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第九十八話 何でも読めることその一

                第九十八話  何でも読めること
 留奈はこの時家のリビングで漫画を読んでいた、兄はその彼女を見て聞いて来た。
「何読んでるんだよ」
「ハンター何とかだけれど」
 この作品だとだ、留奈は兄に答えた。
「ちょっと今読み返してるのよ」
「読み返してもな」 
 それでもとだ、兄は作品名を聞いてこう返した。
「終わらないな、本当に」
「描かないからね、作者さんが」
 留奈もそれはと答えた。
「本当に」
「週刊連載止めたな」
「いや、前からね」
「週刊連載じゃないな」
「そうでしょ」
「その作者さんはな」
「私が死ぬまで終わるかしら」
 留奈はこうも言った。
「果たして」
「いや、作者さんがな」
 兄はテーブルの自分の席に着いてソファーにいる妹に話した。
「果たしてな」
「死ぬまでによね」
「完結させてくれるか」
「それがな」
 そもそもという口調で言うのだった。
「もうな」
「疑問よね」
「そうだろ」
 こう妹に言うのだった。
「その人は」
「そうね」
 留奈も否定しなかった。
「最早ね」
「もう三十五巻以上いっててもな」
「作品続きそうだし」
「それで描かないんだからな」
 そうした状況ならというのだ。
「もうな」
「果たして終わるか」
「俺も断言出来ないな」
「厄介なことね」
「早く終わらして欲しいな」
 兄はこの言葉を心から出した。
「本当にな」
「そうよね」
「けれどな」
 それでもというのだ。
「その漫画結構残酷なシーンもあるだろ」
「それがどうかしたの?」
「そういうの厳しい国多いだろ」
「ああ、残酷だってことで」
「規制してる国がな」
「多いわね」
「ちょっとしたことでな」
 兄はさらに言った。
「子供が悪影響受けるとか倫理とかな」
「宗教も絡んで」
「エロい描写だってな」
 こちらもというのだ。
「ちょっとしたことでな」
「規制ね」
「そうなる国がな」
 それこそというのだ。
「多いからな」
「この漫画も」
「下手したらな」
「読めなかったりするのね」
「読めても黒い線入ったりな」
 そうしたというのだ。 
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