ハッピークローバー
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第九十九話 寝られるだけでもその十二
「彼氏さんはね」
「取り合いよね」
「だってね、女の子の方が多いのよ」
商業科はというのだ。
「農業科、あと看護科もだけれど」
「それで男の子の取り合いになるのね」
「入学式終わったら」
そうなればというのだ。
「もうね」
「早速よね」
「そう、男の子の取り合いがね」
これがというのだ。
「はじまるのよ」
「そうなるのね」
「先輩まで来てね」
「先輩も?」
「新入生をゲットする為に教室に来るのよ」
「それは凄いわね」
「それで男の子は相当やばい子でもないと」
そうでもないと、というのだ。
「皆よ」
「取られるのね」
「ちなみに今の商業科の一年で彼女さんいない子は」
理虹は真顔で話した。
「零人よ」
「皆いるのね」
「商業科にね」
「そうなったのね」
「男の子は何をしなくてもよ」
商業科ではというのだ。
「あっという間にね」
「彼女さん出来るのね」
「そして逆に言えばね」
「女の子はそうはいかないのね」
「私達の間で最初から交際してたのかな恵だけでしょ」
彼女のことも言った。
「もうこれでわかるでしょ」
「よくね」
妹もそれはと答えた。
「つまりお姉ちゃん達何かする前に」
「本当に入学式が終わったらすぐだったわ」
四月のあの時のことをだ、理虹は思い出しつつ話した。それは彼女にとっては忘れられない一幕だった。
「男の子があっという間によ」
「ゲットされていったの」
「それで私達が我に返ったら」
その時はというと。
「もうね」
「一人も、だったのね」
「そうよ」
「商業科ってそうなのね」
「それで聞いたら農業科もね」
農業科に進んだ同級生から聞いたことだ。
「やっぱりね」
「入学式終わったら」
「林業科は男の子多いけれど」
それでもというのだ。
「その農業科にも女の子が殺到して」
「売り切れたの」
「皆ね」
「農業科もそうなのね」
「あのね、同数ならいいのよ」
男女がというのだ。
「それが崩れるとね」
「そうなるのね」
「そうよ、だから余った娘はな」
その時の自分達も含めて言うのだった。
「工業科によ」
「彼氏求めるの」
「あそこは逆に男の子が多いから」
「余ってるから」
「そっちに行くのよ」
「お姉ちゃん達もそうしたし」
「そう、商業科行ったらね」
そうなればというのだ。
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