神々の塔

「神舟喋れたんか」
「普段は無口なんや」
　リーが答えた。
「実はな」
「そうなんか」
「それでや」
　その為にというのだ。
「普段はな」
「喋らんか」
「そや」
「そやったか」
「ああ、しかしちゃんとな」
「さっきみたいにやな」
「喋られる」
　そうなるというのだ。
「この通りな」
「そのこと覚えておくな」
「ああ、そうしてくれるか」
「僕もな」
　リーに微笑んで答えた。
「そうさせてもらうわ」
「ほなな」
「そういうことでな」
「いや、何か色々な話したな」
　中里はここでまた言った。
「血が好きな女神さんから」
「そうですね、血はそれだけ重要なものということでしょうか」
　鵺は今も自分の背にいる主に応えた。
「それで」
「生活保護とかか」
「そうしたお話にもです」
「政にもなったか」
「血がなくては」
　さもないと、というのだ。
「生きられるか」
「それは無理やな」
「左様ですね」
「命あるならな」
　それならとだ、中里は答えた。
「もうな」
「血がないとですね」
「神霊さんか自分達みたいな」
「神具でもないとですね」
「死ぬわ」
　そうなるというのだ。
「血がなくなるとな」
「左様ですね、ですから」
「血のことを話してか」
「そこからはじまり」
　そしてというのだ。
「政人が生きることの話にもです」
「なったんやな」
「生活保護についても」
「そうか、この制度は必要でもな」
　社会的弱者の救済の為にだ、世の中どうしてもこうした立場にいる人達も存在しているのだ。それこそ何時でも何処でもだ。
「碌でもない奴が貰ってや」
「本当に受け取るべき人が受けられないのでは」
「あかんからな」
「審査は厳密に、ですね」
「ヤクザ屋さんが寄越せと言ったら」
　中里はその時のことも話した。
「それこそ即刻や」
「処刑ですね」
「役場に怒鳴り込んできてな」
　そうしてというのだ。
「ああだこうだ適当な理由付けて口実言うて」
「それで役場の人達を脅して」
「生活保護受け取ろうとしたら」
　その時はというと。