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ドリトル先生の落語

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第七幕その三

「その実は」
「そう思うとやる方も大変だよ」 
 ジップはこう思いました。
「軽いものじゃないね」
「そうだよ、お笑いは戦うお仕事でもあるとね」
 先生も皆に言います。
「僕も思う時があるよ」
「そうだよね」
「決して軽いものじゃないね」
「それをやる人も」
「常に全力でしないとね」
「駄目だよ、だからテレビのお笑いは駄目になっていて」
 そしてというのです。
「舞台やユーチューブの方にだよ」
「本物のお笑いがある」
「そうなっているのね」
「今の日本は」
「そうした状況なんだ」
「そうだよ、いい状況かっていうと」
 それはというのです。
「やっぱりね」
「そうは言えないね」
「どうにも」
「こんなことだとね」
「テレビはどんどん誰も観なくなるね」
「他の番組も酷いしね」
 バラエティ以外もというのです。
「もうテレビに出るはステータスかっていうと」
「そうでもなくなって」
「余計に駄目ね」
「そう言えるね」
「現状は」
「そうだよ」
 本当にというのです。
「そこまでテレビは面白くなくなっていてね」
「観る人がいなくなっている」
「そうなっているとね」
「もうテレビに出ても」
「ステータスにはならないわ」
「そうなっているからね」 
 先生はぼやきつつ言いました。
「テレビに出なくてもね」
「けれどですよね」
 お茶を出してきたトミーが言ってきました。
「まだテレビがいいっていう人いますね」
「いるよ」
 先生も否定しません。
「芸人さんの中にはね」
「そうですよね」
「ギャラもあるけれど」
 それでもというのです。
「やっぱりまだね」
「ステータスと思っていて」
「それでなんだ」
「そうした人がいますね」
「そうなんだ、けれどね」
「そうした人はですね」
「笑わせようじゃなくて」
 そうではなくてというのです。
「お笑いで地位やお金を得る」
「そう考えていますね」
「だからテレビに出られて」
 そしてというのです。
「有名になって」
「芸能界で地位を手に入れて」
「お金が欲しい人はね」
「テレビに出たがるんですね」
「そうした傾向があるかもね」
「そうなんですね」
「それで大阪だとね」 
 お笑いの街ならというのです。
「北新地かな」
「あそこですか」
「あそこで豪遊したいとか」
「考えているんですね」
「まあテレビ局は東京に集中しているから」
 先生は考えつつ言いました。 
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