星河の覇皇
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第八十四部第五章 宣言に向けてその三十二
「どうも創設からな」
「ありますね」
「国防費は最低限でだ」
必要でも抑えてというのだ。
「そしてだ」
「予算は他の分野に回る」
「開発、開拓にインフラにな」
「教育に社会福祉に」
「そうしたものに回してだ」
そうしてなのだ。
「国防費は最低限でいい」
「そうなっていますね」
「実際に連合ではな」
「国防に力を入れずとも」
「充分以上だ」
「人口と国力は他勢力を圧倒しています」
金は率直に述べた。
「まさに」
「敵国であるエウロパもな」
「はい、文字通りに」
「常に総兵力でエウロパの十倍以上あった」
「十倍以上の兵力差があるとですね」
金は軍事は専門外だ、政治は辣腕家であるがそれでも生粋の文民でありそちらはまだ手つかずの状態なのだ。
「もうこちらが相当な失敗をするか」
「相手に天才でもいない限りな」
「大丈夫ですね」
「しかも技術でも圧倒している」
装備のそれもというのだ。
「それならな」
「もう何もですね」
「まさにだ」
それはというのだ。
「心配はいらない」
「そうした状況では」
「軍はな」
どうしてもというのだ。
「優先順位は低い」
「左様ですね」
「だから国防費もな」
「最低限となりますね」
「それこそ総生産の一パーセント位でな」
予算にして精々三パーセント程である。
「よいとなってな」
「実際にそうですし」
「どうしてもだ」
そこはというのだ。
「そうした不文律が出来てな」
「縛りとなっていますね」
「確かに国防費は必要だが」
アッチャラーンはこのことを前提としつつさらに話した。
「しかしだ」
「国防費は支出ばかりです」
カバリエが言ってきた。
「まさに」
「収入にはつながらない」
「連合は富を求める国です」
これは国家も同じであるのだ。
「ですから」
「どうしてもな」
「はい、国家予算については」
「それはな」
「収入につながるものとなるので」
「教育は人材育成でだ」
国家に貢献するそれでだ。
「後で思い切り返ってくる」
「優秀な人材を育てれば」
「それでな、だから絶対に必要だ」
「教育も産業です」
カバリエは微笑みこうも言った。
「そこにある様々な物事について何かとあり」
「まさに一大産業だ」
「ですから教育費も必要です」
「そうだ、その支出がだ」
まさにというのだ。
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