イベリス
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第百二十三話 甘いものその三
「終わったことはね」
「どうでもいいって人達なの」
「だからね」
それでというのだ。
「もう終わったことだから」
「例え最下位しても」
「何でもないわ、それに付き合ってる間お互い浮気もね」
「なかったの」
「そのことよかったって」
その様にというのだ。
「思ってるわ」
「浮気なかったの」
「私しなかったし」
「相手の人達も」
「ええ、二人共ね」
中学時代の彼も高校時代のというのだ。
「少なくとも私の知る限りだとね」
「浮気してなかったの」
「今は聞いてないわ、浮気なんかしたら大変よ」
その時はというのだ。
「修羅場になるから」
「よく聞くわね」
「そうなるから」
「お姉ちゃんはなかったの」
「なかったけれど見たわよ」
その修羅場をというのだ。
「お友達がね」
「浮気があったの」
「彼氏がしてね」
そしてというのだ。
「その娘怒って」
「修羅場ね」
「もう怒り狂ってね」
その娘がというのだ。
「ひっぱたく、引っ掻く、蹴り飛ばす」
「そんな風だったの」
「猛獣みたいだったわ」
「そうだったの」
「いや、彼氏さんボロボロになったわ」
「浮気したとはいえそれはね」
「って思うでしょ、咲ちゃんなら」
愛は従妹に笑って返した。
「けれどね」
「そうなることがなの」
「浮気をしたらね」
その時はというのだ。
「結婚してたらもっと酷いから」
「離婚とか裁判とか慰謝料とか」
「修羅場のうえでね」
それに加えてというのだ。
「そうなるから」
「だからなのね」
「まだね」
「ましなのね」
「この場合はね、それでボロボロになって」
その彼氏がというのだ。
「別れたのよ」
「そうなったのね」
「それで私その現場見てね」
それでというのだ。
「前からよくないって思ってたけれど浮気はね」
「よくないって思ったのね」
「そうなの」
「その目で見て」
「それでね、ただ咲ちゃんも浮気嫌いでしょ」
「ほら、愛人さんいる人とか」
咲は愛に言われて眉を顰めさせて答えた。
「そうした人見るとね」
「嫌になるの」
「昔はよかったかも知れないけれどね」
「今だとアウトだしね」
「愛人さん、二号さんとかお妾さんとかいる人って」
「咲ちゃんは嫌で」
「そうなの、女の人でもね」
同性であってもというのだ。
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