神々の塔
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第四十二話 血に酔い痴れる女神その七
「救われん様な」
「そうした人がいて」
「もうそうした人は私達ではや」
「救えないですか」
「それで最悪な」
ここでリーは苦い顔で言った。
「国政の厄介にもなる」
「生活保護ですか」
「十星連合もその制度があるけどな」
生活保護のそれがというのだ。
「そやけどな」
「その生活保護をですね」
「利用してな」
「生きますか」
「生活保護はほんまに困ってる人達のものや」
そうした人達の為の制度だというのだ。
「何といっても」
「それがないと生活出来ない」
「そうした人達を助けるもんで」
そうした制度でというのだ。
「碌でもない連中を養う為のもんではな」
「ない」
「決してな」
「それやな、生活保護貰ってギャンブルする様な」
中里も言ってきた。
「そうした奴にはな」
「いらんな」
「そやからこっちの世界ではな」
「生活保護の審査は厳しいな」
「十星連合の民で」
これが絶対条件である。
「ほんまに困ってて行いも正しい」
「そんな人やないとな」
「貰えん様になってるな」
「そうでないとや」
リーは中里に話した。
「最悪ほんまに困ってる人にや」
「行き渡らんな」
「そうなる、生活保護も無限やない」
その財源である国家予算自体がそうであるのだ、だから受けられる人にも限りがあるのは当然のことだ。
「それで例えばその辺りのゴロツキとかな」
「どうしても救えん様な奴とかな」
「流石に社会のゴミと言うしかない奴が貰ってな」
そうなってというのだ。
「ほんまに困ってる人が貰えん」
「そうなる場合が考えられるな」
「ゴロツキが役場に来て脅してや」
役場の職員の人達をだ。
「貰うとかな」
「そんなん間違ってるな」
「そしてこれは民の権利でな」
「その国のな」
「流石に外国人が貰うのは」
これはというのだ。
「ほんまな」
「あかんな」
「十星連合の福祉は十星連合の民のもんや」
「税金を納めてる」
「どうしてもその福祉を受けたいなら」
それならというのだ。
「もうな」
「十星連合の民になることやな」
「それしかないわ」
「それで厳密化してるな」
「そんでヤクザ屋さんとかこれまで碌なことしてなかった屑はな」
「貰えんな」
「どんな宗教や哲学でも救えん奴が生活保護で救われるか」
それはというのだ。
「誰かに寄生してるだけでや」
「そのまま寄生してやな」
「その誰かに迷惑をかける」
そうしたというのだ。
「腐った話にや」
「なるだけやな」
「そやからな」
「生活保護の審査はな」
「十星連合では厳しいわ」
「ほんまそうせんとな、しかしな」
芥川はリーと中里の話に頷きつつリーが乗っている神舟を見た、そうしてそのうえで言ったのだった。
ページ上へ戻る