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転生!DRAGONBALL THE WORLD!!

作者:山葵。
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人造人間編
  第二十話 あの時のケリつけようぜ。超激戦!ワサビVSバーダック

 
前書き
え~っと?一か月経ちました?あっ、お久しぶりです_(._.)_
この度は度重なる用事で、この小説の更新が止まったことを謝罪いたしたいと思います。
この度は本当に...グスッ...申し訳ございませんでしたぁ!

え?用事って何かって?
まぁね、そう!ドラゴンボールの予習っすよ!あのブロリー映画の、う~ん。
別にね、ブロリーが初手で蹂躙するだけで終わるゲームをしばらくやってたとか、何なら昔に思いをはせて銃撃戦のゲームをして感動したとか、なぜか急にイカのゲームにはまったとかじゃありませんからねぇぇぇーーーーーーっ!!!!

そんなこんなで人造人間のじの字も出てこない人造人間編。どうぞ~ 

 
カメハウスでクリリンと戦い亀仙人様にアドバイスをもらってから悟空の家に戻って数時間後、ワサビは気のコントロールの練習をしていた。

(全力を抑えるのではなく、通常の力を抑える...か、聞くだけなら簡単に思えるが、なかなかやろうとすると難しいな。)

ワサビは気を0にまで抑えるために気を体の内側に抑えこんでいるが、直ぐに身体が爆発しそうになり、気を開放して息をついた。

(イメージがどこか違うんだろうな。気を抑えるんじゃなくてもっと別の...)

そんなことを考えていると後ろから声をかけられた。

「ワサビさん、何をやっているんですか?」

振り向かずとも、悟飯の気だということが分かったので、「宿題は終わったのか?」と聞いた。
悟飯は自信満々に終わらせたというので、俺は振り向き悟飯を切り株の上に座らせた。

「ちょうどさっき亀仙人のじっちゃんにアドバイスをもらってきてな、それを実行してたんだ。」

「ああ、だからさっき一瞬だけ気が消えていたんですね。」

「ああ、そうなんだよ...て、今なんて?」

「へ?だから気が消えてたって...」

「本当か?」

「本当ですよ。全く感じられなかったです。」

「そうか、上手くはいってたんだな。ありがとう、悟飯。教えてくれて。」

「俺が感謝を伝えると悟飯は嬉しそうに笑っていた。」

悟飯は俺の方を見て、目線を上にあげるとしばらく沈黙が続いた。
だがその沈黙は緊迫した重苦しい雰囲気ではなく安心感に包まれていた。

「ワサビさんって昔はどんなことをしてたんですか?」

急に悟飯がそんなことを聞いてきた。

「昔?なんで急にそれが気になったんだ?」

「何だろう...僕もよく分かんないんですけど...」

悟飯はそういうと少し考えた後こう付け加えた。

「ワサビさんが戦うとき、お父さんとは違うような安心感があって、まるで自分が確実に勝てると言っているようなそんな勇気が感じられるんです。それでワサビさんは昔からこういう感じだったのかな...って思って。」

「そうか、なら少し昔の話でもしてやるか、それにアイツのことだ。悟飯のお父さんはよくしゃべるやつだけど自分から昔のことなんて言わないからあんまり昔のことは聞いたことないだろ?」

「そういえばそうですね。」

「そうだな、いつから話そうか...」

そうして俺は悟飯に少しずつ過去のことを思い返しながら話し始めた。




そうして1時間弱話したぐらいだったか、悟飯は俺の長話にあくび一つせず真剣に話を聞いてくれていた。
日が傾き、夕陽が差し込むころ、チチさんが声をかけてきた。

「お~い!もう修行は終わっただか?晩御飯できただよ~!!」

「分かりました!悟飯、家に戻るか。」

「はい!」

「今日は唐揚げにしただよ。うんと食ってけれ。」

「やった~!ありがとう!お母さん!」

俺は家に向かって走り出す悟飯を見て優しい笑みを浮かべていた。

「ワサビさんも早く来てください!!」

「ああ、今行く!」



そんな平和な一日が明け、俺が地球に戻ってきてから一週間がたとうとしていた。

まだ誰もが寝静まっている丑三つ時に俺は目を覚まし、寝室の窓から外に出た。
決して莫大な巨悪の気を感じたとかそういうのではない。
ただ、これから起こるであろう戦いに心を躍らせているだけであった。

