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星河の覇皇

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第八十五部第二章 日本大使館その六

「お蕎麦の食べ方にはこだわりがある人がいますね」
「何かとですね」
「江戸っ子の食べ方ですね」
「武蔵星系ですね」
「あちらでは昔からお蕎麦をよく食べて」 
 それでというのだ。
「その食べ方もです」
「こだわりがありますね」
「何かと」
「それでお茶を飲むことも」
 これもというのだ。
「あがりと言って」
「そうそう飲むものではない」
「そう言っていますね」
「蕎麦湯を飲む」
 これがというのだ。
「お蕎麦屋さんのしきたりということで」
「それでお茶を最後に飲まなくててはならない」
「そう言っていますね」
「私が最後に飲むのは」
 何故かとだ、東は小柳に話した。
「ただ単にです」
「好みですか」
「最後に飲むとすっきりしますので」
 だからだというのだ。
「その様にしています」
「そういうことですね」
「こだわりはないです」
 そうだというのだ。
「これといって」
「そのこだわりがあるのがあちらですね」
「武蔵星系ですね、またあそこのお蕎麦は」
 東はこうも言った。
「おつゆも違っていて」
「辛いですね」
「しかもお蕎麦の量が」
 これがというのだ。
「少ないです」
「小腹が空いた時に食べるもので」
「軽食なので」
 その立場でというのだ。
「量もです」
「少ないですね」
「昼食等にしたい時は」
 そうして確かに食べたいならというのだ。
「おかわりをする」
「そうした考えですね」
「実際に江戸の頃は」
 江戸っ子と呼ばれる彼等はというのだ。
「お昼に食べる時は」
「何皿もですね」
「食べていました」
 お代わりをしてというのだ。
「お汁の場合は別にして」
「所謂汁蕎麦ですね」
「江戸ではざるそばが主流だったので」
 東はこのことも話した。
「ですから」
「汁蕎麦はまた別ですね」
「この場合は数え方は杯で」
「丼ですから」
「そうでしたが」
「ざるやせいろになると」
 小柳も言う、今自分達がそれぞれ食べたそうした蕎麦の話がする、それで食べながら言うのだった。
「皿ですね」
「そちらですね」
「そうですね、それでそのざるやせいろを」
「おかわりをして」
 昼や夜に食べる時はというのだ。
「食べていましたね」
「左様でしたね」
「同じ日本でも」
 東はお茶を飲みながらさらに話した。 
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