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ハッピークローバー

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第九十六話 ラッキーナンバーその十五

「そうよね」
「それで色は白かピンクよね」
「それでも奇麗よね」
「だから毎日ね」
「お洗濯してるのね」
「数も持ってるしね」
 下着のそれもというのだ。
「だからね」
「清潔なのね」
「汚れにはね」
 本当にというのだ。
「気を付けてるのよ」
「白だから」
「ええ、ただ今日のことであんたがさらにわかったわ」
「そうなの」
「スペインのお話も聞けたしね」
「闘牛とかバスクのこととか」
「よくね」
「結構知ってたでしょ」
「うちの学校あんた以外にもスペインの人いるしね」
「田山先輩だってね」
 先程話に出た彼もというのだ。
「バスク系で」
「他ならないね」
「それで中南米の人もいるから」
 彼等のことも話したのだった。
「だからね」
「バスクのこともなのね」
「知っておいて損はないでしょ」
「そうよね、というかね」
 一華はスペインの娘に考える顔で言った。
「子供の頃スペインっていうとね」
「どう思ってたの?」
「一つだって思ってたわ」
「そうだったの」
「幼稚園の頃から周りにスペインや中南米の子いたけれど」
 そうだったがというのだ。
「小学校高学年頃から色々聞いて」
「知っていったのね」
「その中でバスクのこともね」
「それでバスク人とかバスク語のことも」
「聞いてね」
 それでというのだ。
「わかったわ」
「そうなのね」
「それでも今あんたから色々聞いて」
「余計に知ったのね」
「ええ、バスク系の人ッて中南米にも結構多いのね」
「そう、かなり独特なのよ」
 スペインの中でもというのだ。
「それで中南米にもね」
「大勢の人がいるのね」
「それで民族問題にもなってるのよ」
「色々複雑だってあらためてわかったわ」
「私この学校でバスク系の友達いてね」
 それでというのだ。
「バスク語は苦手だけれどある程度わかるし」
「わかるの」
「その友達から聞いてね」 
 それでというのだ。
「確かにスペイン語とは全く違うけれど」
「わかるのね」
「けれど完全に喋られないから」
 それ故にというのだ。
「苦手って言ったの。ただスペイン語でのやり取り出来る」
「あんたの本来の言語ね」
「お互い日本語も喋られるしね」
「実際に今私と日本語で喋ってるしね」
「そうよね」
「けれどその子とはスペイン語でね」
 この言語でというのだ。
「一番やり取りするし」
「仲いいの」
「そうよ、だからね」
「あんたはバスクの人達に偏見ないのね」
「別にバスク人だからって悪いことしないでしょ」 
 眉をやや顰めさせて話した。 
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