「さて、行くとするか。」

長いようで短いような間を挟み、互いに成長したであろうこの時にあの時の戦いのケリをつけるために俺は荒野へと赴いた。

前日から異様な気を感じていた。まるで次元と別の次元を結びつけているような不気味な気を。

その気が大きく感じられる場所まで俺は空を飛び、やがてその場所へ降り立つ。

勘と言われればそれまでだが、俺はこの瞬間に奴が戻ってくると確信した。

だからこそ俺はその次元の綻びに問いかける。

「久しぶりじゃねぇか。どうだ?お前も少しは強くなれたのか?」、と。

次元の穴が急激に大きくなり、人ひとり通れるような穴ができると、紫色の魔法陣が展開し、グルグルと円を描き始めた。

その円が青色の粒子を放出し、目の前で光が大きくなっていく。

やがてそれは人の形となり、目の前にアイツが現れた。

「なっ....わざわざ待ってたのか。ご苦労なこった...。その様子だと随分とケリを付けたかったみてぇだな。」

「ったりめぇだろ。お前に勝つためにわざわざここに来てるんだからな。それともなんだ?お帰りとでも言われたかったのか?」

「オレがそういうガラじゃねぇことぐらいお前ならよくわかってっだろ?」

「ああ、そりゃそうだ。」

「とっとと始めようぜ。オレは今、不完全燃焼なんだ。俺を焚きつけてみやがれ。」

「上等だ。」

俺は荒野の岩山に飛び乗り、構える。

バーダックも同じことをして、岩山に飛び乗った。

「どうせ、お前もなれるようになったんだろ?超サイヤ人に...」

「ああ、まぁな。」

「なら話は早えぇ。今の俺達にはウォーミングアップなんざいらねぇよな?最初から全力で戦おうぜ?」

「後悔するなよ?」

俺は気を体の中心に溜めて、背中から爆発的に体全体へと気を行き渡らせる。
髪が金色に変わり碧眼へと目の色が変化した。
気のオーラは開放してはいない。このたった1週間でここまで超サイヤ人の力をコントロールできるようになったのはやはり師と親友のおかげだろう。

しかしバーダックは純粋なサイヤ人の才能だけでそれら全てをやってのけていた。
長期戦になればなるほど俺のアドバンテージが消えすぐにバーダックが上回るだろう。

——————————————————懐に潜り込んで一気に叩きこむ!!


俺は力を込め、地を蹴った。足場となっていた岩山は崩壊し、煙が立ちこむ。
全速力でバーダックの懐まで潜り込み、腹部に強烈な一撃を叩き込む。
更に蹴りを4発ほど連続で叩き込んだ後、足払いをし、バーダックの体を浮かせた。
トドメに掌底からの気合砲で岩壁に叩きつける。

まだ終わりではない。瞬間的に気を高め、筋肉を膨張させ、超サイヤ人第2形態のような姿になり、
そこから両手を広げ胸の前で両手の甲を重ねる。そこからさらに腰に腕を持っていき、叫ぶ。

「か....め....は.....め.......」

バーダックは未だに岩壁にできたクレーターの中にいる。

これをまともに食らえば動けるわけがない。それ程の自分でも恐ろしく感じるエネルギーが手に集まっていた。

それでもバーダックは動かない。本当にこれを食らえば最悪死ぬかもしれない。
そうなると俺はバーダックを殺してしまうことになるが、時間はいくらでもあったはずだ。それでも俺はここまで何一つ動かないバーダックに興味をそそられついにフルパワーのかめはめ波を放った。

「波ァァァァァァァァァァ!!!!!!」

地面で足を踏ん張らせてないと自分自身が反動で後方に吹き飛ばされそうになるほどの力がバーダックの捉え襲い掛かる。

それでもバーダック動じずにかめはめ波を見ていた。

「いきなり随分とやってくれるじゃねぇか...全く、ワクワクしてきやがるぜ....」

バーダックは右手に気弾を作ると手を開き巨大化させ俺のかめはめ波に投げつけ....

