| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

X ーthe another storyー

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第三十四話 外宴その十

「そうした意味でも」
「そうですか」
「ですから」
 それでというのだ。
「僕は普段はです」
「サングラスをかけておられますか」
「そうです」
 まさにというのだ。
「そうしています」
「そうですか」
「ですが」
「気を許した人達の間ですと」
「その時はです」
 まさにというのだ。
「この様にして」
「素顔を見せられるのでね」
「そうしています」
「そうですか」
「そして」
 星史郎はさらに話した。
「これからもです」
「サングラスを外してですか」
「皆さんとこうしていきたいです」
「そうですか」
「いいと思いますよ」
 遊人は日本酒を飲みつつ笑って応えた。
「星史郎さんがそうされたいなら」
「それならですか」
「僕達に断る理由はありません」
 一切というのだ。
「何が悪いのか」
「片目で、ですか」
「僕も哪吒君や颯姫さんと同じ意見です」
「そうですか」
「俺もだ」
 草薙はカルーアミルクを飲みつつ言ってきた。
「何がだ」
「問題か、ですか」
「わからない、身体の何処かが悪くてもな」
 それでもというのだ。
「別にな」
「何ともないですか」
「そうだろ」
 こう言うのだった。
「本当にな」
「そう言ってくれますか」
「自衛隊だと身体を怪我することだってな」
「ありますか」
「身体使う仕事だろ」
 星理想に微笑んで話した。
「だからどうしてもな」
「怪我も多いのですね」
「訓練の時も災害救助の時もな」
「それで、ですか」
「あんたの目のことだってな」
「何ともないですか」
「その目はあれだろ」
 光のないその目を見て言うのだった。
「人を守ってそうなったんだろ」
「ご存知でしたか」
「ああ、地の龍の集まりに出てな」
 そうしてというのだ。
「噂で聞いたよ」
「私もそんな話を聞いていたわ」
 庚も言ってきた。
「そのお話はね」
「噂ですか」
「噂は本人が言わなくて関係者が言わなくても」
 例えそうしてもというのだ。
「自然と出てね」
「広まるものですか」
「そうしたものでね」
「聞かれましたか」
「私もね」
「悪い、聞くつもりはなかったんだ」
 草薙はこのことは申し訳ない顔で言った。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