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夢幻水滸伝

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第三百十六話 ケンタッキーの牧童その五

「そこから州の統一もされてはどうでしょうか」
「そうですね、ほなです」
 市長の話をここまで聞いてだ、ギンズバーグは確かな顔で頷いてそのうえで市長に対して述べたのだった。
「そうさせてもらいます」
「そうしてくれますか」
「これより」
「ではですね」
「レキシントンに入りますので」
「そうしてくれますか」
「ですから」
 それでというのだ。
「この辺りの人達にそのことをお伝えして」
「そうしてですね」
「レキシントンに入ります」
「そうですか、お別れの挨拶ですか」
「この場所を離れることになるので」
 レキシントンに入ればというのだ。
「そうですさかい」
「それではですね」
「今から挨拶をしてきます」
 こう言ってだった。
 ギンズバーグは家を提供してくれた老人そしてこの辺りの主な者達に対して別れの挨拶をした。するとお別れの宴が開かれたが。
 ここでだ、老人達は悲しい顔で言った。
「この場を離れられることは悲しいですが」
「ですがこの辺りも引き続き統治されるので」
「ただ住む場所が変わるだけですね」
「ギンズバーグ様はわし等と共にありますね」
「はい、確かに会える機会は減りますが」
 それでもとだ、ギンズバーグも答えた。宴の場にはフライドチキンはハンバーガーそれにバーボン等がある。
「しかしです」
「それでもですね」
「私達と共にありますね」
「これからも」
「そうしていきます、ですから」
 それでというのだ。
「何かあったらです」
「レキシントンで、ですね」
「そこでお会いしてですね」
「お話すればいいですね」
「僕の方から行くことも出来ます」
 こちらもというのだ。
「しっかりと」
「そうですか」
「移動の術を使われて」
「そうしてですね」
「来てくれますね」
「そうします」
 まさにというのだ。
「ですからその時はお願いします」
「わかりました」
「ではその時もお願いします」
「これからも頑張って下さい」
「勢力の棟梁として」
「そうします」 
 フライドチキンを食べつつ言うのだった、そしてだった。
 ギンズバーグは宴の後でレキシントンに入りそこに家も用意してもらって棟梁として統治をはじめた、すると。
「旗揚げをしましたら」
「はい、勢力周辺の街や村がですね」
「すぐにこぞって降ってきましたね」
「そうなってきましたね」
「それであっという間にです」
 そう言っていい状況でというのだ。
「勢力がです」
「拡大されまして」
「ケンタッキー州の半分ですね」
「それに至ろうとしていますね」
「今や」
「そうです、驚いています」
 ギンズバーグは心から言った。 
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