....完全に相殺した。

たったあれだけの動作でフルパワー以上のかめはめ波がいともたやすく相殺された。
その事実に俺は正直めまいがした。

「バケモノかよ....」

俺はその言葉しか出てこなかった。


「どうだ?俺の力は...。なかなかやるだろ?」

この一瞬で完全に相手の力量が見えた。戦闘力でいえば確実に一回り、いや二回りほど俺の上を言っているだろう。経験値もはっきり言って全然違う。初めて戦った時には気づけなかった戦闘力以外の差が、互いの力が上がったことでより顕著に表れているのだろう。

「どうした?動きが止まってるじゃねぇか。ビビッて動けなくなったか?」

「何言ってやがる...ここからどうやって勝ってやろうか考えていただけだ。」

「そうか、ならまだギアを上げていいってことだな?」

「何...!?」

バーダックはさっきのが本気ではなかったことを平気で言ってのけた。
こりゃ本当に死に物狂いで戦わねぇといけねぇかもな...

何がアドバンテージだ...舐めてかかっていたのは俺だったとはな...

バーダックが正面から突っ込んでくる。

一見単純に突っ込んでくるそのシンプルなモーションにはその先数手、数十手を見据えたような複雑に絡み合っていた。

(右手...左手...蹴りか...?考えろ時間はねぇ...)

バーダックが僅か数十センチにまで迫ったとき、俺は...その場から動けないでいた。

バーダックの蹴りが俺の腹に突き刺さり...そのまま貫いた。

「なっ...」

バーダックは一瞬戸惑った。超サイヤ人の体がこんなに脆いわけがないと思ったのだ。だがバーダックが蹴ったその物体は空中にチリとなって消えた。

「チッ...残像か...」

バーダックはつぶやいた瞬間、俺は上空から仕掛けた。

バーダックの頭上にカカト落としを食らわして、反動で飛び上がり、そのまま空中で宙返りをし、サマーソルトキックを腹部に叩き込む。そして衝撃で浮いた体に横なぎの蹴りをぶつけた。

バーダックの体は勢いよく岩場に叩きつけられた。

壁に叩きつけられているバーダックに追い打ちの気弾を放とうとしたとき、壁が蹴破られ、急速にこっちに近づく影が見えた。


相手は隙を与えずにこちらに近づき、超近接でラッシュを入れてくる。
これを俺は死に物狂いで受け流す。バギッ!!ドゴッ!!といった拳が重なる音とは思えない轟音が響き、火花を散らす。衝撃波を響かせる。拳の威力とは思えない切れ味の攻撃が、俺の身体に傷をつける。

「「だりゃりゃりゃりゃりゃ!!!!!!」」

ものすごい乱撃の中でバーダックは身の前から不意に消え背後から羽交い絞めをしてきた。

首を絞められたことで呼吸路が絶たれ、意識が朦朧とする。
俺はかすかなに残っている意識に集中し、全身の気を高め、束縛から逃れようとした。

しかしその瞬間バーダックは俺の反撃を予測したのか、地面へと投げつけた。
そのまま追いかけるようにして空を蹴り俺が地面と衝突する瞬間にタックルをかましてきた。

「ガハッ...」2つの衝撃が同時に加わったことで俺の骨は「ボキッ..」という痛々しい音を立て、いともたやすく砕けた。

さらにそこからバーダックが右手に気弾を溜めてやってきた。
これ以上の追撃は避けようと地面に両手を当ててばねの様に反動で飛び上がり両足で迎え撃とうとしたのだが、それすら読まれていたのか一瞬にして俺の横側に移動して、その右手にためていた気弾を横腹に叩き込まれた。
爆発音が荒野に響き、俺の体は岩山に一直線に向かっていった。

