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X ーthe another storyー

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第四十一話 好意その四

「そうなのですか」
「俺はそう思います」
「俺もだよ、ここにいる全員がな」 
 草薙も笑って言ってきた。
「実際にだよ」
「そう思っていますか」
「ああ、あんたはそうした人だよ」
「そう思ったことは一度もないですが」
「自覚していないだけさ、だからあんたはな」
 星史郎はというのだ。
「自分をもっと知ればいいさ」
「僕がそうした人間だと」
「そうしたら何かと変わるかもな」 
 草薙は星史郎に温かい笑顔で話した。
「本当にな」
「そうですか」
「ああ、だからな」
 それでというのだ。
「自分を見ることもな」
「大事ですか」
「そのこともわかってぃてくれてたな」
「自分を知ること難しいわ」 
 庚はそれはと述べた。
「けれどちゃんとね」
「見られますか」
「ええ、だからね」
 それでというのだ。
「努力してね」
「見ていくことですね」
「貴方自身をね」
「振り返るといい思い出は」
「全くないかしら」
「いえ」
 ここでも二人のことを思い出して話した。
「あります」
「そうね、ではね」
「それではですね」
「自分自身もね」
「見ていきます」
 笑顔で言ってだった。
 星史郎は今は仲間達と共にそれぞれ善哉やお汁粉を楽しんだ。同じ頃昴流は仲間達をケーキ屋に案内してだった。
 彼等と共にケーキを楽しんだ、彼は店の中で仲間達に尋ねた。
「どうかな、味は」
「めっちゃ美味いです」
 まずは空汰が答えた、彼は苺のショートケーキを食べている。
「ほんまに」
「それは何よりだよ」
「はい、そやけど」
 それでもとだ、空汰はケーキを食べつつ言うのだった。
「昴流さんのお話は」
「北斗ちゃん、星史郎さんとの一年のことはだね」
「色々あって」  
 そしてというのだ。
「最後は」
「うん、今話した通りだよ」
「何て言うたらええか」
「心中察するに余りあるわ」 
 嵐も言ってきた。
「本当に」
「そやな」
「こうとしか言えないわ」
「わいもや」
「言ってもいいよ、事実でね」
 昴流は二人に微笑んで答えた。
「僕の今はその時からはじまっているから」
「そやからですか」
「いいのですか」
「どう思ってもどう言ってもね」
 それでもというのだ。
「構わないよ」
「そう、ですか」
 嵐は沈痛な面持ちで応えた。 
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