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星河の覇皇

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第八十五部第一章 国防省への忠告その四十七

「中央政府の国益を求めていくわよ」
「そうしていきますね」
「各国政府と対するにあたっても」
「その場合もですね」
「そうしていくわ、ではね」
 カバリエはあらためて言った。
「これからだけれど」
「はい、日本についてはですね」
「特に対応を進めていく」
「警戒していきますね」
「ええ、九尾の狐には九尾の猫を向けただけに」
 それだけにというのだ。
「壮絶なバトルが展開されるわよ」
「妖力と妖力のですね」
「つまり知恵と知恵、謀略と謀略の勝負ですね」
「そのバトルが行われますね」
「魔術師か道士が陰陽師か」
 カバリエはスタッフ達の言葉に乗って笑って述べた。
「そうした対決ね」
「日本なら陰陽師ですね」
「そちらですね」
「そちらになりますね」
「そうね、陰陽師といえば安倍晴明だけれど」
 この時代でも語り継がれている伝説の陰陽師である、尚実在人物であり歴史に名前が残っている程である。
「彼は狐が母親という説があるわね」
「本当かどうかわかりませんが」
「そうしたお話もありますね」
「安倍晴明については」
「ええ、丁度狐だし」
 伊東が狐と呼ばれていることからの言葉だ。
「それなら尚更ね」
「丁度いいですですね」
「狐が相手なら」
「それならばですね」
「相応しいわ、猫は一見弱いけれど」
 狐に比べてだ、これは双方の体格を見ての言葉だ。
「妖力を持てば負けないわ」
「狐に対しても」
「そうなりますね」
「猫又にもなれば」
「その時は」
「そうなるわ、しかも尻尾が九本ともなれば」
 そこまで至ればというと。
「もうね」
「九尾の狐にも負けないですね」
「その時は」
「ならばですね」
「壮絶な戦いが繰り広げられますね」
「日本においてね、ボルジア家やメディチ家は」
 どちらもルネサンス時代の家だ、策謀で知られた家である。
「まだ甘いわ」
「連合の策謀に比べれば」
「まだまだですね」
「連合の丁々発止のやり取りに比べれば」
「たかが知れていますね」
「そうよ、連合の謀略は常だから」
 それだけにというのだ。
「もうね」
「そうした家なぞまだまだですね」
「そう言えますね」
「その様に」
「そうよ、その謀略の中でもね」
 カバリエはさらに言った。
「最高峰、当代きってのね」
「謀略船がはじまる」
「そうなりますね」
「では我々としてはですね」
「大使を助けていきますね」
「何かあればね、ただ彼女なら」
 カバリエは笑う、その笑いには期待と信頼があった。
「やってくれるわ」
「左様ですか」
「我々の助けがなくても」
「それでもですか」
「ある程度以上にね、互角か」
 若しくはというのだ。 
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