岩肌は戦いで疲れ切った俺の体に容赦なく棘をむき、体のあちらこちらが赤い血を流していた。

「さっきから防戦一方じゃねぇか。ちっとは歯向かってきてくれねぇとこっちは楽しめやしねぇぞ?」

バーダックはこちらを嘲笑した。

「確かにそうかもな。だがお陰で目が覚めたぜ...」

俺は道着についた砂を落とし立ち上がった。

「もう体力がねぇんだ。一気に蹴りつけさせてもらうぞ。」

「かかってこい。返り討ちにしてやるよ。」

俺はまず気弾を足元に放ち砂埃を巻き上げた。

狙い通り砂埃はバーダックの所まで行き届いた。
そうして俺は意識的に気を消す。そして賭けに出た。


ーsideバーダックー

ワサビは目の前で足元に気弾を放つと目くらましに煙を巻き上げ、気を消した。
わざわざ奇襲に付き合う暇はねぇからオレは地を蹴り煙を突き破り空へと逃げた。

そして気を探った瞬間、ワサビの気が見えた。だがその数はなぜか“2つ”になっていた。

俺が困惑して考えを巡らしていた時、ワサビが煙の中から飛び出してきた。
だが、その姿があまりにも隙がありすぎたのでついオレはさっきやられたこともあり、残像だと断定してしまい、目の前の奴に構わず周りの気を探ろうとした。

しかし、奴の体はオレのことを透けることはなく拳が顔面に突き刺さった。
ここで思考が崩壊してしまった。何がどうなってやがる...
とりあえずこの向かってきたやつを迎え撃つためにそいつに蹴りをいれようとした。
だがその時に急速に下から別の奴が飛び出してきてオレの事を蹴り上げた。
さらに二人が俺の頭上に移動しオーバーヘッドキックで地面へと蹴り落される。

そうして地面に落とされたオレが見たのはそっくりそのままで実態のあるワサビが二人に増えている異様な光景だった。

ーsideワサビー

「バーダック。形勢が逆転したようだな。」

「何がどうなってやがる...テメェ分身なんかできたのか...」

「まぁそうだな。かといって俺もなったのはこれが初めてだが、うまくいって良かったぜ。言っておくがこの分身はもともとの俺の力そのままで2つになってるから実質パワーは2倍だ。俺二人相手に勝つのはさすがのお前でも厳しいとは思うがな。降参するなら今のうちだぜ?」

「何言ってやがる...こんなに面白くしてきやがったのにここで降参なんかしたらサイヤ人の名が泣くぜ。」

「そうか、なら...一瞬で終わらせてやる!!」

今にかけてハッタリをかましまくったが、もう10分すら戦う気力は残ってない。折れたところだってアドレナリンが切れて痛みが出てきた。

俺は2人のアドバンテージを生かし、気弾と近接を同時にすることでバーダックの行動を制限し、こちらだけ攻撃を入れれるようにした。バーダックも動きづらいのか顔をしかめている。

バーダックが片方の俺をつかみ投げ飛ばそうとするともう一人の俺がバーダックの腕を掴み腹に蹴りを入れさらに自由になったもう一人が殴り飛ばす。さらに俺たちは空を蹴り稲妻のごとくバーダックに迫り二人でバーダックを強く蹴り飛ばした。

『ラストバトルといこうじゃねぇか。』
俺たちは二人で別々の技を作り始める。
一人の俺は亀仙流の奥義、今まで何度も助けられてきたドラゴンボールの顔、かめはめ波を。
一人の俺は、そのかめはめ波を使う奴の一番にして永遠のライバルの十八番、ギャリック砲を。
青白い光は太陽のようにこの星を照らし、紫の光は敵を捕らえ月のように冷酷に一点を照らす。

