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ハッピークローバー

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第百一話 怪我をしないことその十

「何もかも滅茶苦茶に壊してね」
「大勢の人の命も奪うから」
「地震が怖いわ」
「一ちゃんはそうなんだね」
「それで寛君としては」
「野球好きでずっとじていたいから」 
 そう思うからだというのだ。
「今一番怖いのは」
「怪我ね」
「だからね」
 それでというのだ。
「健康を含めていつも気を付けてるし」
「ラグビーみたいな怪我の多いスポーツをすることも」
「ちょっと出来ないよ」
「怪我が怖いから」
「そうだよ、けれどあいつはいつも楽しくやってるね」
 成海はというのだ。
「俺には出来ないよ」
「怪我が怖くないのかって思う?」
「思うよ、あいつはそうしたところ凄いよ」
 成海に賞賛の言葉も贈った。
「それでかな恵ちゃんにも一途だし」
「子供の頃からね。かな恵ってお姉ちゃんでね」
 家の中ではとだ、一華はかな恵のこのことも話した。
「それで私達の中やクラスや部活だとお母さんポジションだけれど」
「面倒見いいんだ」
「優しくて周りをよく見てね、けれどね」
 そうした娘だがというのだ、かな恵は。
「何処か頼りないところもあってそこを支えるのがね」
「成海っちなんだ」
「そうなの、言うならね」
 彼のことを微笑んで話した。
「かな恵の旦那さんよ」
「お母さんを支える」
「弟さんも懐いてるしね」
 かな恵に弟である明男もというのだ。
「だからね」
「旦那さんなんだ」
「そうなるわね、ただ成海っちのそうしたところ見てるって」
 一華は達川の言葉からそのことを察して言った。
「しかも褒めるって。寛君もね」
「俺も?」
「いいわね。いいものをちゃんと評価出来る人ってね」
 彼ににこりと笑って話した。
「それだけでいいこといい人だってね」
「言われたんだ」
「お母さんにね」
「そうだったんだ」
「子供の頃にね」
「いいものをちゃんと評価するって当然じゃない」
 達川は一華の母が言ったというそのことに首を傾げさせて言った。
「他にどうしろっていうのか」
「素晴らしいものは素晴らしいって」
「例えばいい絵を観てね」
 そうしてというのだ。
「いいって思って言うことは」
「当然っていうのね」
「そうじゃない?それで凄いこと凄い人も」
「凄いって評価することね」
「大谷翔平さんなんてね」
 この桁外れのプロ野球選手もというのだ。
「凄いって言わないで」
「どう言うか」
「俺知らないよ、あれかな」
 ここで達川は少し考えてこう言った。
「自分はそこまでじゃないから妬ましいとか羨ましいとか」
「嫉妬ね」
「人気あるとか人望とかで」
 それでというのだ。 
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