博士の挑戦状
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第八十四話
第八十四話 小田切君も若い人間
今度は博士から小田切君に言って来た、相変わらず読書の速さはかなりのもので一冊を瞬く間に読破してまた一冊となっている。
「それで小田切君じゃが」
「何ですか?」
「今田先生と今日子先生どちらが好きじゃ」
「いきなり何言われるんですか」
はかせのその問いにやや驚いて応えた。
「また」
「だから言った通りじゃ」
「今田先生と今日子先生のですか」
「どちらがよいのじゃ」
「そう言われますと」
小田切君も答えた。
「今田先生ですか」
「あの人か」
「はい、それが何か」
「いや、小田切君は人間でじゃ」
生物学的に完全にというのだ。
「若いからな」
「女性に興味あるっていうんですね」
「そうじゃが」
「あってもいいですよね」
これが小田切君の返事だった。
「それでも」
「だから自然のことじゃ」
「女の人に興味あることは」
「うむ、同性愛でもな」
この場合でもというのだ。
「別にな」
「いいですか」
「そうした欲があってもな」
それでもというのだ。
「当然じゃ」
「だから先生達のどちらの人がいいかも」
「好きかもな」
「いいんですね」
「それが二次元でもじゃ」
リアルでもなくというのだ。
「興味があったらな」
「いいんですね」
「一番怖いのは興味がないことじゃ」
「異性でも男性でも」
「そうした人こそな」
「問題ですか」
「何故興味がないか」
このことをいうのだ。
「おいおいな」
「考えていくことですな」
「診察も受けてな」
そうもしてというのだ。
「調べることじゃ」
「随分深刻ですね」
「それは何故かというとな」
博士は話していった、読書はまた一冊読破してその後でまた一冊となっていた。
第八十四話 完
2023・7・28
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