ハッピークローバー

「本当にな」
「それは義務よね」
「そうだろ、昔は原作では終わらなくて」
　それでというのだ。
「アニメとかで終わることもな」
「あったの」
「小説とかゲームでもな」
「そうなのね」
「原作の漫画や小説で終わらなくて」
　この辺りは諸般その作品それぞれの事情がある。
「それでな」
「そのうえでなの」
「他でな」
「終わることもあったのね」
「今もあるかもな」
「昔だけじゃなくて」
「そうかもな」
　こう言うのだった。
「そこで終わらなくてもな」
「他で終わったらいいのね」
「そうした考えでな」
「まあそれでも終わったらね」
　それならとだ、留奈も少し頷いて言った。
「いいわね」
「そうだよな」
「終わってくれたら」
「それがベストだな」
「何よりもね」
「それでだよ、まあアニメ化されて原作と違う結末でな」
　そうなる場合もあるのだ。
「炎上なんてもな」
「あるわね、それも」
「その場合もな」　
　これもまたというのだ。
「あるけれどな」
「終わるなら」
「やっぱりいいよ、どんな終わり方でもな」
「終わるとなのね」
「いいんだよ、終わりよければ全てよしでもな」
　いい結末こそ最高だがというのだ。
「けれどな」
「終わること自体が大事ね」
「本当に無茶苦茶な終わり方でもな」
　ハルマゲドンの様なというのだ。
「けれどな」
「終わればよしね」
「まずはな」
「それだけ終わらせるのが難しくて」
「それでな」
　そのうえでというのだ。
「終わらせられない人もな」
「いるのね」
「けれど終わるだけな」
「いいのね」
「終わらないってのがな」
　これがというのだ。
「本当にだよ」
「終わらない作品が一番駄目ね」
「そう思うよ、心からな」
「そうね、終わればね」
「よかったって思うだろ」
「それがどんな終わり方でもね」
「そうだろ、ただな」
　ここで兄はこうも言った。
「人間だって同じだからな」
「人生も？」
「絶対終わるだろ」
「死んでね」
「不死身なんてことはな」
「ないのね
「そう言われてるだろ」
　妹に真剣な顔で話した。
「そうだろ」
「仙人さんはいても」
「あとうちの大学のな」　
　八条大学のというのだ。
「悪魔博士な」
「あの人江戸時代から生きてるって本当？」
「そうじゃないのか？信じられないけれどな」
「うちの学園出来てからずっとおられるのね」
「けれどあの人も言ってるらしいぞ」
　この人もというのだ。