ヘタリア大帝国
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TURN51 降伏その三
「力になってくれるからな」
「我が軍は少しでも人材が必要です」
インド洋まで完全掌握しかなりの国力と人材を手に入れているがそれでもなのだ。
「ですから」
「俺達も必要なんだな」
「宜しくお願いします」
「こっちこそな。しかし俺が枢軸に入るとな」
どうなるかと。フランスは今度はこんなことを言った。
「イギリスの奴がまた怒るな」
「イギリスさんですか」
「あいつそっちに負けまくってもう無茶苦茶だからな」
それだけ危機に陥っているというのだ。
「もう殖民地はアフリカのところしかないからな」
「インドも独立しましたし」
「まして独立は連合のメンバーも承認したからな」
こうした意味でイギリスは身内にも裏切られている。まさに四面楚歌だ。
「こっちに攻め入ることもできない」
「こうした意味でも独立してもらったことはいいことですね」
「国防の意味でも最高の手だな」
「はい、そうですね」
「あの長官のアイディアらしいが頭がいいな」
そうした意味でも最高の一手だった。政治である。
「お陰でイギリスは領土を取られたら取られっぱなしだよ」
「そうなっていますね」
「まあガメリカや中帝国は違うがな」
彼等は彼等の考えがあり事情があるからだ。
「わかるよな。ハワイでの決戦に若し敗れたら」
「はい、一斉に反撃に来ますね」
「中国は重慶から大軍で領土を奪還しに来るぜ」
「北京、いえ満州までですね」
「そう来るしアメリカもミクロネシアからそっちの本土を攻めてくるからな」
「ハワイで敗れると一気にですね」
そうなることは火を見るより明らかだった。
「日本帝国は降伏に追いやられます」
「確実に来るからな」
「そして我が国は」
「滅ぼされはしないさ。国力もそんなに削がれはしないだろうな」
ガメリカと中帝国の領土を返還させられて終わりだというのだ。もっとも日本も両国と講和すればそうするつもりだからこのことは特に痛くはなかった。
だが、なのだ。日本とフランスはそれからのことを危惧しているのだ。若し日本が敗れた場合はどうなるかということを。
「その残った国力でな」
「ソビエトとの戦いですね」
「殆ど一国でソビエトとの全面戦争だよ」
つまり日本は敗北したならばガメリカと中帝国にソビエトへの鉄砲玉にされるというのである。
「そうなるからな」
「そうですね。間違いなく」
「そうなったら洒落にならないからな」
ソビエトもかなり強い、その国との日本のみでの全面戦争なぞ今の戦争以上に危険で途方もないことだからだ。
「だからな」
「はい、何としても」
「これまでは俺も連合だったからな」
だからだと言うフランスだった。今度は。
「こうした助言もできなかったけれどな」
「しかしですか」
「今は違うからな」
枢軸になった今ではだというのだ。
「一緒に戦えるさ」
「では宜しくお願いします」
「こっちこそな。それでは」
フランスはさらに言う。
「一緒に戦えるからな」
「戦力としてもですね」
「降伏の時も言ったけれど俺はドイツとは戦えないさ」
これは感情的な問題だった。やはり自分を破った相手とは素直に共に戦うことはできないというのである。
「けれど御前やイタリア君は別だよ」
「イタリア君もですか」
「直接戦ってないからな。いや、イタリアはな」
彼はどうかとフランスは微笑んで言った。
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