| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

妹達との散歩

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第二章

「そしてな」
「家族の為に何かして」
「家族が喜んでな」
 そうなってというのだ。
「笑顔になるのを見るのがな」
「大好きなのね」
「そんな娘なんだ」
「凄くいい娘ね」
「犬の中でもな」
 それこそとだ、文太は言い切った。
「ふわりみたいないい娘はな」
「滅多にいないわね」
「いるものか」
 こうも言うのだった。
「それこそな」
「そうよね」
「だからな」 
 そうした娘だからだというのだ。
「今だってな」
「二人に寄り添ってるのね」
「そうなんだ」
「いい?この娘はね」
 女の子達の今の親である親戚が二人に話した。
「あんた達のお姉ちゃんなのよ」
「だあ」
「だあだあ」
「そのことを覚えておくのよ」
 まだ小さくものごころのついていない二人に話した。
「覚えられる様になったら」
「だあ」
「だあだあ」
「今は覚えられなくてもな」
 文太はその親戚に話した。
「もうすぐな」
「上の娘は特にね」
「立てる様になったし」
 それだけの歳になったしというのだ。
「それにな」
「それでよね」
「あと少しな」
「成長したら」
「覚えられるさ」
「そうなったら」
「この娘達もわかるさ」
 覚えてというのだ。
「ふわりのことをな」
「そうなるわね」
「そしてふわりをお姉ちゃんだってな」
 自分達にとってというのだ。
「思うさ」
「そうなるわね」
「血はつながってなくてな」
 犬と人間でというのだ。
「別々に暮らしていてもな」
「それでもよね」
「ああ、ふわりとこの娘達はな」
「姉妹ね」
「そうだ」
 紛れもなくというのだ。
「そうだからな」
「わかるわね」
「あと少しでな、ただな」
「ただ?」
「一緒に住むことはな」
 これはというと。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