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おぢばにおかえり

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第七十七話 おみちの本その二十四

「千里ちゃんがね」
「新一君をですか」
「色々仕込んであげるんだよ」
「そうしていきます、ただ」
 新一君を見るとでした。
 何か変ににこにことしていて私は思いました。
「この子って私にはこうなんですよね」
「それがいいんだよ」
「いいんですか」
「千里ちゃんにとって絶対に大事な人になるよ」
「大事な、ですか」
「そうなるからね」
「どういった人かわからないですが」
 大事と言われてもです。
「兎に角大事な人になりますか」
「間違いなくね」
「そうですか」
「だから色々とね」
「お仕込みをしていくことですね」
「そうしてあげるんだよ」
「経典も教祖伝も読んでいって」 
 その新一君の言葉です。
「実践してですね」
「そうしていってね」
「それで先輩のお話も聞いて」
「そうします」
「うん、ただ施阿波野君思い込みが強くて」
 それでというのです。
「人の話を聞いていてもね」
「それでもですか」
「聞いてない様に見えるからね」
「よくそう言われます」 
 新一君自身そうだと認めました。
「僕は」
「そうだね」
「はい、どうも」
「そうしたところは気をつけてね」
「そうしていきます」
「何かね」 
 私も思って言いました。 
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