「か..め..は..め...」 「ギャリック...」

「ッ波ァァァァァァァーーーーー!!!」「砲!!!!!!!」

2つの大技が重なったことで生まれた極太のレーザーは荒れ狂う川の激流のようにバーダックに襲い掛かる。

それをバーダックは見て、瞳の奥に激しい炎を燃やすと頭に巻いたサイヤの誇りを強く握りしめ
その手で青白い気弾を作り上げた。そしてそれを気功波に向けて投げつける。

「くたばりやがれぇぇぇーーーーーーっ!!!」

バーダックの咆哮とともに気の出力は上昇し、俺たちのかめはめ波&ギャリック砲が押し返されていた。

俺は体にある気をすべて使い果たす勢いでさらに放った。

『だぁぁぁぁぁぁーーーーーーっ!!!!!!』

押されていた気功波は息を吹き返しバーダックの気弾を逆に押し返す。

だがバーダックは片腕を気弾にかざしながら、押されているはずなのに笑みを浮かべていた。

「もう一個くれてやる!!」

バーダックは宣言通り、先ほどと同等、はたまたそれ以上の大きさの気弾を作り投げつけた。

そしてそれを気弾と気功波が拮抗しているところに投げつけた。

気弾は気功波と衝突し、青い火花を散らす。

「ぐぎぎぎぎぎぎ.....!!!!」

一瞬にして現れたとてつもない圧力に俺は精一杯抵抗をした。
それでも流れる気の暴力には抗えず。いつしか気がそこをつき、“俺たち”が放つ気功波は紫一色になっていた。
もはや結末は容易に視える。力を失った光線を、気弾は容赦なく打ち砕き、俺の体を消滅させる。

身体は塵となり、俺の気は世界から消え去った。
バーダックは土煙の舞う地上からただ冷徹に空を眺めていた。


...不意に強風が吹き、バーダックは煙に覆われた。そして次の瞬間,風を切るような音が聞こえ、視界が開けたとき、目の前には先ほど塵となったはずの男が眼前にまで迫っていた。

「なっ...!?」

一体どうやって身を隠したのか、そんなことを聞く暇もなく、目の前の男は拳を握り固めた。
男の両眼は碧眼の奥に炎を燃やしており、睨みつけるその目はバーダックを一瞬ひるませた。



回想:(ピンチ、といわばピンチだった。まさか同じサイヤ人、そして超サイヤ人になったものでここまで差があるとは。気もかつかつで負けは明白だった。これが経験の差なのか、純粋なサイヤ人と作り物のサイヤ人の差なのか、はたまた心の奥底で無意識にブレーキをかけているのかは分からないが、それでも何か超えられない壁があるような気がした。
......それでも、この星に来て、サイヤ人として生きることを選んだのなら!!諦めるなんて見っともない真似はしたくねぇ。)

気を何度もぶっ放し、二身の拳の片方を消し飛ばされ、気は本当に空っぽで立つことさえおぼつく状態だったが、闘志だけは燃え上がっていた。

(俺の憧れを...子供の頃からの憧れを...今ここで...超えたいとそう思ったんだーーーっ!!!)

この戦いの中で、俺は一度も一つの技を使っていなかった。これを使えば隙を突き、使い方によっては戦況が一変するぐらいには強い。けれども、今の此処まで使っていなかったのはこの最後の最後の極限状態で集中の切れる瞬間を待っていたから...もうお互いボロボロだ。正攻法ではどうやっても勝つ未来は見えなかった。それでも...どんなに惨めでみすぼらしくても...俺は奴を超えたい!!奴に勝ちたい!!)

