牡蠣は食べ過ぎるな
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第一章
牡蠣は食べ過ぎるな
洋食のレストランを経営している家の息子で高校生の宮沢牧水にだ、クラスメイト達が目を輝かせて尋ねてきた。
「お前の家で今牡蠣食い放題やってるんだよな」
「生牡蠣食べ放題だって?」
「それも学生だと半額か」
「そんないい企画やってるんだな」
「ちょっと色々あってね」
宮沢は友人達に神妙な顔で答えた、背は一七〇位で小さな顔で素朴な感じの優しい顔立ちで黒い詰襟の制服が似合っている。
「牡蠣が安く凄く手に入って」
「それでか」
「食べ放題たってるんだな」
「そうなんだな」
「なくなり次第終了だから」
その牡蠣がというのだ。
「早いうちに来てね、食べたいなら」
「よし、行くぞ」
「それじゃあな」
「そして牡蠣山程食うな」
「牡蠣って美味いからな」
クラスメイト達は目を輝かせたままこうも言った。
「生にしてもフライにしてもな」
「焼いてもいいな」
「それじゃあな」
「腹一杯食おうな」
「牡蠣をな」
こう言って実際にだった。
クラスメイト達は宮沢の家のレストランに行ってだった。
それぞれ牡蠣食べ放題を注文した、そしてだった。
生牡蠣にフライに焼いたものをどんどん食べていった、十代の食欲はかなりのもので彼等は貪っていった。
だがその彼等にだ、宮沢は家の仕事なので店で働く中で言ってきた。
「食べ過ぎには気をつけてね」
「大丈夫だよ、そんなの」
「俺達も居丈夫だしな」
「幾ら食っても平気だよ」
「心配無用だよ」
クラスメイト達は笑って返した。
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