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夢幻水滸伝

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第三百十六話 ケンタッキーの牧童その一

               第三百十六話  ケンタッキーの牧童
 マイケル=ギンズバーグはこの世界に来てすぐに声からこの世界のこととこの世界における自分のことを聞いた。
 それですぐにそれならとなったが今彼は目の前に牧場の入り口があり丁度そこに馬に乗ったダークエルフの老人カウボーイの服を着た彼がいることに気付いた。
 老人の方からだ、彼に気付いて言って来た。
「あんた何者だ!?」
「何者って言われても」
「いきなり出て来てな」
 ダークエルフの切れ長の目を見て言うのだった。
「それでそのレベルとステータスってな」
「いや、実はね」
 ギンズバーグは隠すのもどうかと思いこの世界の自分のことをありのまま話した、すると老人はさらに驚いた。
「何てことだ、星の方でしたか」
「そうみたいです」
「いや、それならです」 
 老人はさらに言った。
「実はわしはこの牧場のオーナーなんですが」
「そうなんですか」
「はい、それで」
 さらに言うのだった。
「今牧場は危険な状況に陥っていまして」
「ひょっとしてアウトローな連中が狙ってるとか」
「そうです、うちの牛や馬達だけでなく」
 見れば牧場の中にはかなりの数の牛達がいる、それぞれ寝そべったり草を食べたりして過ごしている。
「財産に家族まで、です」
「狙ってますか」
「女房に娘や息子の嫁、孫娘に孫の嫁まで」
「どんだけですか」
 ギンズバーグは老人の言葉に思わず突っ込みを入れた。
「奥さんだけやないですか」
「この牧場は身内で寄り添ってやってるんですが」
 だが老人の言葉は終わらなかった。
「弟の嫁に妹に甥の嫁、姪の嫁にその子供達と嫁まで」
「全員狙われてるんですね」
「女は皆寄越せと賊の頭に言われてます」
「その頭は桁外れの女好きなんはわかりました」 
 ギンズバーグも聞いて呆れた。
「無茶苦茶ですね」
「ちなみに種族は天狗で他にも色々な種族に手を出してます」
「はあ、聞けば聞く程凄いですね」
 ギンズバーグも呆れるしかなかった。
「ほんまに」
「それでどうしたものか、戦おうかと考えていますが」
「こうした時の星のモンそれにここで会ったのも何かの縁」
 ギンズバーグは自ら申し出た。
「そうですさかい」
「それで、ですね」
「はい、僕でよかったら」
 強い声での申し出だった。
「やらせてもらいます」
「そうですか、それでは」
「はい、今からです」
 まさにというのだった。
「賊のアジト教えて下さい」
「詳しいお話をさせてもらいますので」
 老人はギンズバーグを自分の牧場に迎え入れた、そうしてだった。
 牧場の中にある丸太の家の中で彼とその家族合わせて六十人はいる彼等から話を聞いた、その時に賊の味との場所も聞いた、するとだった。
 彼は即座にその場所に行って賊のアジトを一人で急襲し賊を全員自分の術で眠らせてから攻撃をして倒し魂を確保してだった。
 老人と彼と親しいというコボルトの保安官に魂を全て引き渡しそのうえで言った。
「これでええですか?」
「流石星の方ですね」 
 保安官はその魂達を見て唖然とした声で述べた。
「一瞬であれだけの数を倒すとは」
「まだ残党がいるかも知れませんが」
「逃げた者ですか」
「それかたまたまその時アジトにいなかったモンが」
 賊の中のというのだ。 
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