星河の覇皇
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第八十五部第一章 国防省への忠告その三十六
「しかしだ」
「それでもですね」
「千年の間に両国はその形態を大きく変えた」
千年前と比べてそして千年の間にだ。
「そうなってだ」
「全く別の国ですね」
「連合のどの国もだ」
「そしてエウロパの国も」
「それぞれだ」
まさにというのだ。
「変わっている」
「この千年の間に」
「国名は同じで民主主義だが」
この国家システムは続いていてもというのだ。
「その民主主義の形態もな」
「千年の間に変わっていますね」
「随分とな」
そうなってきたというのだ。
「技術の違いもあってな」
「国名は同じでも」
「千年の間に全く別の国家になっている」
「連合もエウロパも」
「どの国もだ」
まさにというのだ。
「だからな」
「それで、ですね」
「これから千年後連合もエウロパもだ」
「どうなっているかはわからないですね」
「まさに神のみぞ知るだ」
千年先の未来はというのだ。
「極論すれば明日のことすらわからないしな」
「それで、ですね」
「もうだ」
それこそというのだ。
「それだけ先のことはわからないが」
「それでもですね」
「あえて言う」
「その千年先も見据えてですね」
「国家は休んではならない」
「発展を続けるべきですね」
「エウロパが発展し連合を超えようと見据えているならだ」
その遥かな先にというのだ。
「我々連合はだ」
「そのエウロパ以上に発展する」
「その様にすることだ」
まさにというのだ。
「大事なことはな」
「それが最大の国防ですね」
「そしてエウロパに超えられないことだ」
「発展こそが」
「そしてだ」
キロモトはさらに言った。
「発展してだ」
「そのうえで、ですね」
「ギルフォード総統の野心もだ」
「果たさせないですね」
「あの総統は自分の任期や人生だけを見ているか」
「違いますね」
「そうだ、そのだ」
「遥か先をですね」
「今言った通り千年先をな」
それをというのだ。
「見てだ」
「動いていますね」
「そうだ、だからな」
それ故にというのだ。
「連合を超えようともだ」
「既に思っていますね」
「そうだ」
「そのうえで国家戦略を立てている」
「恐ろしい人物だ、まさに傑物だ」
ギルフォードをこう評もした、かなりの傑物だというのだ。
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