星河の覇皇
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第八十五部第二章 日本大使館その十六
「その様にお願いします」
「それでは」
「はい、それでは」
「我々もです」
「その様にということで」
「わかりました、今度のイベントは」
領事はそれのことも話した。
「お寿司を出す予定ですが」
「パーティーの場で、ですね」
「あえて寿司職人の方をお招きして」
日本のというのだ。
「握って頂きます」
「そうしてもらいますか」
「そして市民の方々に楽しんでもらい」
「そのうえで、ですね」
「親睦を深めていこうと考えています」
「左様ですか」
「そしてです」
チバにさらに話した。
「お蕎麦もです」
「そちらもですか」
「出すつもりです」
「お蕎麦は気をつけて下さい」
ここでチバは領事に言った。
「くれぐれも」
「といいますと」
「日本のこだわりは強いです」
「日本のですか」
「はい、お蕎麦の味もそうで」
領事にさらに話した。
「食べ方もです」
「こだわっているのですか」
「領事は武蔵星系以外の日本はご存知でしょうか」
「いえ、日本文化には通じているつもりですが」
それでもとだ、領事はチバに答えた。
「この武蔵星系以外の場所にはです」
「行かれたことはないですか」
「仕事で他の星系にお邪魔して旅行もです」
「行かれていますか」
「先日相模星系に行きました」
「そうですか、ですがお蕎麦についてはですね」
「お蕎麦といいますと」
領事はこう言った。
「日本の麺の一種でそば粉から作るもので」
「ざるそばやかけそばがありますね」
「私は天婦羅蕎麦が好きです」
「天婦羅蕎麦ですか」
「はい、あと鴨なんばが」
こちらの蕎麦もというのだ。
「好きです
「ではざるそばは」
「こちらではそのお蕎麦が主流でしたね」
「はい、召し上がられたことはあります」
「あります」
この蕎麦もというのだ。
「名物と聞いてです」
「召し上がられたのですね」
「そうしました」
「ではです」
チバは領事に微笑んで話した、話しつつ緑茶を飲む。その緑茶も日本のお茶であることは言うまでもない。
「噛まれましたか」
「噛むといいますと麺をですか」
「はい、お蕎麦の」
「噛まないとです」
そうしないと、というのだ。
「どうしてもです」
「召し上がることが出来ないですか」
「そう思いますが」
「それがこちらではです」
武蔵ではとだ、チバは話した。
「噛まないのです」
「そうなのですか」
「噛まずに飲み込んで」
そうしてというのだ。
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