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七十過ぎの爺の現実

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第二章

「スタイルもいいな」
「そうだな」
「しかも毎日会ってるな」
「美沙緒さんとは同居してな」
 そしてとだ、若尾は答えた。
「杏奈さんは毎日な」
「来てくれるな」
「それで家にも呼んでもらってるよ」
「次男の嫁さんの家にか」
「よくな」
 そうだというのだ。
「次男が仕事で昼の平日いないけれどな」
「そんな時にか」
「わしが寂しいだろうって言ってな」
 それでというのだ。
「美沙緒さんにばかり負担かけられないとも言って」
「世話をしてくれる為にか」
「わざわざ呼んでくれてな」
 自分達の家にというのだ。
「二人きりでお喋りしたり飯食ったりしてるよ」
「本当に出来た嫁さんだな」
「それで美沙緒さんもな」
 長男の嫁であり同居している彼女もというのだ。
「長男も平日の昼の仕事でな」
「いつもいないな」
「この家の中で何かとな」
「お世話してくれるんだな」
「身の回りのことな、それで飯もな」
 こちらもというのだ。
「一緒に食うよ、よくな」
「次男さんの奥さんと一緒にか」
「時には三人でな」
「かなり距離近いな」
 藤田はここまで聞いて茶を飲んで言った。
「あんな美人さん達と。スタイルがよくて」
「またそう言うんだな」
「服だって際どいな」
「そうか?」
「二人共ミニスカートでな」
 二人のこのことを話した。
「胸がはっきり出ていてお尻もな」
「お尻?」
「ああ、凄く大きくて形がよくて」
 二人のそのことも話した。
「足だってな」
「よかったか」
「それでいつも一緒か」
「美沙緒さんとも杏奈さんともな」
「二人きりで同じ部屋によくいて」
「よくしてもらってるよ」
「何もないのか」
 藤田は若尾に尋ねた。
「どっちの人とも」
「まさかと思うがな」
「そのまさかだよ、何もないのか」
「そういうお前さんはどうなんだ」
 若尾は藤田の問いに質問で返した。
「今は」
「わしか」
「そうだ、どうなんだ」
「わしは娘しかいないぞ」
 藤田は真顔で答えた。
「そんなことあるか」
「実の娘さん達だとか」
「あるか、けれどな」
 それでもというのだ。
「娘さんとはいえな」
「義理だな」
「息子の嫁さんだとな」
 美沙緒も杏奈もというのだ。 
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