ヘタリア大帝国
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TURN51 降伏その二
「ではお姉様達も」
「はい、軟禁状態にはなっていますが」
「それでもですね」
「オフランスの別邸の一つで過ごされています」
「そうですか」
「ただ。マダガスカルがこうして解放されオフランスは完全に枢軸側になりましたので」
「それで、ですね」
どうなるか。シャルロットは山下に応えていく。
「私は国家元首ではなくなりますね」
「おそらくルイ七十九世陛下が王に戻られます」
「私は摂政から降りそのうえで」
「王女に戻られるかと」
「そうなりますね」
「全ては降伏文書にサインされてからですが」
「それでは」
シャルロットもそのことを聞いて納得した。しかしそれで終わらず。
声だけを踏み出してそのうえでこう言うのだった。
「私もこれからは」
「これからは?」
「枢軸側の人間として共に戦うことになりますね」
「それは殿下のお考え次第になります」
山下は止めなかった。決断を彼女自身に委ねた。
「どうされるかはです」
「そうですね。それでは」
「はい、祖国に戻られるのも戦われるのもご自身でお決め下さい」
「そうさせてもらいます」
穏やかな容姿に強いものを宿らせての言葉だった。しかしとりあえずはだった。
降伏文書へのサインが先だった。それはあっさりと行なわれオフランス王国は完全に枢軸側になった。そうしてだった。
そのサインが行なわれた後でフランスはやれやれといった顔で日本に対してこう言うのだった。場所はマダガスカルの仮王宮の一室だ。窓からは奇麗な青い海が見える。
その海を見ながらこう日本に言う。
「まあなあ。今回はな」
「今回はといいますと」
「俺ずっとやられっぱなしだからな」
このことをそのやれやれといった顔で言うのである。
「何ていうかな」
「だからですか」
「いいところないな。けれどな」
「けれど?」
「これからはちょっとはましに戦うか」
こう言うのだった。
「少しはな」
「期待しています。何しろ次はです」
「これからすぐにハワイに向かってだよな」
「ガメリカとの全面戦争です」
「俺に妹にセーシェルに」
「シャルロットさんもですね」
「普通に戦艦二個部隊に駆逐艦部隊二個運営できるまでに教えておいたからな」
軍人としての指揮をだというのだ。
「あと補佐もつくから安心してくれ」
「補佐?」
「ビルメっていうマダガスカルの現地民の指導者だよ」
その彼女が加わるというのだ。
「何でも姫さんだけじゃ頼りないって言ってな」
「それで、ですか」
「オフランス人と現地民って元々仲が悪いんだよ」
「支配する側とされる側として」
「植民地だったのは事実だからな」
これはセーシェルも同じだ。しかし太平洋軍の勝利によりマダガスカルもセーシェルも独立を果たしたのである。
「これまでは結構な」
「対立がありましたか」
「姫さんは別だったんだよ」
そのシャルロットの話になる。
「元々のんびりしてて偏見のない性格でな」
「よい方なのですね」
「いい娘だよ、それもかなりな」
フランスはシャルロットのことをについては微笑んでこう述べた。話をしながらテーブルの上に置いているコーヒーを手に取って飲む。
それが終わってまた言うのだった。
「現地民にも普通に接していてな」
「それでそのビルメさんもですか」
「嫌いじゃないし憎めないって言ってな」
「それで、ですね」
「手伝ってくれるってな。俺としても有り難いよ」
「それではシャルロットさんも」
「ああ、宜しく頼むな」
フランスは彼からもシャルロットのことを頼んだ。
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