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夢幻水滸伝

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第三百十五話 ネクロマンサーの戦いその五

「戦略も必要やな」
「勢力としてですね」
「まずは周辺の街や村を掌握していって」
 そうしてとだ、ルイーザはその戦略を話していった。
「そしてな」
「そのうえで、ですね」
「ミシガン州を統一しよか」
「このデトロイトのある」
「そうしよか」
「是非。ではです」
 市長はルイーザの話をここまで聞いてこうも言った。
「ルイーザ様の棟梁としてのお仕事をされる執務室とです」
「ああ、やっぱり勢力のトップになるとな」
「書類仕事や会議もです」
「するな」
「内政もされますね」
「当然な」
「そして外交にです」
 市長はルイーザに政の話もした、これは伊達に政そのものに携わっている市長の役職にあるわけではなかった。
「戦もされますね」
「何かとやること多いな」
「ですから」
 そうした事情があるからだというのだ。
「この市庁舎にです」
「あたしの部屋を置いてくれるか」
「そうさせて頂きます」
「ほな空き部屋があれば」
 そうであればとだ、ルイーザは答えた。
「そこを使わせてもらうわ」
「それで宜しいですか」
「空いてる部屋は使わんと勿体ない」 
 普段通りの素っ気ない口調での言葉だった。
「そやからな」
「そうしたお部屋でいいですか」
「ええで」
 そうだというのだった。
「あたしは」
「ルイーザ様がそう言われるなら」
 市長もそれならと頷いた。
「丁度空き部屋も幾つかありますし」
「そのうちの一つをやな」
「提供させて頂きます」
「ほなな」
「それとです」
 今度は社長が言ってきた。
「ルイーザ様はお家は」
「ここに来たばかりやからないで」
 ルイーザは一言で答えた。
「さっきのお仕事で社長さんからお金貰ったけど」
「文無しではないと」
「そやけど宿無しや」
 そちらになるというのだ。
「今のあたしは」
「ではです」
 社長はそれならと答えた。
「お家を提供させてもらいますが」
「それでそこに住んで」
「行動されては」
「そうしてええか」
「丁度この街にかつてある資産家のものだった邸宅がありまして」
 社長はルイーザに話した。
「その人が別の屋敷を建てて引っ越しまして」
「今は空き家か」
「そうなのです。知人の不動産屋が管理しています」
 そうした家だというのだ。
「これが」
「それであたしはか」
「そのお家に住まれて」
 そしてというのだ。
「活動されてはどうでしょうか」
「正直今家はないし」
 そもそもとだ、ルイーザは述べた。 
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