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神々の塔

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第三十九話 象の神その一

                第三十九話  象の神
 一行は今も迷宮の中を進んでいた、今回はオーソドックスと言える迷宮だがその中を進んでいてだった。
 アレンカールは先頭に立ってだ、こんなことを言った。
「いや、この階も罠が多いし」
「敵も多いな」
「それもかなりな」
「そうよね」
 羅と施に応えた。
「大体半分位進んだけれど」
「もうそれがや」
 羅はわかっているという顔で述べた。
「この塔や」
「何万階もあってね」
「一階一階が複雑でな」
「敵も多くてね」
「罠も多いわ」
「そうよね」
「何万階もあるから一階一階はシンプルか」
 それはというと。
「全く違ってな」
「どの階もしっかりダンジョンになってるわね」
「そや」
「何万階あるだけでも無茶苦茶なんや」
 施はそれでと言った。
「それやったらな」
「一階一階はね」
「簡潔でええやろ」
「そう思うわよね」
「それがや」
 どうかというのだった。
「この塔はな」
「全く違ってね」
「ほんま一階一階な」
 まさにというのだ。
「充実してるわ」
「充実してなくてもええのにね」
「そうなってるわ」
 まさにというのだ。
「厄介なことにな」
「ほんま厄介よね」
「またあったで」
 メルヴィルはここでこう言った、そして足元を見るとだった。
 落とし穴があった、彼はその穴を見下ろしつつ言った。
「もう術で浮かぶのは常識やな」
「この塔ではね」
「さもないとや」
「落とし穴にも落ちるわ」
「そうなるわ、もっとも他にもな」
 今度は自分の右横の壁の一部が開いた、そしてそこからだった。
 矢が飛んで来た、メルヴィルはそれをかわして話した。
「こうしてや」
「他の罠があるのよね」
「ほんま罠もな」
「充実してるわね」
「見事な迷宮や」
「こんな階が何万階もやから」
「難儀な場所や」
 非常にというのだった。
「ほんまな」
「ありとあらゆる罠があるわ」
 トウェインも言って来た。
「この塔には」
「ほまそうよね」
「ああ、そやけど自分はわかるやろ」
「罠のことが」
「芥川程やなくてもな」 
 忍者であり罠の発見や解除も専門である彼と比べて言うのだった。
「それでもな」
「いやいや、芥川ちゃんと比べたらね」
「全くか」
「あたいはね」
「そうなんか」
「あたいは大したことはないわ」 
 罠のことはというのだ。 
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