神々の塔
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第四十話 童話の中からその十
「人気があったんやな」
「マスコミのプロパガンダでな」
「まさにそれでやな」
「もう漫画の主人公チームはそうで」
巨人と決まっていてというのだ。
「親会社のマスコミがガンガン宣伝してな」
「正義になってたんやな」
「関西は阪神やが」
自分達が今いる日本のこの地域がというのだ、やはり関西のプロ野球チームといえばこのチームであるのだ。
「幸田達言うてたやろ」
「関東の連中やな」
「今は誰も見向きせんけどな」
巨人が十二球団で最も不人気なチームとなってだ。
「昔はな」
「ずっとやな」
「巨人第一主義巨人が正義」
「そんな風やったな」
「偏向報道がな」
そう言っていいものがというのだ。
「新聞でもテレビでもされてたわ」
「そんなん嫌になるな」
トウェインは事実嫌そうに言った。
「あんなチームの偏向報道とか」
「冗談やないな」
「そんなんある場所にはな」
「住みたくないな」
「ああ、昔の関東はそやったか」
「巨人が野次をしてもや」
これは二〇〇一年のヤクルト戦であったことだ、藤井投手に行いこれが戦術として肯定的に書かれていたのだ。
「よかったんや」
「それは腐ってるな」
「そや」
まさにというのだ。
「そこまで酷かったんや」
「昔の日本はか」
「ああ、しかしな」
それでもというのだった。
「今はや」
「そうしたことが全部やな」
「なくなってな」
そうしてというのだ。
「巨人の悪事は皆知ってる」
「それで万年最下位なのよね」
アレンカールは当然という口調で述べた。
「栄光はほんま過去のもので」
「普通に二十連敗位するな」
「何もええとこないチームになったわね」
「それで二十年連続最下位でな」
「勝率一割台で」
「何か堀内とかいうのがいつも喚いてるやろ」
この輩がというのだ。
「過去の栄光を取り戻せとか」
「何か言ってるわね」
「というかあいつからやからな」
「巨人が最下位になったのはね」
「何もかもがあかんで」
堀内には育成の才能も采配のそれもなかったのだ、それも全く。
「偉そうに言うてな」
「暴力振るうしね」
「コーチ時代やってるしな」
「最低な奴よね」
「人としてええとこのない」
一切とだ、中里は言い切った。
「礼儀作法もな」
「人に強制するだけでね」
「自分は全くあかん」
「ほんま最低な奴よね」
「人はああなったら終わりや」
堀内の様になればというのだ。
「そういう奴や」
「ほんまにそうよね」
「それで堀内は言うてるけど」
「どうにもならないわね」
「これまでの悪事の報いや」
今の巨人の状況はというのだ。
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