八条学園騒動記
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第七百十九話 国鳥その八
「食べる」
「そうなのですね」
「そして駝鳥は家畜化してだ」
「食べていますか」
「そしてその味がな」
「実にいいのですね」
「そうだ、ただどうもだ」
大尉はやや微妙な感じになって話した。
「ちょっとしたことで味が落ちたらしい」
「そうなのですか」
「品種改良するまではな」
家畜の駝鳥を奏するまではというのだ。
「少し暴れると血が肉に入りな」
「毛細血管が破れてでしょうか」
「そうらしい、それでだ」
その為にというのだ。
「味がだ」
「落ちたのですか」
「ちょっとしたことでな」
「そうだったのですか」
「今はそれもないが」
品種改良の結果としてというのだ。
「かつてはな」
「そうだったのですね」
「そしてだ」
大尉はさらに話した。
「駝鳥料理はかなりだ」
「多いですか」
「焼いて煮て揚げてな」
「カツレツや唐揚げですね」
「そうしたものにもしてな」
「食べていますか」
「そして卵もな」
こちらもというのだ。
「食べる」
「ではです」
上等兵は真顔で述べた。
「一度オムレツでもです」
「食べたいか」
「はい」
こう大尉に言った。
「私はオムレツが好きなので」
「私もだ」
大尉は自分もと答えた。
「オムレツはな」
「お好きですね」
「かなりな、だからな」
「駝鳥のオムレツもですか」
「食べよう」
こう言うのだった。
「そうしよう」
「わかりました、スーパーで売っていますし」
「レストランや食堂でもあるな」
「そうですね」
「居酒屋に行ってもな」
連合のそうした店にというのだ。
「あるしな」
「居酒屋ですか」
「連合の居酒屋は色々なメニューがあるな」
「連合各国の」
「おおむねその国の料理が多いが」
その店のある国である。
「その中に卵料理もあってな」
「ダチョウの卵も使われていますね」
「店によってな」
「それで、ですね」
「そうした店に行ってもだ」
それでもというのだ。
「普通にだ」
「駝鳥のオムレツは食べられますね」
「他の料理もある」
駝鳥の卵を使ったものはというのだ。
「中には卵焼きもな」
「ありますね」
「あれは日本の料理だがな」
「そちらにも使われていますね」
「そちらもいいな」
卵焼きもとだ、大尉は上等兵に顔を向けて話した。
「美味しいな」
「はい、確かに私はオムレツが大好物ですが」
それでもとだ、上等兵も答えた。
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