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イベリス

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第百十八話 次第に知っていってその六

「北朝鮮の世襲って」
「あの国は共産主義です」
「世襲禁止してますよね」
「共産主義は」
「その共産主義国家の世襲はよくて、って」
「あちらの国民の人達が支持しているとのことで」
「それ言ったら日本の皇室もですよ」
 咲は有り得ないといった顔で言った。
「国民の人達は支持していますよ」
「ですが日本の場合はです」
「反対ですか」
「ここで言う両国の国民は実は自分自身なのです」
 言っている張本人だというのだ。
「ですから」
「自分がどうかですか」
「完全に私ですが」
 そうした主張だがというのだ。
「自分でわかっていないのか」
「そう言っていますか」
「そうです、私はこの人をその目で見て発言を聞いて」
 そうしてというのだ。
「またこれまでの人生の経験で」
「神様や仏様をですか」
「信じる様になりました」
「そうなんですね」
「今お話した様な人が自分の力で生きていけるか」
「真っ当には生きていられないですね」
 咲はそれはないという顔で答えた。
「店長さんの言われる通り運動家ですね」
「沖縄の基地の前にいる様な」
「そんな人になりますね」
「私もそう思っています」
 実際にというのだ。
「どう考えてもまともな頭ではないので」
「そうですよね」
「言っていること考え方全てが極左運動家で」
 そうであってというのだ。
「これは駄目だとです」
「思われたんですね」
「無神論ですと」
「そうですか」
「狂信はいけません」
 神を信じていてもというのだ。
「これは誤ります」
「カルト教団とかですね」
「そうです、宗教は理性あってです」
 そうしてというのだ。
「信仰を行うものでありまして」
「狂信はいけないですね」
「落ち着き他の人を認め」
「信じていくものですか」
「学びつつ」
「それが信仰の在り方ですか」
「私はそう考えています」
 こう咲に話した。
「私にとっては無神論も狂信もよくないとです」
「お考えなんですね」
「そうです、この考えは強くあります」
「神様仏様を信じてもいいんですね」
「理性を以て。ですから」
「何かあったらですね」
「お寺や神社に行かれることもです」
 そして神仏に願ったりそこにいる僧侶や神主といった人達に話を聞いてもらうこともというのである。
「いいとお話しています」
「そうなんですね」
「ですから小山さんも」
 咲もというのだ。
「よかったらです」
「お寺にですね」
「行かれて下さい」
「わかりました」
 咲もたしかな声で答えた、そしてだった。 
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