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わんねー あいつに責任とってもらう だけど好きになっただけヤ

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1-5

 うす暗くて狭い階段を上って、道路寄りの所が泉希ちゃんの部屋。部屋には、机とベッド、本棚と幾つかの衣装ケースだけ。ポスターとかぬいぐるみなんかは無くて、殺風景な部屋。壁には、縄跳びのロープがぶる下がっているだけなのだ。だけど、本棚には、ずらりと私が眼を通したことのないようなものばかりが・・。

「ふふっ 味気ない部屋でしょ ウチ余計なものは要らないの みゅんはどんなの?」と、ベッドに腰掛けるようにさせてきていた。

「わんねー ・・・ウチはぁー 何も無い あっ 姫野のポスター置いてきちゃったー」

「ふふっ みゆん 無理にウチってゆわんでもええんやでー その方が変やー 自分のこと みゅうみゅんってゆうんやろー? 時々 ゆうてたわー わんねー も? それに、 姫野って なんなん? 観光地かぁ?」

「姫野 知らんかぁー? かっこいいんよ」

「ふーん 興味ないわー」

「なんやー なぁ 泉希は学校に興味ある男の子 おらへんの?」

「あのさー その気持ち悪い大阪弁やめーなぁー 普段の言葉でもええからさー」

「うーん お母さんが できるだけ みんなと合わせた方が・・って」

「まぁ ウチには 要らん そんな気遣い ほんでなー 恰好良い男はおらん 男の子はみんなしょーもないのばっかりやー 利勝も昔から近くやねけどなー あいつは ヘタレや!  みゆんは誰かいるん?」

「・・・うーん みゅうみゅんなぁー 好きな人居てる ・・・ この近くに住んでるよ たぶん」

「えぇー そんなん いつ 知りあったん?」

「この3月まで うちの島に 島留学ってのかなー 学校が嫌になった子とかを一時的に島のみんなで預かるの だから たっ君は去年の4月から3月まで 一緒やった」

「ふぅ~ん その たっ君を好きになったんだ さっき この近くに住んでるって言ってたんやんかー そこ知ってるん?」

「はっきりとは知らん でも住所は知ってるでー お母さんの昔の同級生の息子なんだって 帯屋さんとか・・・」

「あぁー あー 宮川帯士やんかー ひとつ上やー 知ってるでー 通学班ちゃうけどなー 確か、不登校になってから見かけんわぁー」

「うん そんなことになったって言ってた だから うちの島に来てたんやー」

「そう おとなしいけど、芯の強そうな人でね でもヤンチャなとこもあったカナー  だけど、事件があって それ以来 不登校になったみたい」

「泉希 その事件って 知ってるの?」

「うーん 何となくのウワサだけだよ そんなの みゅんは知らない方が いいかもネ」

「えぇー みゅうみゅんが 知ったら駄目なことなんかぁ?」

「そんなんちゃうけどなー ウチも本当のことは知らんし ただ、ウチはあの時のことおかしいなとは思ってる 確かなことは そのたっ君から聞くんが一番ええと思うからー ごめんな でも ええ加減なこと言われへんやろー」

「そうかぁー 泉希はやっぱり みゅうみゅんが最初に感じたように 賢いなぁー そんなとこ 皆から好かれるんだネ」

「そーでも ないよー ウチを嫌ってる子も多いでー はっきり 言うからな」

「でも ウチは好きやー」

「はっ はぁー その調子の大阪弁 うふっ みゅん ウチ等 仲良くなれそうネ」

「うん ウチも」

「ふふっふー それで 聞かせて なんで みゅんがここに居るの? まさか たっ君 追いかけてきたんじゃぁないでしょ?」

「まぁ 半分 そうかなー 来年 中学なんよ 島じゃぁ 中学は船に乗って通うんよー それと、やっぱり本土とは頭のレベルが違うでしょ? 同じなら お母さんは ここの聖女学院に進ませたいみたいで・・ みゅうみゅん 勉強できないから それで1年前からって 今は、お母さんの実家 じっちゃんとばっちゃんにお世話になってる」

「そーーなんやー それで、たっ君とは会ったの?」

「うーん それ! 手紙で知らせたのだけど 何の返事も無いの」

「へぇー 避けられてんのちゃう?」

「そんなことないよー みゅうみゅんのことは好きやし忘れないって 約束したもん  それに・・」

「それに?」

「うーん ・・・ 泉希だから 話すけど・・ みんなに内緒ネ 約束してよー」

「うん わかった 約束する!」

「あのねー 服 全部脱いで 裸 見せ合ったの 好きだったしー 覚えていてもらうつもりで」

「へぇー そうなん みゅんもやるのぅー そうかぁー だったら あの人は真面目そうやから きっと みゅんのことは忘れないと思うけどなー なぁ 家に行ってみようか? ウチ 家知ってるから」

「そんなー 押しかけて行って 嫌われたりするかもー」

「じゃぁ どうすんのよ このままじゃあ 会えないかもよ」

「うーん まだ みゅうみゅんはこっち来て 直ぐヤン もう ちょっと・・」

「わかった なんかの時には協力するからな!」

 その後、下に降りて、おやつを食べて、泉希のお母さんが現れた。私と同じように頭を短く刈り上げていて、男の人みたい。

「いらっしゃいネ あのね 泉希がお友達 ウチに連れてきたの 初めてなんよ さっき 学校から帰って来て、すごーく 気が合いそうなんだって」

「オカン そのことは もう ええってー」

 そして、泉希ちゃんに誘われて、近くの公園で 縄跳びを・・・私、初めてだったんだけど、教えてもらって、直ぐに 泉希ちゃんと同じように飛べていた。

「みゅん すごいね 運動 バッチシやなー 見かけどおりやー かけっこも速いんやろー?」

「どうだか でも、島じゃぁ 男の子に負けないよ」

「ふふつ 面白いわねー」


 
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