(卑怯とは言ってくれるなよ?戦いに秘境もクソも無いといったのはお前なんだから。)

そうして次の瞬間。俺は左手の指二本を額に当て、バーダックの気を探り、一瞬で目の前へと移動した。

バーダックの驚く顔を見るや否や、俺の闘志がさらに吹き上がった。
俺は右の拳に全力を載せて、下から上へと大きく振り上げる。

拳にはスパークがほとばしり、一瞬時が止まったような静けさを感じた。

「龍翔拳ーーーーーーーっ!!!!」

スパークをまとった拳はバーダックの顎に直撃し、骨を何本かもっていくほどの音がした。

拳が当たり、勝利を確信した時、急に横からの強い衝撃をくらい、脳が揺さぶられ、これまでの疲労も重なり、抵抗することもできずその場に倒れた。
意識は段々と黒に染まり、勝利の結末を見ることなく意識を手放した。










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目が覚めると、ベッドの上に寝転がっていた。身体を動かそうにも包帯と添え木がぐるぐるに何十二も重ねられているので動けず、首を何とか持ち上げ辺りを見ると、唯一動かせる左腕にナースコールのようなボタンがあったので押すと、ビー!ビー!といったうるさい機械音が鳴り、見知った女が出てきた。その女は手にコップと500mlのペットボトルをもってこちらにやってきていた。

「...よぉ!!」と俺が声を掛けると、そいつは呆れたような不機嫌そうな顔に鳴り、俺に近づくなり手に持っている500mlのペットボトルで俺の腹をぶん殴ってきた。

「いいっ⁉..がぁっ....」急に意味も分からず殴られ、折れた肋骨にも当たってしばらくもがき苦しむと、俺は怒りがこみあげてきて、「いってぇな!急に何しやがる!!」と怒鳴った。

「どうしたもこうしたもないわよ!!なんであなたたちはじっとしてられないの⁉まだフリーザを倒して1週間しかたってないのにどうしてそんな状態になるわけ⁉」

ブルマの怒った気迫に押されて俺は少し縮こまった。というか怒鳴ったときに腹筋を使ったことで骨が筋肉に刺さるような感じがしたので声を荒げないようにした。

「それは悪かったな...どうしてもバーダックと戦いたくなって...」

「悪かったって思うなら初めからしなければいいじゃない!!アンタ今やばい状況なのよ?」

そういうとブルマはいつの間にかとったレントゲンの写真を見せてケガの内容を言ってきた。

「いい、まずアンタは体中の骨がバカみたいな量、折れてんの。ゴソゴソしたら死ぬわよ?後は...
左のあごの骨の骨折と...あと背骨の骨が筋肉に突き刺さってるわね。内臓とか心臓とかだとアンタ死んでたわよ?」

「そりゃすげぇな...フリーザの時以上に折れてやがる。」(だったらなんで俺を殴ったんだ?)

