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星河の覇皇

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第八十五部第二章 日本大使館その三十一

「その際にですね」
「お願いするわ」
「承知しています、外務省の情報収集だけではですね」
「限度がある場合があるわ」
「それで内務省にもですね」
「警察では多くのお話を聞くわね」
「警察という組織は捜査だけでなく普段からです」
 ただその組織が存在して活動しているだけでだ。
「情報が入ってきます」
「それが警察という組織だからこそね」
「フーシェもそうでした」
「フランス革命そして第一帝政の政治家ね」
 もっと言えば革命家でもあった。
「彼は情報を武器としていたわ」
「そうでしたね」
「その稀代の謀略もね」
 そのレベルはタレーランにも匹敵すると言われていた。
「それもね」
「情報あってこそでしたね」
「彼は情報の力を知り抜いていたわ」
 政治におけるそれのだ。
「まさにね、だからね」
「非常に、でしたね」
「ええ、彼はね」
「ナポレオンさえ陥れました」
「そう出来たことも情報故」
「私はフーシェとは違いますが」 
 その稀代の謀略家とはだ。
「それでもです」
「情報は大事に思っているわね」
「ですから」
 それ故にというのだ。
「各国政府の情報収集をです」
「内務省のルートで行っていくわね」
「はい」
 まさにというのだ。
「そうしてです」
「情報提供もお願いするわね」
「その時はお話して下さい」
「それではね、けれどね」
「それでもですね」
「今は内務省も静かでいるわね」
 このことを金に問うた、そうしながら皮の酢のものも食べる。この河豚は皮も食べられる河豚であるのだ。
「そうね」
「対立とは無縁の様にです」
「しているわね」
「左様です」
「そうね、ならね」
「このままですね」
「外務省は常としてね」
 中央政府と各国政府の衝突の際のだ。
「表に出てね」
「表で動きますね」
「情報収集も主ね」
「そうしていきますね」
「だからね」
 それはというのだ。
「内務省はね」
「隠ですね」
「そちらでお願い出来るかしら」
「それでは」
 金は一言で応えた。
「その様にさせて頂きます」
「お願いね、それでだけれど」
「はい、お刺身にですね」
「唐揚げ酢のものを食べて」
 そしてというのだ。 
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