わんねー あいつに責任とってもらう だけど好きになっただけヤ
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4-2
「実海 海が恋しくなるだろう?」と、紳おじちゃんが聞いてきて
「うん あったり前だよー 飛び込んだり、潜ったりして 暴れたい」
「今度の会社の休みの時 琵琶湖に連れてってやろうか? 海みたいにはいかないけど、静かなとこだよ」
「びわこ? 大きいってのは知ってるけど・・・見たこと無いしなー」
「ああ 小さいけど 波もある 水もそこそこきれいだよ 海に行くのは遠いからな まぁ 潜っても、貝とか魚が捕れるわけじゃぁないけど 泳ぐだけかなー バーベキューも出来る」
「うん 行く 行く!」
私は、泉希ちゃんとすみれちやんも誘ったんだけど、何故か、道弘と励も行くことになっていた。そして、ヨッさんも参加することになった。
家を出る時、紳おじちゃんはクーラーボックスを下げていて、バーベキューの食糧だと言っていた。そして、駅前で集合したときには、ヨッさんはビーチマットだと大きな袋を下げていたのだ。
京都駅で乗り換えて、1時間ほど 駅に降りて、歩いて5分程のところだった。白い砂浜に松林もあるきれいな所。初めて、見るけど、なるほど海みたいに水面が広がっていた。
私達は早速、海の家みたいなとこの更衣室で着替えて・・・すみれちゃんは袖無しのワンピースで、その下はそのまま着替えられるんだ。私と泉希はすっぽんぽんになって着替えていた。3人とも柄は違うけどタンキニの水着で揃っていた。
「絶対に あのブイの外には出るなよ」と、紳おじちゃんに注意を受けて、皆 泳ぎには自信のある連中だったから、そのブイまで・・・ヨッさんも付いてきていて、やっぱり、裸になると筋肉が盛り上がってるんだ。もう、肌は白いんだけど逞しくて、私は、ちょっとドキドキしていたのだ。
その後、ビーチボールなんかで遊んで、紳おじちゃんがバーベキューの用意が出来たからと呼んでくれて、焼きながら食べていると
「君が道弘君か? みゅうみゅんがな 良い喧嘩友達が居るって言っていた」
「はっ はぁー 喧嘩友達ですか? まぁ なんとなく・・・」
「いいんだよ こいつは 負けん気が強くて、お転婆だから 多少 ガツンといってもめげないから 遠慮しなくていいから 気を遣うことなんていらないよ」
「紳おじちゃん みゅうみゅんのこと なんだって 思ってるのよー 一応 女の子なんですからネ! まだ お嫁さんももらえないくせにー」
「ほらっ こんなとこなっ!」
食べ終わった後、私は道弘に
「あそこのブイまで行って帰ってくるの 勝負しよ」と、
「みゅうみゅんとかぁー? なんぼなんでも 俺が勝つに決まってるやんか」
「そなん わからんやんかー プールと違って、波があるからな! みゅうみゅんが勝ったら お尻キックやでー」
「なんじゃ それ! 俺が勝ったら みゅうみゅんのをキックしてええんかー?」
「ああ ええでー ここから走って行って、波打ち際まで帰ってくるまでな」
「わかった 負けて泣くなよ!」
「あほかぁー いくで よーい ドン」
私が先にスタートしたんだけど、水際までほとんど同時で、飛び込んでいった。最初ブイまでは私が先に着いてターンしていたのだ。やっぱり、道弘は波に向かって行くのに慣れてないのだ。だけど、だんだんと追いつかれて・・・道弘が先に着いていた。
「ほらっ みろ これが、男と女の差 なんだよ!」
「うぅー しゃーない 約束やからな どうぞー」と、私は水の中に少し入って、道弘に背中を向けていた。
「いくぞー」と、背中に道弘の気配を感じたのだけど・・・その瞬間 バシャッっと 道弘がひっくり返っていたのだ。
