ハッピークローバー
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第九十七話 食べられる幸せその二
「酷かったよね」
「あれよね、ホロドモール」
「そう、あれでもね」
「食べものがなくなったのよね」
「というかね」
「食べもの取られてたのよね」
「ポリシェヴィキ共にね」
実に忌々し気にこう言った。
「根こそぎね」
「それで食べるものなかったのよね」
「もうそんな状況だと」
それこそというのだ。
「地獄よ」
「ホロドロームの時も戦争の時も」
「終わってもね、私もその頃実際に経験してないけれど」
それでもというのだ。
「聞いてるからね」
「地獄だったって」
「そう、まさにね」
文字通りのというのだ。
「あちこちに飢え死にした人が転がっていた」
「本当に地獄だったのね」
「その地獄を思えばね」
「食べられるってことは天国ね」
「好きなだけね」
「こうした甘いものも」
「そうよ、それでね」
ウクライナの娘はさらに言った。
「パンやジャガイモすらなかったら」
「絶望するわね」
「もう食べられるものなら」
それならというのだ。
「手あたり次第によ」
「食べる状況になるわね」
「そうよ、そう思うとね」
「今の私達は天国ね」
「お腹一杯何時でもね」
「食べられたら」
「それだけでよ」
こう富美子に言うのだった。
「天国でね」
「幸せね」
「そう思うわ」
「それ言うと実感あるわね」
「そうでしょ、というか日本って平和でも」
今度は自分達が今いる国の話をした。
「災害多いから」
「すぐね」
「食べものがどうかってお話になるわね」
「地震も怖いけれど」
富美子は顔を曇らせて話した。
「他にもね」
「災害多いわよね」
「日本はね」
「歴史にも出るしね」
「何度もね、この神戸もそうしたことあったし」
阪神大震災があったというのだ。
「大阪だって台風来たし」
「伊勢湾台風?」
「室戸台風とかね」
「そうした台風が来て」
「大変なことになったし」
伊勢湾台風はかなりの強さであった、その為被った被害も他の台風とは比較にならないものだったのだ。
「落雷もあるしね」
「落雷も多いわよね、日本って」
「これがね、何でも大阪城の天主閣も」
大阪の象徴の一つであるこれもというのだ。
「二代目はそれでね」
「壊れたの」
「昔は結構あったらしいのよ」
「落雷で建物が壊れることが」
「昔は避雷針なんてなかったから」
その為にというのだ。
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