オズのカリフ王
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第五幕その五
「また嬉しくなったわ」
「拍手を受けてか」
「そうなったわ」
「ではまた踊るか」
「いえ、今はいいわ」
ノーム王に笑って答えました。
「今は満足したから」
「それでか」
「ええ、また後でね」
「歌って踊るのじゃな」
「そうするわ」
こう言うのでした。
「そうしたくなったらね」
「そうか、ではな」
「ええ、またね」
「見させてもらうぞ」
「それじゃあね」
こうしたお話をしてでした。
皆今も楽しく過ごします、そうしたお話をしているとです。
ポリクロームもくるくるとです。
お空を舞ったりしながら歌って踊りますがノーム王は彼女を見て今度はこんなことを言ったのでした。
「お前さんは動き自体がな」
「ええ、踊る感じでしょ」
「普通に歩いていてもな」
その時もというのです。
「くるくると回ってな」
「それが私の動きだから」
「リズムを取ってか」
「踊る様なの」
「そうなのじゃな」
「ええ、それでお空もね」
こちらもというのです。
「飛べるしね」
「それでじゃな」
「こうしてね」
踊りながら言うのでした。
「出来るからね」
「ふむ、お前さんにしてもな」
ノーム王はここまで聞いて言いました。
「よいのう」
「そうした身体だから」
「そうじゃ、実にな」
「羨ましくはないわよね」
「それはそれじゃ、羨むことはオズの国にはないのう」
「誰もね」
「わし等はわし等でわし等しか出来んことがあってな」
そうしてというのです。
「楽しめることがある」
「そうよね、貴方達もね」
「例えばな」
ノーム王は笑って言いました。
「土の中に何があるかをな」
「わかるのね」
「わし等は土にずっとおる種族だからな」
それでというのです。
「よくじゃ」
「土の中にあるものがわかるわね」
「そうであるからな」
「そして見付けたものを細工出来る」
ドワーフ王も言ってきました。
「わし等はな」
「ドワーフの人達の工芸品って有名よね」
「ははは、そうであろう」
「それでなのね」
「これはわし等の楽しみじゃ」
「いや、土の中を巡るのもまたよい」
またノーム王が言います。
「何処に何があって何がおるかわかるからのう」
「それが楽しいのね」
「もう金や銀を見付けるのが楽で」
それでというのです。
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