仮面ライダー電王 約束の場所
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第四十三章
「俺達はな」
「この三十六年前に全てがはじまったんだよね」
「ああ、この時にだったな」
それを言うと感慨を感じずにはいられなかった。
「はじまったんだ」
「けれどまだ終わらない」
良太郎はそのうえでこうも言う。
「まだね」
「それはあれだな」
「あれ!?」
「ああ、元の世界に戻ってからだ」
こう言う桜井だった。
「戦いはな」
「じゃあ今は」
「御祝いに決まってるだろうが」
モモタロスが言ってきた。
「ここはよ。そうだろ、良太郎」
「そうなんだ」
「とりあえずはあれだ」
ふととりあえずという言葉が出て来た。
「さりげなく連れて来た未来の御前を全部返してだな」
「まずはそれなんだね」
「そう、それから次はだ」
モモタロスはさらに言う。
「あの昆虫野郎共と皆でデンライナーでな、パーティーだ」
「その御祝いの?」
「そうだよ、イマジンとの戦いが終わったんだぜ」
イマジンだがそれを心から喜んでいるのがわかる言葉だった。矛盾しているといえばしている。だが本人はそれに気付いてはいないのであった。
「それに決まってるだろうが」
「じゃあデンライナーに戻って」
「野上、料理は任せろ」
デネブが名乗り出て来た。
「俺が腕によりをかけて作るからな」
「御前椎茸入れるなよ」
桜井がすかさずそれを言う。
「絶対だぞ」
「侑斗、椎茸は身体にいいんだ」
「それでもだ。いいな」
「ううむ。ではしめじにしておくか」
「それならいいけれどな。とにかく椎茸は嫌だからな」
「ふむ、椎茸は駄目か」
ここで天道が彼等の側にやって来て述べた。
「では他の食材にしておくか」
「天道さん料理できるんですか?」
「当然だ」
自信に満ちた顔でハナの言葉に答える。
「俺は料理においても万能の天才だからな」
「万能ですか」
「何かつくづく凄い人みたいね」
コハナがそれを聞いて呟く。
「天道さんも」
「とにかく皆戻ろう」
ウラタロスが皆に言う。
「ここにいても仕方ないしね」
「そやな」
彼の言葉にキンタロスが頷いて同意する。
「戦いも終わったことやしな」
「パーティーだパーティーだ」
リュウタロスはもうはしゃいでいる。
「僕も楽しんじゃうぞ」
「さて、ではデンライナーだが」
ジークはそのデンライナーを探す。
「何処かな」
「といってる側から来たな」
「あらためてこうして見ると大きいんだな」
矢車と影山が言う。
「これで過去に帰って終わりか」
加賀美の言葉には感慨が篭っていた。
「カッガーミ、この場合は現代ではないのか?」
「そうそう、それそれ」
神代の言葉に風間が言葉を入れる。
「何はともあれ祝いの場では俺も蕎麦を打つか」
「おっ、隊長の蕎麦ですか」
「それを食べられるとは」
「勝ったかいがありました」
大和、黒崎、織田はそれを聞いて笑顔になる。その笑顔でそれぞれデンライナーに乗り込むのだった。一人、また一人と戦場から離れていく。
「じゃあ野上」
「良太郎」
桜井とハナが良太郎に声をかける。既に天道達とイマジン達は乗り込み後に残っているのは彼等だけになってしまっていたのである。
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