで」
「そうでしょ、何気にお手入れもね」
「してるのね」
「そうよ、だからそこにね」
「タトゥー入れるとか」
「するつもりないから」
全くというのだった。
「それに入れたらまともなお仕事にもね」
「就けないわよね」
「手首の方に入れてる人いるけれど」
「夏丸見えよね」
「もうそんな人はね」
それこそというのだ。
「百パーセントまともなお仕事じゃないから」
「確実なのね」
「日本ではね」
「タトゥー自体が問題で」
「まして目立つ場所に入れてるなら」
手首の様なというのだ。
「まともな筈ないから」
「カタギの人じゃないのね」
「そう思っていいわよ」
「半グレとかドキュンね」
「そう言っていい人達よ」
まさにというのだ。
「確実にね」
「それじゃあお付き合いも」
「真剣に考えて」
そうしてというのだ。
「離れるべきよ」
「しないことね」
「そうよ、お巡りさんや自衛官でね」
「入れてる人いないわね」
「他の公務員の人もサラリーマンもね」
「入れないわね」
「他のお仕事でもそうそうね」
それこそというのだ。
「入れないものよ」
「やっぱりそうよね」
「それで特にお巡りさんや自衛官の人達は」
「絶対に入れないわね」
「入れてたら入隊出来ないから」
そもそもというのだ。
「もうね」
「それじゃあ」
咲はその話を聞いて近藤のことを思い出した、そのうえで呟いた。
「大丈夫ね」
「大丈夫?」
「あっ、何でもないわ」
呟いたことを愛の言葉で気付いて慌てて打ち消した。
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