「感心してる場合じゃないわよ!!アンタ馬鹿じゃないの?ほんっとサイヤ人てやばいやつしかいないのかしら?」

「おいおい...俺はまともな方だろ?」

「いやいや、あんたもたいがいよ。」

「(´・ω・`)」

「まぁでもよかったわね、あんたと戦った後でバーダックがここまで運んでくれたから死なずに済んだのよ。」

「...ああ、そうか。」

その事実は間接的に俺が負けたことを意味して俺は結構落ち込んだ。あれ程までして戦ったのに負けるとは、俺もまだまだ修業が足らないのだろう。

「取り合えず、この水を飲んで。」

俺はブルマに言われたようにコップに入れられた水を飲みほした。

「どう?なんか変化ある?」

「どうって言われても...まぁ喉が渇いていたから結構ありがたかったが。」

「感想を聞いてんじゃなくて体調を聞いてるのよ!水が飲めないのに貴重な仙豆を食べさせて食べれなかったらもったいないでしょ?」

俺はなるほどなと思いながら「大丈夫だ。何の問題もない。」と答えた。

そういうとブルマは黄色い布の袋から豆を一粒取り出し、俺に渡した。そいつを俺が食べるとたちまちケガやらなんやらが治り気も元通りに、またそれ以上になった。

「ほんっと凄い豆よね~今度研究でもしてみようかしら。」

「いいんじゃねぇか?一年に一回取れるのが品種改良でもして一か月に一階に鳴ったら俺たちも安心して戦えるしな。」

「アンタって孫君とは違ってこういうのは知ってるわよね、サイヤ人って戦闘バカとだけ思っていたわ。仙豆の研究は時間があるときに進めておくわ。」

「ああ、助かった。また今度にでも菓子かなんか買ってくるぜ。」

「あら、気が利くじゃない。それじゃあゴデェバのチョコでも頼んじゃおうかしら?」

「ハイハイ、買ってきてやるよ。」

「それじゃあ頼んだわよ。あ、そうそう、朝早くから悟飯君に頼んで仙豆を持ってきてもらったからあとでお礼言っときなさいよ。」

「そうだったのか、わかったぜ。で、なんで悟飯はここに残ってなかったんだ?」

悟飯の性格なら俺の目が覚めるまでここにいそうな気がしたんだが、そうではなかったらしい。
...いや、自信過剰とかじゃないぞ?

「悟飯君ならお昼前にチチさんが『悟飯ちゃんはまだ勉強終わってねぇだべさ!もうワサビさんも大丈夫そうだから先に家に帰っておくべ!』って言って連れて帰ったわよ。あと孫君のお父さんも仙豆を食べたらすぐにどっかに行っちゃったわ。」

「どうか、教えてくれてサンキューな。それじゃまた今度。」

「ハイハーイ~!!チョコ忘れないでよね~!」

そうして俺はカプセルコーポレーションを去った。 
 

 
後書き
一瞬ワサビの無印時代の話を詳しく書こうと思ったのですが、文才が無く挫折したので泣く泣くやめました(´;ω;`)ブワッ
いつか...話すことができたらば....

※ワサビとバーダックについて
 このオリキャラ、ワサビと原作未介入のバーダックは悟空とベジータのようなライバル関係にしたいなぁ~って思っておりまして、単に私がバーダックを好きだっていうのもあるんですけど、主人公のあこがれであり、行動はなんかちょっと似ているんですけど、サイヤ人としての本質は違うような...みたいな感じでね...文章化が難しいんですけど(笑)

(ちょいと脱線)
この作品自体今までやったことのないことの挑戦だったので、文章のつながりがぶっ飛んでて、読み手の方に伝わりにくいと思うのですが、応援してくれる方も、暇つぶしとしてみてくれる方も、温かい目で見ていただけると幸いです。この小説が終わるころにはもう少しましな文が書けるように頑張りますので。

※二身の拳
 これは天津飯の技のパクリです四身の拳もできますが、あの場面では4人にまでなると流石に戦闘力のハッタリ(作中でワサビが2倍といったが、そんなことはなく本当は2分の1になっている。)
も見破られそうなのでこういたしました。それと後述の必殺技にもこの2人に分身というのが肝となっております。

※かめはめ波&ギャリック砲
 完全に新ブロリーオマージュです。書きたくなったので話に入れ込みました。
映画の方ではかめはめ波は青ですが、ギャリック砲が黄色に描かれておりました。ですがギャリック砲は紫のイメージが強いですし、まだZなので紫に致しました。
ちなみに強さはこれ一つでフリーザ最終形態が吹き飛ぶぐらいのものを想定しております。

戦闘力“比”

今回から戦闘力を比で表したいと思います。フリーザ編を超えてから、戦闘力の知識に自信がないので、比で簡単に表します。いつか兆とか京とか行くのに計算できるわけないやろ!!

フリーザ最終形態を1とすると、
ワサビ超サイヤ人:約3 第二段階:3.5 バーダック超サイヤ人:5以上 (ギアが上がるごとにさらに上昇するのをイメージしております) 悟空:2~2.5  
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