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X ーthe another storyー

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第三十七話 退院その三

「絶対にな」
「そうなるかな」
「そうだ、何があっても俺がだ」
 神威は今度は強い顔と声になっていた、その二つで以て言うのだった。
「死なせない、そしてだ」
「生きてだね」
「戦いを終えるんだ」
「僕達が勝って」
「そうなるからな」
 だからだというのだ。
「昴流さんも死なないでだ」
「目も治るんだね」
「移植を受けてな、だが」
 神威はここでこうも言った、皆飲んで食べている。その中でのやり取りだ。
「また急に決まったな」
「移植のことがだね」
「何でもかなり待つそうだが」
「そう、こうしたことってね」
 小鳥も言ってきた。
「臓器移植もだけれど」
「順番待ちでだな」
「身体の適性もあって」
「待つことが多いな」
「そうなの」
 こう神威に話した。
「私昔心臓が弱くて」
「そうした話も聞いたか」
「移植とはならなかったけれど」
 それでもというのだ。
「そうしたお話も聞いてたの」
「小鳥もだな」
「そしてね」
 そのうえでというのだ。
「私も知ってるから」
「今言えるな」
「そうなの」
 こう神威に話した。
「私もね」
「そういうことだな」
「そしてね」
 小鳥はさらに話した。
「本当に昴流さんのケースはね」
「運がいいか」
「どうもね」
 神威に考える顔になってやや俯き右手を自分の顎にやって話した。
「誰かがね」
「提供してくれたのか」
「そうかも知れないって思うわ」
「そうなのか」
「だとしたら誰やろな」
 空汰は小鳥の話を聞いて考える顔になって言った。
「角膜、目なんか提供してくれる人なんてな」
「そうはいないわね」
「ああ、めっちゃ大事なもんやさかいな」
 嵐にも顔を向けて答えた。
「そやからな」
「片方だけでも」
「そうはな」
 それはというのだ。
「ないわ」
「そうね」 
 嵐もそれはと頷いた。
「かなりいい人なのかしら」
「片目でもええって位な」
「片目でも辛いわよ」
 火煉はこう言った。
「暮らすには」
「そうですよね、ものもらいなんかになったら」
 護刃はそうなると、と応えた。
「子供の頃クラスメイトがなってましたけれど」
「大変だったわね」
「何かと勝手が違っていまして」
 普段の生活とはというのだ。 
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