「なにしてるのー?」
「うーん 蹴り損ねて ころんだ」と、照れ隠しか泳いでいってしまった。
すみれちゃんがタオルを持ってきてくれて
「あいつ流の優しさなんよ ウチには 時々 いたずらするけど」と
「それは、道弘が すみれちゃんのことが好きだからよ」と、話していると、泉希がヨッさんとビーチマットを持って、ふたりで泳ぎに行こうとしていた。
「あー なんやー 泉希」
「うん ふたりで浮いて来るのー」と、マットを浮かべて、並んで沖に向かって行ったのだ。
「なに あれっ!」と、すみれちゃんが呆れた声を
「ふふ ふっ」きっと、泉希ちゃんはヨッさんに対して好意を持ってるのかなと思っていた。
「あの二人が戻ってきたら、すみれ 道弘を誘えばー」
「やーだよ そんなの・・・恥ずかしいよー 皆で入ろうよー」
そして、紳おじちゃんも入って、皆でビーチボールで遊んでいた時、二人が戻って来て
「すみれ 今度は 道弘と行っといでよー 道弘 すみれを誘いなよー」と、私はけしかけていたら
「みゅん なにを・・ 皆でいこうよー」と、すみれちゃんは私の手を取っていたけど
「わかったよ 後から行くから 先に行きなよ」
道弘は、すみれちゃんに眼で合図したんだと思う。黙ったまま、マットを抱えて入って行った。ちゃんと、並んで浮かんでいるのだ。まぁ 少しして、皆で後を追いかけて行ったのだけど。
途中で、道弘が励と交代した時、私は
「道弘ぉー みゅうみゅんをおんぶして 泳いでぇー」
「えぇー そんこと出来るかよー いくらなんでも 沈んじゃうよ」
「やってみな わからんヤン」と、私は勝手に道弘に背中から飛びついて腕をまわしていった。何となく、数mは進んでいたけど、だんだんと沈んでいったのだ。二人で、そのまま ぶくぶく しながら・・・
「アホかぁー 無理やり・・・ そんなん 無理に決まってるやろー ちょっと 水飲んでしもーたわ みゅうみゅんは大丈夫か?」
「平気やった そうかー? でも 一瞬 気持ち良かったでー イルカに乗った気分」
「俺は イルカ かぁ! お前 イルカに乗ったことあるんか?」
「うん にゃー あるわけないヤン」道弘は私を波に沈めようとしていた。
皆で茶屋で休んでおやつを食べていると、紳おじちゃんが
「吉宗君 さっきのみゅうみゅんみたいに競争しようか?」
「専務とでっかぁー?」
「紳おじちゃん お酒 飲んでるヤン やめときーなー」と、私は、止めたんだけど、「これっくらい 平気だよ」と、ヤル気になっていた。そしたら、道弘が俺もヤルと言い出して、3人でということになって、ゴールはここまで走って戻ることとなった。
スタートして、先に泳ぎ出したのは、ヨッさんで続いて道弘で、紳おじちゃんは少し遅れて・・・そののま、ヨッさんが折り返して、意外と紳おじちゃんが道弘と並びかけていたのだ。だけど、道弘は折り返してからが速かった。ヨツさんに迫っていて・・・紳おじちゃんは急に遅くなってしまって。戻ってきたのは、ヨッさん、道弘の順で、少し、遅れて紳おじちゃんだった。
「いやーぁ 若い者には やっぱり かなわんなぁー 戻る時 脚がつりそうになったよ」
「俺も 後ろから 道弘君が迫ってくるのがわかったんだけど 膝が痛くなりだしてネ でも なんとか」
そして、帰りの電車の中では、泉希がヨッさんの隣で・・・二人とも、時々笑いながら、親し気に・・・ヨッさんの仕事のことを話しているみたいなんだけど・・・泉希・・・ 男には興味無いみたいなこと言ってたくせに・・。
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